東京都の舛添知事が都議会の所信表明演説(10日)で,「東京五輪招致時点で作成した会場計画全体を見直す」と表明した,という。理由は,建設資材や人件費の高騰,ならびに大会後の利用見通しなどへの対応を再検討するため,という。
よしっ! よくぞその気になってくれた,と喜んだのも束の間,新国立競技場は「国がやるべきだ」との立場(都知事)で,対象とするかどうかは明らかにしていない,という。もし,見直し対象からはずすということになれば,その意味は半減してしまう。ぜひとも,ここは東京都民のみなさんが立ち上がって,見直し要求をして欲しいところ。そして,そのためには都民以外のわたしたちも積極的に支援をしていきたいところ。踏ん張りどころだ。
とりわけ,新国立競技場については,これを契機にして,すでに強い見直し要求を表明している建築家集団(槙文彦氏を筆頭とする)や市民運動(森まゆみ氏を筆頭とする)などが,息を吹き返し,さらに活性化することを期待したい。五輪施設会場計画見直しの核心は,なにをおいても,この新国立競技場の建造計画の見直しにあるのだから。メディアもこの新国立競技場の建造計画にフォーカスして,いろいろの立場の人びとの声を伝え,国民的な議論にすべく,ここは踏ん張ってほしいところだ。
やはり,東京五輪はできるだけ多くの国民の合意のもとに開催されるべく,あらゆる努力を惜しむべきではない。これまでの密室での準備の進め方に大きな風穴を開けたという意味で,ひとまず,舛添知事には拍手を送っておきたい。が,問題は,これからだ。国におもねることなく,どこまでも主催都市とそれを支える都民の側に立つ,勇気ある決断をこれからもしていってほしい。
今日の東京新聞の報道の一部を転載しておく。
「見直し対象は競技会場37カ所のうち都が新たに建設する水泳などの10会場と,大会組織委員会が整備する仮設の11会場が中心。都は10会場新設などで整備費1,538億円を見込んでいたが,資材価格や人件費の高騰の影響などで3,800億円余に倍増しかねないとの試算もあり,経費削減することにした。」
「来年2月に国際オリンピック委員会(IOC)に提出する開催基本計画に盛り込む。開催都市決定後の会場変更は12年ロンドン五輪でも先例があるが,国際競技連盟などの了解が必要。」
「自然破壊のおそれがあるとして反対運動のあるカヌー・スラローム会場の葛西臨海公園(江戸川区)などが再検討の対象になる。」
前都知事が,4,000億円の準備金があるので,資金には不足はない,と豪語していたが,たった10会場を新設するだけで底をついてしまうのだ。しかし,こんなことは素人にも予測できたことだ。東日本大震災の復興費用が雪だるま式にふくらんでいく背景には,資材不足と人材不足がある,と早くから報じられていたのだから。ましてや,手も足も出せないフクイチの事後処理には,それこそまったく予測のつかない額の資材・人材費が必要であることも,だれの目にも明らかだ。そこに,加えて東京五輪施設の建造である。それもとてつもなく巨大な新国立競技場の建造が待っている。
こうなると,これからも増税につぐ増税がつづくことだろう。
そこまで国民の負担を強いてまでして,東京五輪を開催する意義があるのか,というのが3・11以後の五輪招致運動へのわたしの疑問だった。それが,わたしの予測をはるかに超えたかたちで,すでに現実化してしまっている。しかも,これからもっと費用は嵩んでいくことだろう。となると,もはや夢も希望もない東京五輪が待っているとしかいいようがない。
日本のメディアはほとんど報道しようとはしていないが,海外のメディアでは,ブラジルのサッカーW杯開催に対する根強い反対運動が展開されていて,開催期間中になにが起きるかわからないと報道している。そして,そのあとに予定されている五輪開催にも国民の多くは強烈に反対しているという。そんな金を使うのなら,その金を国民の医療や教育など福祉に回すべきだ,と。つまり,まずは「生活」が第一だ,と。そして,五輪開催のための会場準備もほとんど停滞したままだ,という。すでに,IOCは相当に危機感をいだいていて,五輪返上案も検討されているという。
東京も「他山の火事」と傍観しているときではない。明日はわが身だ。
それくらいの危機意識をもって,五輪会場全体の見直しに取り組んでほしい。とりわけ,新国立競技場については・・・・。
舛添知事の手腕やいかに。
よしっ! よくぞその気になってくれた,と喜んだのも束の間,新国立競技場は「国がやるべきだ」との立場(都知事)で,対象とするかどうかは明らかにしていない,という。もし,見直し対象からはずすということになれば,その意味は半減してしまう。ぜひとも,ここは東京都民のみなさんが立ち上がって,見直し要求をして欲しいところ。そして,そのためには都民以外のわたしたちも積極的に支援をしていきたいところ。踏ん張りどころだ。
とりわけ,新国立競技場については,これを契機にして,すでに強い見直し要求を表明している建築家集団(槙文彦氏を筆頭とする)や市民運動(森まゆみ氏を筆頭とする)などが,息を吹き返し,さらに活性化することを期待したい。五輪施設会場計画見直しの核心は,なにをおいても,この新国立競技場の建造計画の見直しにあるのだから。メディアもこの新国立競技場の建造計画にフォーカスして,いろいろの立場の人びとの声を伝え,国民的な議論にすべく,ここは踏ん張ってほしいところだ。
やはり,東京五輪はできるだけ多くの国民の合意のもとに開催されるべく,あらゆる努力を惜しむべきではない。これまでの密室での準備の進め方に大きな風穴を開けたという意味で,ひとまず,舛添知事には拍手を送っておきたい。が,問題は,これからだ。国におもねることなく,どこまでも主催都市とそれを支える都民の側に立つ,勇気ある決断をこれからもしていってほしい。
今日の東京新聞の報道の一部を転載しておく。
「見直し対象は競技会場37カ所のうち都が新たに建設する水泳などの10会場と,大会組織委員会が整備する仮設の11会場が中心。都は10会場新設などで整備費1,538億円を見込んでいたが,資材価格や人件費の高騰の影響などで3,800億円余に倍増しかねないとの試算もあり,経費削減することにした。」
「来年2月に国際オリンピック委員会(IOC)に提出する開催基本計画に盛り込む。開催都市決定後の会場変更は12年ロンドン五輪でも先例があるが,国際競技連盟などの了解が必要。」
「自然破壊のおそれがあるとして反対運動のあるカヌー・スラローム会場の葛西臨海公園(江戸川区)などが再検討の対象になる。」
前都知事が,4,000億円の準備金があるので,資金には不足はない,と豪語していたが,たった10会場を新設するだけで底をついてしまうのだ。しかし,こんなことは素人にも予測できたことだ。東日本大震災の復興費用が雪だるま式にふくらんでいく背景には,資材不足と人材不足がある,と早くから報じられていたのだから。ましてや,手も足も出せないフクイチの事後処理には,それこそまったく予測のつかない額の資材・人材費が必要であることも,だれの目にも明らかだ。そこに,加えて東京五輪施設の建造である。それもとてつもなく巨大な新国立競技場の建造が待っている。
こうなると,これからも増税につぐ増税がつづくことだろう。
そこまで国民の負担を強いてまでして,東京五輪を開催する意義があるのか,というのが3・11以後の五輪招致運動へのわたしの疑問だった。それが,わたしの予測をはるかに超えたかたちで,すでに現実化してしまっている。しかも,これからもっと費用は嵩んでいくことだろう。となると,もはや夢も希望もない東京五輪が待っているとしかいいようがない。
日本のメディアはほとんど報道しようとはしていないが,海外のメディアでは,ブラジルのサッカーW杯開催に対する根強い反対運動が展開されていて,開催期間中になにが起きるかわからないと報道している。そして,そのあとに予定されている五輪開催にも国民の多くは強烈に反対しているという。そんな金を使うのなら,その金を国民の医療や教育など福祉に回すべきだ,と。つまり,まずは「生活」が第一だ,と。そして,五輪開催のための会場準備もほとんど停滞したままだ,という。すでに,IOCは相当に危機感をいだいていて,五輪返上案も検討されているという。
東京も「他山の火事」と傍観しているときではない。明日はわが身だ。
それくらいの危機意識をもって,五輪会場全体の見直しに取り組んでほしい。とりわけ,新国立競技場については・・・・。
舛添知事の手腕やいかに。
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