2012年2月1日水曜日

日本相撲協会は,北の湖理事長でいいのか。覚悟はあるのか。

1月30日に大相撲の理事の改選が行われ,新理事の互選により,北の湖親方が新理事長に選出された。北の湖親方といえば,弟子の不祥事を理由に理事長を途中で辞任に追い込まれた人だ。その人が,またまた,再登場である。こんなことでいいのだろうか。

外部理事で任期切れのある人の発言によれば(テレビ発言),「人材不足。だから,仕方がない」という。はたして,そうなのだろうか。ベテランに人材がいなければ,若手に眼を向ければいい。むしろ,若手を育てるべき絶好のチャンスではないのか。しかし,そうはならない。なぜか。理由は簡単。利権争いが水面下で激しさを増しているからだ。

利権をめぐる私利私欲の固まりのような人たちが親方集団を形成している。そういう親方のなかから理事が選ばれる。当然のことながら,自分の立場に有利な人を選ぶことになる。しかも,一門の持ち株は決まっている。だから,簡単に票数を割り出すごとができる。造反がないかぎり,新しく選出される理事は,最初から決まっている。

今回もまた,かなりの造反親方が現れ,予想を覆す新理事が誕生している。10人の理事枠のところに12人の立候補があり,選挙に突入した。前回につづいて2回目の投票である。しかも,投票の前に立候補者たちの立ち会い演説会も行われている。さらには,〇印をつける選挙方法から記名式の方法に変えている。この直前の選挙方法の変更にも,いろいろととりざたされる材料がある。その背後にいろいろと画策があったようだ。

そういう詮索をひろい集めていくと,最終的に,新理事は北の湖親方を理事長に選出しなければならない「からくり」があったようだ。だとしたら,これは完全なる八百長ではないか。現に,表集めのために高砂一門の親方が動いたことが,情報として流れている。そのほかにも,さまざまな表集めのための運動があったことは明らかだ。そのとき,カネが動いたかどうかは,まったく「藪の中」だ。

一般的な常識からすれば,北の湖親方が復活する道はありえない。これから公益法人としての手続きに入るという重要なこの時期に,一度,×のついた旧理事長が復活するというのはありえない。しかも,北の湖親方といえば,守旧派のトップに立つ人だ。これでは改革ビジョンは望むべくもない。そういう人を理事長に迎えなくてはならなかった新理事とはいったいどういう人たちなのか,とくと顔ぶれを眺めていただきたい。

日本相撲協会のこんごの命運をかけた理事選挙が,こんなことでいいのか。その結果として生ずるであろう事態,すなわち公益法人としては「不可」という結論に対する覚悟はできているのだろうか。そんなことも眼中にない親方衆の選挙結果が,これだ。

もう一点,不思議なことがある。

なぜか,今回の選挙に関しては,意外に情報が少ない。新理事が口を固くとざしているからなのか,あるいは,メディアが「自発的隷従」に徹しているからなのか,とにかくわたしの知りうる情報が少なすぎる。なにか不穏な動きがあったとしかいいようがない。公けにすることが憚られるような,きわめて不可解なことがあったのではないか。メディアはそれを知っていて,いつもの「知らぬ勘兵衛」を決め込んでいるのではないか。

これからひと波瀾も,ふた波瀾も起きそうな,そんな予感がしてならない。そんな日本相撲協会の今回の理事選挙であり,理事長選挙だったのではないか,とわたしは勝手な勘繰りをしている。もし,そうならなかったとしたら,事態はもっともっと深刻だ,ということだ。

日本の社会のひとつの縮図をみているようで恐ろしい。

0 件のコメント:

コメントを投稿