2015年7月17日金曜日

見ろ,SEALDs の底力を。国会前に10万人。全国各都市でも大挙して集結する若者たち。

 見たか。SEALDs の底力を! 国会前に堂々の10万人を集結させたではないか。このまったく新しいスタイルの若者たちのネットワークの構築の仕方には眼を見張るものがある。そうか,この手があったか。でも,よく考えてみれば,だれにもわかっていたことだ。しかも,だれでもできることだ。しかし,実際にやった者はいなかった。コロンブスの卵。

 そうだ。SEALDs は不可能を可能としたのだ。そして,だれでもできる,まったく新しい政治参加の方法をみごとに実現させてみせたのだ。そこが偉大なるところだ。素晴らしい快挙というべし。

 アベが憲法を無視して「クーデター」を企てたのなら,それならまったく別の方法で対抗してやろうという若者たちのアイディア満載の運動の展開。アベが,国民の総意を踏みにじってまでして議会の議席の数を頼りに,あらゆる手段を用いて,強引に「悪法」を押し通そうとする。そんな無謀なことが許されてたまるか,われわれ若者たちの「怒り」の声を聞け,とばかりに現代文明の生みだした利器を最大限に駆使して,巨大ネットワークを構築した。そこには名簿もなにもない。友だちから友だちへ,そして,その友だちからつぎの友だちへ,とその輪はあっという間に広がっていった。

 はじめ,数百人の若者集団からはじまって,あっという間に,国会前だけで「10万人」を集めた。しかも,この輪は全国ネットだ。テレビも新聞もほとんど報道しないが,全国の大都市で,同じ若者集団の結束による抗議活動が展開している。それこそ,ネットの世界をたどっていくと,いくらでもその情報は集まってくる。

 若者たちは,とうのむかしにテレビも新聞も信用してはいない。得意のスマートフォンを駆使して,自分にとって必要な情報を手当り次第に蒐集し,取捨選択をしている。そして,自分の生きる糧となる情報を精選している。そして,大人たちが想像もつかないネット世界のなかに無限の可能性を予知している。

 このSEALDs  の若者たちの運動は,これから燎原の火のごとく燃え広がっていくだろう。この火はもはや政府・自民党をしても消し止める手立てがない。そして,ほんとうに「安保法制」成立にストップをかけるだろう。わたしはいつのまにか,そう確信するにいたっている。

 なぜなら,この「安保法制」を前にして,これを食い止めるだけの力は,いまの政党政治では限界があるということを,だれよりもよく知っているのが,この若者たちだ。もっと言ってしまえば,姑息なイデオロギー論争や政党利害にこだわっていて,その上での政治的駆け引きには限界があるということだ。その体質は弾劾すべき自民党となにも変わらないからだ。政党政治そのものが堕落してしまったということだ。

 このことに,いちはやくSEALDs の若者たちは気づいている。だから,イデオロギーもいらない,利害得失もいらない,ただ,この憲法を無視した逸脱行為でしかない政府・自民党の「暴挙」=「安保法制」だけは,「なにがなんでもとおすわけにはいかない」と腹をくくった。ただ,この一点のみにおいて,賛同者に声をかけた。それ以上でもそれ以下でもない。ただ,純粋に,憲法を無視して「戦争」に向かうのだけは嫌だ。「戦争のことを考えるとからだがふるえる」。この感性を共有する若者たちが集まった。

 だから,この燎原の火はもはや止めようがない。これから,「安保法制」が廃案になるまで,この運動はやむことなくつづくことだろう。しかも,全国区で。

 もう一点だけ。この運動は,若者たちの力で,政治の流れを変えることができる,ということを学ぶ最大の場になっているということだ。この運動が成功したら(成功するとわたしは確信しているが),日本の政治情況は一変するのではないか,とおもう。あまり大風呂敷を広げない方がいいとおもうので,ここでも一点だけ。選挙行動に新たな流れが生まれるだろうということだ。選挙権が18歳まで引き下げられた。この若者たちの情報は,そのほとんどがスマートフォンからえられる。この世界を自家薬籠中のものとしているのが,このSEALDs の若者たちだ。この若者たちが,つぎの選挙の折にどのように運動を展開するか,みものだ。18歳,19歳の若者たちの票の多くは,ここで動きそうだから。

 かれらは,言ってしまえば無党派層。どこでもいいのだ。ただ一点。「憲法9条」を守る。その上で政治を行ってほしい。つまり,若者たちに夢と希望を与えてくれる政治を。

 さあ,こうなったら,「安保法制」廃案まで,とことん反対運動を展開して,政府・自民党にゆさぶりをかけることだ。そして,もし,このまま押し切ったら,つぎの選挙では,自民・公明の候補者を軒並み「落選」させることだ。それだけの力を,この若者たちは手にするだろう。

 そして,政治の流れを変えることができる,ということをこの若者たちが学んだとき,日本の政治情況は大きく変化するだろう。また,そうなることを願っている。だから,ほんとうの闘いはこれからだ。

 さあ,わたしの退院の日も近い。すぐには無理でも,体調が回復ししだい,この結集の最後尾にぶらさがりたい。老骨に笞打って。

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