2013年12月7日土曜日

国会議事堂前で「廃案」を叫んできました。でも,その声はとどくことなく,法案成立。

 毎週金曜日は可能なかぎり首相官邸前や国会議事堂前に行って,一声張り上げてくることにしていました。今日(6日)も,そのならいどおりに夕刻,国会議事堂前に行ってきました。少し早く到着したので,まだ,それほどの人数ではありませんでしたが,みなさん真剣な顔をして国会議事堂をにらみながら,声をあげていました。

 今日は金曜日なので,まずは,N教授の授業に。その前に,N教授のブログを読んで,そうか,昨夜は遅くまで国会議事堂前にでかけていたのだと知り,昨日一日,じっと部屋に籠もったままでいたみずからの姿勢を反省。よし,今日こそ授業が終わったら,国会議事堂前に行こうと決めていました。

 首相官邸前や国会議事堂前には,いつも,ひとりででかけています。だれか誘ってもいいのですが,あの場に立つと,いろいろの思いが交錯します。その思いに深く浸るにはひとりが一番。なにも気にしないで,自分の思いのままに行動することができます。あっちにふらふら,こっちにふらふら,自分の思いのままに行動することができます。そして,未知の人とこころゆくまでことばを交わすのも楽しみのひとつです。そのためには,ひとりが一番。

 国会議事堂前でしばらく声を張り上げて時間を過ごしてから,日比谷公園に向かいました。こちらには,すでにかなりの人が集まっていて,わたしのようなひとりでやってきた人も少なくありませんでした。日が落ちてしまうと,昼の温かさが嘘のように,急に冷え込んできましたので,これ以上は無理と判断し,引き上げてきました。

 参議院での強行採決は7日未明になるだろうというネット上の情報も,朝,家をでるときに確認していましたので,時間切れ廃案というほのかな期待もいだきながらでかけたわけですが,それでも,数の暴力の前になすすべもなく通過していくのだろう,という絶望も覚悟しながら,複雑な気分であの場に立って声を張り上げていました。まだ,通過してはいないという情報も,あの場に流れていましたので,みなさん気合が入っていました。

 家に帰って,ネットで確認してみましたら,まだ,これから長期戦になるようで,野党議員などは「二泊三日」の闘いがこれからはじまる,と意気込んでいました。そうか,まだ,予断を許さないのだと知り,テレビのチャンネルを探しました。「報道ステーション」が中継をやっていましたので,それを見ながら,ひょっとしてという期待を抱きました。

 が,この番組が終わってほかのチャンネルにまわして,あちこちニュースを追っていたら,さきほど採決が行われ「可決」したという情報を見つけ,もう,ここまでと観念しました。いよいよ「冬の時代」のはじまりです。

 歴史はこんな風にして決まっていく,という寂寥感に襲われながら・・・。そういえば,かつての安保闘争もそうだったなぁ,と思い出しながら・・・・。それでも,あの当時のことは,「特定秘密」などは保護されていませんでしたので,「30年」が経過すれば公開されていました。メディアもまだかなり元気でしたので,政府批判の報道も堂々と展開されていました。

 しかし,これからは「特定秘密」といえば「60年」もの長きにわたって事実は秘匿されてしまいます。しかも,その期間をさらに延長することもできるというのですから,恐るべし,です。権力にとって都合の悪い情報はすべて「特定秘密」として秘匿されてしまいます。となると,歴史的な検証すら不可能になってしまいます。権力の思いのまま,そういう時代のはじまりです。

 そういう歴史的な日が,あっけなく過ぎ去っていきました。なんともはや情けないかぎりです。

 かつて,「民主主義の熱的死」というN教授がかいた論考を思い浮かべています。もう一度,読み直して,深く考えてみたいと思います。

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