2014年7月7日月曜日

頑張れ! 日弁連! 集団的自衛権の閣議決定が違法行為であることを,もっともっと主張してほしい。

 去る7月4日に立憲デモクラシーの会が主催した講演会「集団的自衛権を問う──立憲主義と安全保障の観点から,の折に受け付けで写真のようなリーフレットをいただきました。横長の上質紙を四つ折りにしてA5サイズになるおしゃれなリーフレットです。裏表にびっしり,似顔絵入りでそれぞれの論者の主張が簡潔に,わかりやすく紹介されています。

作成したのは日本弁護士連合会。







 左側の写真の似顔絵の論者は,右上から時計回りで順に,谷口真由美さん(大阪国際大学准教授・国際人権法・全日本おばちゃん党代表代行),半田滋さん(東京新聞論説兼編集委員・防衛省担当),谷山博史さん(日本国際ボランティアセンターJVC代表理事),阪田雅裕さん(元内閣法制局長官・弁護士),丹羽宇一郎さん(前中国大使・早稲田大学特命教授),浜矩子さん(同志社大学大学院教授・経済学),青井未帆さん(学習院大学教授・憲法),そして,中央が柳澤協二さん(前内閣官房副長官補・安全保障担当)。

 右側の写真は,日本弁護士連合会会長・村越進さんの挨拶文です。下段の文字が小さいので,もう一度,ここに転載しておきましょう。とても大事な指摘をしていますので。

憲法前文と第9条を規定している
平和的生存権の保障と恒久平和主義は,憲法の基本原理です。
これまで,政府はこうした基本原理に基づき,
憲法は集団的自衛権の行使を禁止していると表明してきました。
これは,国会における長年の審議の中で積み重ねられ,
歴代内閣で確立されてきた政府見解です。
時の政府が,閣議決定でこの見解を変更(解釈改憲)し,
集団的自衛権の行使を容認することは,
政府を憲法による制約の下に置くとする立憲主義に違反し,
許されるものではありません。
私たちは,政府が閣議決定でその見解を変更することによって,
集団的自衛権の行使を容認することに強く反対します。

 以上です。

 これを読めば明らかなように,「憲法は集団的自衛権の行使を禁止している」と歴代内閣が踏襲してきた見解を,根底からくつがえす決定が安倍政権の閣議決定です。つまり,憲法を放り投げて(立憲主義を無視して),時の政権の閣議決定で,なんでも決めることができる,という前例をつくることになります。この暴挙は,いわば,国家としての骨格をないがしろにする180度の方向転換である,としかいいようがありません。言ってみれば,日本の歴史に残る大汚点を,いま残そうとしているのです。

 わたしとしては,戦争の危機だとか,限定的容認だとか,そんな議論にうつつをぬかしているときではない,大事なのは,憲法を守るのか,この平和憲法を無視する政権を容認するのか,という議論だ,とこころの底から考えています。

 その意味で,法の見張り番であり,国民の権利の弁護者・擁護者たる日本弁護士連合会が,もっともっと前面にでて,このリーフレットに書かれていることを広く国民に周知徹底させるべく,より一層の奮闘を願っている次第です。

 ですから,このリーフレットが作成され,配布されていることを知り,少しだけホッとしました。そして,もっともっと前にでてきてほしい,と願っています。

 真の「立憲デモクラシー」の精神が,この日本で育ち,確立される日がくるまで,わたしたちも頑張らなくてはなりません。そのスタート地点が,いま,です。これから秋の立法化までの間に,それを阻止する運動を展開する以外にないのですから。一人ひとりの力は微力ではあっても,それが一つにまとまれば大きな力を発揮します。蟻の一穴,というように。最後まで諦めないで,この主張をしていきたいと思っています。

 どうぞ,よろしく。

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