今日(12月3日)の新聞によると,国立競技場の解体工事の入札がまたもや不調に終わった,という。入札不調はこれで3回目である。これで,解体工事開始がまたまた遅れることになった。
第一回目の入札はことしの5月。このときは応札額がJSC(日本スポーツ振興センター)の予定価格を上回っていたために不調に終わった。第二回目の入札は7月。こんどは応札額が最低価格を下回ったために不調。その後,8月に入札した業者のなかから解体業者を決めた。しかし,入札した業者の一社から「工事費内訳書をJSCが事前に開封する不手際」を指摘され,9月末に内閣府から入札のやり直しを求められた。そして,こんどの12月2日の第三回目の入札である。
第三回目の入札不調の理由もまた「工事の質を保つためにJSCが設定した最低価格を下回ったため」というものであった。しかし,JSCは「契約内容を履行できるかを調査した上で落札業者を決める」としている。その調査には少なくとも一週間はかかるという。
このまま進んだとしても,解体開始は来年1月になる見通しで,業者の決定が遅れればさらに後ろにずれ込むことになる。だから,JSCの担当者は,「できるだけ早く業者を決めて,年内には契約したい」「来年9月の工事完了予定は変えない」と語っているという。なんともはや,わたしたちの常識では考えられないようなことが,なんの疑問もなく平然と行われている。
当初予定していた解体開始はことしの7月,解体完了は来年の9月。その工事開始が来年1月以降にずれ込んでも,工事完了予定の9月は変えない,というのである。当初の解体期間の予定が15カ月,それが現段階では早くても9カ月に短縮されることになる。それでいて「工事の質を保つ」ことを要求しているのである。言うこととやっていることとが一致しないのだ。いったいなにを考えているのだろうか,と素人ながら疑問をいだかざるを得ない。
まあ,こんなことは言いたくもないが,なにか国立競技場の「解体」については,呪いがかかっているのではないか,と勘繰りたくもなる。衆知のように,圧倒的多数の建築の専門家からも,何回もにわたって異議申し立てがなされている。しかし,それらの異議申し立てを無視してのJSCの強行突破である。しかも,市民団体や地域住民からも異議申し立てがなされているが,こちらも無視したままである。
いくらお役所仕事とはいえ(JSCは文部科学省の管轄下にある下部組織),その仕事ぶりのあまりのお粗末さにはあきれはててしまう。国立競技場はいったいだれのものなのか。そして,だれのために解体し,新国立競技場を建造するのか。そして,この競技場が将来にわたってどのように活用されていくことになるのか,その根本のところの理念をまったく欠いたまま,目の前にある工事を進めようとしている。だから,行き当たりばったりの,その場しのぎの仕事ぶりが,あからさまに露呈してしまう。
もっと国民のための事業であるという自覚をもって,多くの人の意見も聞き入れながら,納得ずくでことを進めてほしいものだ。ここには「民意」はなんら反映されてはいない。むしろ,忌避し,無視する姿勢ばかりが貫かれている。
日本の現政権を筆頭に,日本の根幹を支える組織が,なんの理念もなく,ここまで腐敗・堕落しているのか,という現実を目の当たりにするにつけ,世も末だと情けなくなってくる。
このまま突き進んでいくとすれば,東京五輪2020も,そのうち空中分解してしまうのではないか,と陰ながら心配している。のみならず,どこか,とんでもないところから葬送行進曲が聞こえてくるような予感もある。しかし,こちらの予感は避けようがないしろものだ。ご推察のとおり・・・・。
第一回目の入札はことしの5月。このときは応札額がJSC(日本スポーツ振興センター)の予定価格を上回っていたために不調に終わった。第二回目の入札は7月。こんどは応札額が最低価格を下回ったために不調。その後,8月に入札した業者のなかから解体業者を決めた。しかし,入札した業者の一社から「工事費内訳書をJSCが事前に開封する不手際」を指摘され,9月末に内閣府から入札のやり直しを求められた。そして,こんどの12月2日の第三回目の入札である。
第三回目の入札不調の理由もまた「工事の質を保つためにJSCが設定した最低価格を下回ったため」というものであった。しかし,JSCは「契約内容を履行できるかを調査した上で落札業者を決める」としている。その調査には少なくとも一週間はかかるという。
このまま進んだとしても,解体開始は来年1月になる見通しで,業者の決定が遅れればさらに後ろにずれ込むことになる。だから,JSCの担当者は,「できるだけ早く業者を決めて,年内には契約したい」「来年9月の工事完了予定は変えない」と語っているという。なんともはや,わたしたちの常識では考えられないようなことが,なんの疑問もなく平然と行われている。
当初予定していた解体開始はことしの7月,解体完了は来年の9月。その工事開始が来年1月以降にずれ込んでも,工事完了予定の9月は変えない,というのである。当初の解体期間の予定が15カ月,それが現段階では早くても9カ月に短縮されることになる。それでいて「工事の質を保つ」ことを要求しているのである。言うこととやっていることとが一致しないのだ。いったいなにを考えているのだろうか,と素人ながら疑問をいだかざるを得ない。
まあ,こんなことは言いたくもないが,なにか国立競技場の「解体」については,呪いがかかっているのではないか,と勘繰りたくもなる。衆知のように,圧倒的多数の建築の専門家からも,何回もにわたって異議申し立てがなされている。しかし,それらの異議申し立てを無視してのJSCの強行突破である。しかも,市民団体や地域住民からも異議申し立てがなされているが,こちらも無視したままである。
いくらお役所仕事とはいえ(JSCは文部科学省の管轄下にある下部組織),その仕事ぶりのあまりのお粗末さにはあきれはててしまう。国立競技場はいったいだれのものなのか。そして,だれのために解体し,新国立競技場を建造するのか。そして,この競技場が将来にわたってどのように活用されていくことになるのか,その根本のところの理念をまったく欠いたまま,目の前にある工事を進めようとしている。だから,行き当たりばったりの,その場しのぎの仕事ぶりが,あからさまに露呈してしまう。
もっと国民のための事業であるという自覚をもって,多くの人の意見も聞き入れながら,納得ずくでことを進めてほしいものだ。ここには「民意」はなんら反映されてはいない。むしろ,忌避し,無視する姿勢ばかりが貫かれている。
日本の現政権を筆頭に,日本の根幹を支える組織が,なんの理念もなく,ここまで腐敗・堕落しているのか,という現実を目の当たりにするにつけ,世も末だと情けなくなってくる。
このまま突き進んでいくとすれば,東京五輪2020も,そのうち空中分解してしまうのではないか,と陰ながら心配している。のみならず,どこか,とんでもないところから葬送行進曲が聞こえてくるような予感もある。しかし,こちらの予感は避けようがないしろものだ。ご推察のとおり・・・・。
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