新国立競技場建設計画が,いま,正念場を迎えています。そのことにようやく気づいた東京新聞が,今日(6日)も大きな紙面を割いて,記名記事(清水祐樹)を掲載しました。写真を掲載しておきますので,詳しいことはこの紙面でご確認ください。とても簡潔に問題点を浮き彫りにした,とてもいい記事になっています。これを読めば,新国立競技場建設計画の事業母体であるJSC(日本スポーツ振興センター)がいかに杜撰な運営をしているかが一目瞭然です。
ざっくり言ってしまえば,入札前日に書類を開封し,入札価格を確認した上で,JSCの「予定価格」を決め,これに基づいて落札会社を決定した,というのです。入札制度を頭から否定した,まったくもって信じられないようなことを,文部科学省所管の下部組織であるJSCがやっているという事実に,唖然とするしかありません。これが泣いても笑っても天下のお役所仕事なのです。
これが再入札での話です。一回目は,どこの社も予定価格に適していないという理由で落札不成立。やり直しの入札がこれだった,というわけです。そこには,なにか,水面下のドロドロした不穏な動きがあったのではないか,と妄想にも近いげすな勘繰りが脳裏をよぎります。
さすがに内閣府の政府調達苦情検討委員会も事態を重くみて,入札会社の申しいれた苦情を受理し,審議の結果,JSCに入札の「やり直し」を求めた(9月30日)とのこと。このことによって,7月に始まる予定だった解体工事が12月中旬以降にずれ込むことになった,といいます。
これで,とうとう6カ月も時間を無駄に消費してしまったことになります。ただでさえ,ザッハ案という難工事が控えていて,予定されている48カ月では施工困難(槇文彦氏をはじめ大手ゼネコン関係者指摘)とみられていますので,このままでは42カ月で工事を完了しなければならなくなってきます。となると,新国立競技場建設計画が初手から破綻していて,とうとう暗礁に乗り上げた,としか言いようがありません。それはデザイン・コンペの審査過程からして異常だったことも含めて・・・・。
新聞では,入札の不手際に焦点を当てて,説得力のある記事にしていますが,じつはこうした経緯についてはいろいろのところですでに暴かれていて,シンポジウムや報告会,勉強会が開催されています。が,そこには大手のメディアは一社もきてはいません。東京新聞も同じです。
たとえば,9月26日(金)に開催された「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」の集会(日本青年館・3階)では,12人もの各分野の専門家が登壇して,それぞれの問題点を指摘した上で問題提起をしています。そこで得られた情報は,じつは,この新聞記事の内容よりもはるかに濃密なものでした。
ですから,わたしには,この記事ですら物足りない,というのが正直な実感です。でも,ようやくこういう記事を書いてくれたのですから,ありがたいと思わなくてはなりません。しかも,いまが正念場。これから再再入札が行われて,解体工事がはじまる前(12月中旬)に,なんらかの圧力をかけてストップをかけるしかありません。あの手この手でいくしかありませんが,いまひとつパンチ力に欠けます。
最後の決め手は,ひょっとしたらIOC本部に向けて,新国立競技場建設計画は「オリンピックムーブメント・アジェンダ21」(「IOCアジェンダ21」と略称することもある)に違反していることを直訴するしかないのかもしれません。そして,すでに,その手は打っているのです。日本野鳥の会は,早くにこの手を用いて,カヌー競技場新設計画を変更させることに大きな成功を収めています。詳しいことはいつかまた書いてみますが・・・。
というわけで,無理して,将来に禍根を残すようなとてつもない新国立競技場建設計画を推し進める必要はまったくありません。まずは,民意をしっかりと受け止めることから仕切り直しをするのが賢明だとわたしは考えます。そして,現国立競技場を改修して,東京五輪の遺産として未来に手わたす,これが「IOCアジェンダ21」に叶う方法であり,国際社会の趨勢とも一致するものでもあるからです。
なぜ,JSCはこんな基本的なことがわからないのでしょうか。頭の狂った人間は,自分の頭が狂っているということが理解できません。どこかの宰相と同じです。ですから,暴走するのみです。これに歯止めをかけるのは,わたしたち国民です。それが民主主義というものです。なんとしても,ここは踏ん張りどころです。新国立競技場建設計画も,そして,政治も。
これが再入札での話です。一回目は,どこの社も予定価格に適していないという理由で落札不成立。やり直しの入札がこれだった,というわけです。そこには,なにか,水面下のドロドロした不穏な動きがあったのではないか,と妄想にも近いげすな勘繰りが脳裏をよぎります。
さすがに内閣府の政府調達苦情検討委員会も事態を重くみて,入札会社の申しいれた苦情を受理し,審議の結果,JSCに入札の「やり直し」を求めた(9月30日)とのこと。このことによって,7月に始まる予定だった解体工事が12月中旬以降にずれ込むことになった,といいます。
これで,とうとう6カ月も時間を無駄に消費してしまったことになります。ただでさえ,ザッハ案という難工事が控えていて,予定されている48カ月では施工困難(槇文彦氏をはじめ大手ゼネコン関係者指摘)とみられていますので,このままでは42カ月で工事を完了しなければならなくなってきます。となると,新国立競技場建設計画が初手から破綻していて,とうとう暗礁に乗り上げた,としか言いようがありません。それはデザイン・コンペの審査過程からして異常だったことも含めて・・・・。
新聞では,入札の不手際に焦点を当てて,説得力のある記事にしていますが,じつはこうした経緯についてはいろいろのところですでに暴かれていて,シンポジウムや報告会,勉強会が開催されています。が,そこには大手のメディアは一社もきてはいません。東京新聞も同じです。
たとえば,9月26日(金)に開催された「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」の集会(日本青年館・3階)では,12人もの各分野の専門家が登壇して,それぞれの問題点を指摘した上で問題提起をしています。そこで得られた情報は,じつは,この新聞記事の内容よりもはるかに濃密なものでした。
ですから,わたしには,この記事ですら物足りない,というのが正直な実感です。でも,ようやくこういう記事を書いてくれたのですから,ありがたいと思わなくてはなりません。しかも,いまが正念場。これから再再入札が行われて,解体工事がはじまる前(12月中旬)に,なんらかの圧力をかけてストップをかけるしかありません。あの手この手でいくしかありませんが,いまひとつパンチ力に欠けます。
最後の決め手は,ひょっとしたらIOC本部に向けて,新国立競技場建設計画は「オリンピックムーブメント・アジェンダ21」(「IOCアジェンダ21」と略称することもある)に違反していることを直訴するしかないのかもしれません。そして,すでに,その手は打っているのです。日本野鳥の会は,早くにこの手を用いて,カヌー競技場新設計画を変更させることに大きな成功を収めています。詳しいことはいつかまた書いてみますが・・・。
というわけで,無理して,将来に禍根を残すようなとてつもない新国立競技場建設計画を推し進める必要はまったくありません。まずは,民意をしっかりと受け止めることから仕切り直しをするのが賢明だとわたしは考えます。そして,現国立競技場を改修して,東京五輪の遺産として未来に手わたす,これが「IOCアジェンダ21」に叶う方法であり,国際社会の趨勢とも一致するものでもあるからです。
なぜ,JSCはこんな基本的なことがわからないのでしょうか。頭の狂った人間は,自分の頭が狂っているということが理解できません。どこかの宰相と同じです。ですから,暴走するのみです。これに歯止めをかけるのは,わたしたち国民です。それが民主主義というものです。なんとしても,ここは踏ん張りどころです。新国立競技場建設計画も,そして,政治も。
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