いま,西谷修さんのブログを読んだばかり。興奮している。これまでのモヤモヤがはっきりしたと同時に,やはりそうだったのか,と戦慄している。これまでにも,何回も,すでに直接伺っている。そして,しっかりわかったつもりでいた。すなわち,日米同盟よりも米中関係の方が,アメリカにとってははるかに重要である,ということを。
しかし,その認識はあまりに甘かった,と反省している。違うのだ。もっともっと奥が深く,同時に,日米同盟関係を超えた,動かしがたい米中関係が存在しているということを。しかも,この事実をわたしたちは素直に認めなくてはならない。この重大な事実を,なにゆえに,識者たちはありのままに語らないのか。利害・打算。生き延びるための計算。識者の堕落。
西谷修さんは,そうした利害・打算を超えて,いま,直面している真実をそのまま語る。「理に厳しく,義に篤い」と言わぬばかりに。今日(15日)の西谷さんのブログは,プリント・アウトして,額に入れて飾っておきたいくらいだ。それほどに,いまのわたしにとっては衝撃的だった。詳しくは,西谷さんのブログを読んで欲しい。
日米同盟は,いまや,神話でしかない,という西谷さんの指摘を受けて,わたしのからだに電撃が走ったことの意味についてここでは書いておきたいと思う。
日米同盟以前に,アメリカと中国は同盟国だった,と西谷さんが指摘されたことに震撼した。なぜなら,わたしを含めて多くの日本人は,アメリカと中国は対立している,長い間,対立してきた,だから,いまも敵対している,と信じて疑わない。それに比べれば,日本とアメリカは,第二次世界大戦後はずっと友好国として,あるいは日本はアメリカの優等生として振る舞ってきた。だから,米中関係よりも日米関係の方が圧倒的に強い絆で結ばれている,と信じて疑わない。しかし,そんなものは単なる虚構であって,実際には,まったく新たな局面を迎えているのだ,と西谷さんは理路整然と主張する。
その根拠として,中国の米国債保有高はとうの昔に日本を凌駕している,という。しかも,その保有高も並外れている。中国が米国債を売りに出せばアメリカは破綻する,という。だから,アメリカは中国の「防空識別圏」指定について一定の抗議はしたものの,自国の民間航空機の飛行計画を中国に提出している。それになにより,広大な中国市場にアメリカは大きな関心を示し,すでに巨大な資本が進出している。
こうした事実関係を確認した上で,西谷さんは,もともとアメリカと中国は友好国だったのだ,とさらりと流す。ことここにいたって,あっ,そうか,とわたしは気づく。「ポツダム宣言」の戦勝国のなかに中国はその名を連ねている。アメリカ,ソ連,イギリス,フランス,中国。この五カ国が連盟で,日本に対して「ポツダム宣言」を布告したのだ。
このときに,日本はアメリカに対して「無条件降伏」をしたと思っている人がほとんどだ。かく申すわたしもそう思い込んでいた。しかし,あるとき,いや待て,と考えたことがある。日本は中国に対しても「無条件降伏」しているのだ,と。この事実のもつ意味をもっと重く受け止めるべきではないか,と。中国は,当然のことながら,戦勝国であると自覚している。それは,いまも,変わらない。しかし,肝心要の日本が,中国に対して「敗戦国」であるという認識を欠いている。しかも,「無条件降伏」をしているという事実を忘れている。
この認識の落差が,「尖閣問題」となって噴出してくる。アメリカと中国の戦勝国同士の了解事項として,尖閣諸島は領土問題は「棚上げ」にして,日本の「実効支配」を認めるというところで決着をみていた。そうして,その状態が長くつづいていた。しかも,大きなトラブルもなしに。にもかかわらず,日本が一方的に日本固有の「領土」である,と宣言してしまった。ここから,すべてが狂いはじめた。日本固有の領土だと日本国政府が宣言してしまった以上は,それを衛らなくてはならない。そのつけが,いま,現出している。つまり,尖閣をわが国固有の領土として衛るために,あやしげな法案をつぎつぎに提出し,ほとんど議論されることもなく議会を通過させていかなければならない。言ってしまえば,絶体絶命の大ピンチなのだ。
だから,議会の圧倒的多数を振りかざして,なにがなんでも「通す」という姿勢を貫く。その圧倒的多数は,得票率はわずかに22パーセントにすぎない。たった,これだけの支持率で,300近い議席を確保したのだ。しかし,300という数字だけが意味を持ち,22パーセントの支持率は忘れられている。
そして,とうとう「特定秘密保護法」を無理矢理とおしてしまった。しかし,この法律が適用されることになると,最初から裁判になる,と西谷さんは指摘される。なぜなら,憲法に抵触しているから,と。こうした日本の情況を世界はどのようにみているのだろうか,とつい最近の講演でお話されたという。
12月14日(土),調布市西部公民館のコミュニティ・カレッジで。題して「内向き日本の閉塞──世界からはどう見えるか」。ここで話されたことの概要が,ブログにアップされている。必読である。このブログはそのまま『世界』のような雑誌にに掲載されてもいいほどの精度をもった力作である。
なお,西谷さんのブログは,「西谷修」で検索すれば,すぐにそこに入っていくことができる。なお,最近は,Facebookでも,刺激的な発言を展開されているので,ぜひ,そちらもご覧のほどを。
取り急ぎ,今日のところはここまで。
しかし,その認識はあまりに甘かった,と反省している。違うのだ。もっともっと奥が深く,同時に,日米同盟関係を超えた,動かしがたい米中関係が存在しているということを。しかも,この事実をわたしたちは素直に認めなくてはならない。この重大な事実を,なにゆえに,識者たちはありのままに語らないのか。利害・打算。生き延びるための計算。識者の堕落。
西谷修さんは,そうした利害・打算を超えて,いま,直面している真実をそのまま語る。「理に厳しく,義に篤い」と言わぬばかりに。今日(15日)の西谷さんのブログは,プリント・アウトして,額に入れて飾っておきたいくらいだ。それほどに,いまのわたしにとっては衝撃的だった。詳しくは,西谷さんのブログを読んで欲しい。
日米同盟は,いまや,神話でしかない,という西谷さんの指摘を受けて,わたしのからだに電撃が走ったことの意味についてここでは書いておきたいと思う。
日米同盟以前に,アメリカと中国は同盟国だった,と西谷さんが指摘されたことに震撼した。なぜなら,わたしを含めて多くの日本人は,アメリカと中国は対立している,長い間,対立してきた,だから,いまも敵対している,と信じて疑わない。それに比べれば,日本とアメリカは,第二次世界大戦後はずっと友好国として,あるいは日本はアメリカの優等生として振る舞ってきた。だから,米中関係よりも日米関係の方が圧倒的に強い絆で結ばれている,と信じて疑わない。しかし,そんなものは単なる虚構であって,実際には,まったく新たな局面を迎えているのだ,と西谷さんは理路整然と主張する。
その根拠として,中国の米国債保有高はとうの昔に日本を凌駕している,という。しかも,その保有高も並外れている。中国が米国債を売りに出せばアメリカは破綻する,という。だから,アメリカは中国の「防空識別圏」指定について一定の抗議はしたものの,自国の民間航空機の飛行計画を中国に提出している。それになにより,広大な中国市場にアメリカは大きな関心を示し,すでに巨大な資本が進出している。
こうした事実関係を確認した上で,西谷さんは,もともとアメリカと中国は友好国だったのだ,とさらりと流す。ことここにいたって,あっ,そうか,とわたしは気づく。「ポツダム宣言」の戦勝国のなかに中国はその名を連ねている。アメリカ,ソ連,イギリス,フランス,中国。この五カ国が連盟で,日本に対して「ポツダム宣言」を布告したのだ。
このときに,日本はアメリカに対して「無条件降伏」をしたと思っている人がほとんどだ。かく申すわたしもそう思い込んでいた。しかし,あるとき,いや待て,と考えたことがある。日本は中国に対しても「無条件降伏」しているのだ,と。この事実のもつ意味をもっと重く受け止めるべきではないか,と。中国は,当然のことながら,戦勝国であると自覚している。それは,いまも,変わらない。しかし,肝心要の日本が,中国に対して「敗戦国」であるという認識を欠いている。しかも,「無条件降伏」をしているという事実を忘れている。
この認識の落差が,「尖閣問題」となって噴出してくる。アメリカと中国の戦勝国同士の了解事項として,尖閣諸島は領土問題は「棚上げ」にして,日本の「実効支配」を認めるというところで決着をみていた。そうして,その状態が長くつづいていた。しかも,大きなトラブルもなしに。にもかかわらず,日本が一方的に日本固有の「領土」である,と宣言してしまった。ここから,すべてが狂いはじめた。日本固有の領土だと日本国政府が宣言してしまった以上は,それを衛らなくてはならない。そのつけが,いま,現出している。つまり,尖閣をわが国固有の領土として衛るために,あやしげな法案をつぎつぎに提出し,ほとんど議論されることもなく議会を通過させていかなければならない。言ってしまえば,絶体絶命の大ピンチなのだ。
だから,議会の圧倒的多数を振りかざして,なにがなんでも「通す」という姿勢を貫く。その圧倒的多数は,得票率はわずかに22パーセントにすぎない。たった,これだけの支持率で,300近い議席を確保したのだ。しかし,300という数字だけが意味を持ち,22パーセントの支持率は忘れられている。
そして,とうとう「特定秘密保護法」を無理矢理とおしてしまった。しかし,この法律が適用されることになると,最初から裁判になる,と西谷さんは指摘される。なぜなら,憲法に抵触しているから,と。こうした日本の情況を世界はどのようにみているのだろうか,とつい最近の講演でお話されたという。
12月14日(土),調布市西部公民館のコミュニティ・カレッジで。題して「内向き日本の閉塞──世界からはどう見えるか」。ここで話されたことの概要が,ブログにアップされている。必読である。このブログはそのまま『世界』のような雑誌にに掲載されてもいいほどの精度をもった力作である。
なお,西谷さんのブログは,「西谷修」で検索すれば,すぐにそこに入っていくことができる。なお,最近は,Facebookでも,刺激的な発言を展開されているので,ぜひ,そちらもご覧のほどを。
取り急ぎ,今日のところはここまで。
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