2012年10月11日木曜日

10月13日(土)「アフター国際セミナー」開催。神戸市外国語大学三木記念会館にて。

 この夏に開催した第2回日本・バスク国際セミナー「伝統スポーツとグローバリゼーション」(8月6日~9日)の余韻を引きずって,さらに深くその意味を味わうべく,「アフター国際セミナー」を開催することになっています。要領は以下のとおりです。

日時:10月13日(土)13:00~18:00。
場所:神戸市外国語大学三木記念会館
テーマ:伝統スポーツとグローバリゼーション。
プログラム:
 第一部:西谷修特別講演「グローバル化と身体の行方」に触発されて。
  コメテーター:井上邦子(奈良教育大学):モンゴルの伝統スポーツの立場から
          竹村匡弥(「ISC・21」特別研究員):河童の相撲好き研究の立場から
          三井悦子(椙山女学園大学):身体論研究の立場から
          松本芳明(大阪学院大学):ヨーガ研究の立場から
          竹谷和之(神戸市外国語大学):バスクの伝統スポーツ研究の立場から
  応答者:西谷修(東京外国語大学)

 第二部:対談・西谷修×稲垣正浩(「ISC・21」主幹研究員)
  テーマ:グローバル化が進展する時代/世界のなかで,伝統スポーツを考える意味について。
       ※インタヴュー方式で話題を展開する予定。

 簡単な解説を付しておきますと,わたしとしては以下のようなことを考えています。

 第一部では,西谷さんの特別講演「グローバル化と身体の行方」,すなわち,現代という時代や世界がどのようにして構築されてきたのか,そして,そのこととわたしたちの身体はどのように関係してきたのか,という巨視的な視点から提示された西谷講演を,われわれ個々人はどのように受け止めたのか,そのことについてしっかりと検証しておこうというのが大きなねらいです。コメンテーターは5名。それぞれのエキスパートが,西谷講演をどのように受け止め,なにを継承し,どのような新たな展望がえられたのか,また,新たに生じた疑問点はなにか,を提示していただきます。それに対して,西谷さんにごく簡潔に応答していただく,一種のワークショップ形式をとりたいと考えています。その上で,総合的な見地からの西谷さんのお考えを,まとめてお話していただければ,と欲の深いことを考えています。

 第二部では,わたしがインタヴューアーの役割を担いながら,いま,わたしたちが直面している喫緊の課題はなにか,西谷さんからお話を伺えればと考えています。わたしの関心事としては,「3・11」後,これまでヴェールにつつまれていた日本の恥部が一気に曝け出されてしまい,いまや,収拾がつかない醜態を日々,見せつけられている,この実態をどのように考えればいいのか。とりわけ,復興,フクシマ,原発,地震災害,オスプレイ,などへの対応の稚拙さ,加えて,領土問題への対応のお粗末さ,などかぎりがありません。
 可能であれば,ぜひとも踏み込んでおきたいことがあります。それは,原発推進の論理とiPS細胞開発の論理とは,まるで一卵性双生児のような関係にあるのではないかということ,そして,それらの論理(ロジック)と近代スポーツ競技の論理とも密接な関係にあるのではないか,という点です。ただし,きわめて重いテーマですので,そんなに単純には扱えないことは承知の上で,ある程度の仮説の提示くらいまではたどりつけてみたいと考えています。
 もっと踏み込んでおけば,iPS細胞の開発が,これからのわたしたちの「身体の行方」にどのような影響を及ぼすのか,現段階で考えられるいくつかの重要なポイントについても,西谷さんのお考えをお聞きできれば・・・などと欲の深いことを考えています。
 あるいはまた,折角のチャンスですので,バタイユの『宗教の理論』を踏まえた,わたしなりの理論仮説についても西谷さんのお考えを伺えればと思っています。大きな仮説を提示しておきますと,人間の原罪は四つあるのではないか,と。ひとつは,原初の人間が,内在性(あるいは,動物性)の世界から抜け出してしまったこと,ふたつには,そこから自然との熾烈な闘いがはじまり,その折り合いをつけるために「宗教的なるもの」(祝祭的時空間)を立ち上げたこと,みっつには,プロメテウスの火ならぬ「核」の火を見つけてしまったこと,よっつには,iPS細胞を開発してしまったこと,です。人類は,最初から,こういうシナリオのもとに生きてきたのではないか,と。つまり,「理性」をわがものとした奢りが,ついに,命取りになってしまうのではないか,と。
 まことに稚拙で,乱暴な議論ではありますが,いまのわたしにとっては,とりわけ「3・11」後に考えつづけてきたことがらからすれば,最大の関心事であり,なんとも魅力的な仮説になっています。こうした,わたしの思考に対して,西谷さんはどのような応答をされるのか,これは「アフター国際セミナー」のような大きな「場」でないと,とてもお聞きすることができません。
 まあ,軽くいなされて終わり,ということもないわけではない,とある程度の覚悟はしています。が,やはり,一度,胸を借りるつもりで,稽古をつけてもらおうと考えています。

 というようなわけで,かなり入れ込んでいます。
 興味をお持ちの方は,ぜひとも,お出かけください。

取り急ぎ,直前の情報提供まで。

1 件のコメント:

大仏 さんのコメント...

大仏です。
ブログで取り上げていただいたのを契機に、次男坊と少し話しました。
全ては書けませんが、次のようなことも言っていました。
「僕は神を信じているわけじゃないけど、人間にはきっと天寿があると思う。それにあらがってまで生きるのはどうかと思う。」
とか・・・・・。
参考になりますかね。