昨夜(1月30日)のYouTubeにANNnewsCHが,東京電力の記者会見として配信した映像をみて,愕然としてしまいました。その内容が表題に書いたことです。
東京電力によると,福島原子力発電所一号機では,毎時4.4トンの冷却水を注入しているが,そのうちの8割が漏洩していることがわかった,と言うのです。しかも,その漏洩しているのは圧力抑制室からで,高濃度汚染水である,というのです。単純に計算すると,毎時3.4トンの高濃度汚染水が漏洩していることになります。さらに,別のところからも漏洩していることがわかった,といいます。詳細はさらに調査して明らかにしたい,とのこと。
以上が,東電が発表した内容の短い映像から知ることのできた概要です。いずれ大きなニュースになるはずなのに,いまのところはなにごともなかったかのように推移しています。メディアの関心事は,いま,都知事選とソチ五輪。こういう喧騒のさなかに狙いを定めたかのように発表された東電の戦略のようなものも垣間見えてきます。じつは,もっと前からわかっていたのに,発表するなら「今でしょ」とでもいわぬばかりに・・・・。
毎時3.4トンもの高濃度汚染水がジャジャ漏れになっているというのに,政府自民党は「知らぬ勘兵衛」を決め込むつもりなのでしょうか。それどころではない,都知事選と国会対応で手一杯である・・・と。
都知事選も国会も,相変わらず,確たる事実確認もないままのフィクショナルな議論が展開している。もっと言ってしまえば,嘘のかため合い。その典型的な事例が「原発がなければ経済は立ち行かない」「原発は安全で,もっともコストが安い」。もう,耳にタコができてしまった「嘘の固まり」。そのうち,それが「当たり前」,つまり,本当の話(事実)になってしまいそうだ(もう,すでに,そうなってしまった国民は少なくない)。
憲法改定論議といい,特定秘密保護法といい,TPPといい,原発再稼働+輸出といい,靖国参拝問題といい,中韓関係といい,再軍備といい,国民の右傾化といい,いま,日本という国家は日々「メルトダウン」に向かってまっしぐら。ジャン=ピエール・デュピュイのいう「破局」論が,いまさらのように,現実化しつつある。恐ろしいことだ。
いま,わが国にとって最優先課題であるべきフクイチと放射性廃棄物の問題をないがしろにしたまま,原発再稼働も東京五輪もあったものではない。そのフクイチがますます悪化の一途をたどっているというのに,そして,福島の少年たちは「どうせ俺たちはガンで死ぬのだから・・・」と未来のない,いや,未来が過去になってしまった情況を生きているというのに・・・・。そう,未来完了形の「生」を。
未来完了形の人生というものがどういうものか,という想像力がいまわたしたちに問われている。そして,飛び出そう,なにからなにまでがんじがらめにされてしまった「科学的合理性」という悪夢の外に。
こんなことを,今日も考えつづけることになる。いま,を生きるために。
〔追記〕
今日(31日)になって,もう一度,記者会見の模様を映像で確認しようと思って探してみましたが,どこにも見当たりません。昨夜のあの映像はどこに行ってしまったのでしょう。30日(木)の『東京新聞』朝刊一面トップの記事と,どこかで連動しているのだろうか,と勘繰っています。その記事によれば,NHKは,ラジオのレギュラー番組を約20年間担当してきた中北徹(東洋大学教授)氏の予定原稿にあった「経済学の視点からリスクをゼロにできるのは原発を止めること」などというコメントに対して,「都知事選中はこの問題に触れるな」とチェックをかけたといいます。中北氏は強く抗議して番組を降板した,とのことです。NHKが,安倍派の新会長を迎えて,いよいよ政府御用達しの専属放送局へと舵を切ったということなのでしょうか。これまでも陰湿に反権力に対するプレッシャーはかかっていましたが,いよいよ本格的になってきたのでしょう。ですから,YouTubeに投稿された映像が,途中で消えてしまうことは,これまでにもたびたびあったことですので,なんの不思議もありません。これが,いま,日本で起きている現実です。政権の右翼化が急ピッチで進み,そこに「自発的」に「隷従」して,美味しい汁を吸う輩がわんさと群れをなしている,ということです。その動きに国民の多くも便乗し,美味しい汁を求めて右翼化が急速に進展しています。困ったことですが,それが現実です。
こうなると,なにがなんでも,とりあえずは「脱原発」知事を誕生させることが不可欠となってきました。さて,都民の選択はいずこへ?
東京電力によると,福島原子力発電所一号機では,毎時4.4トンの冷却水を注入しているが,そのうちの8割が漏洩していることがわかった,と言うのです。しかも,その漏洩しているのは圧力抑制室からで,高濃度汚染水である,というのです。単純に計算すると,毎時3.4トンの高濃度汚染水が漏洩していることになります。さらに,別のところからも漏洩していることがわかった,といいます。詳細はさらに調査して明らかにしたい,とのこと。
以上が,東電が発表した内容の短い映像から知ることのできた概要です。いずれ大きなニュースになるはずなのに,いまのところはなにごともなかったかのように推移しています。メディアの関心事は,いま,都知事選とソチ五輪。こういう喧騒のさなかに狙いを定めたかのように発表された東電の戦略のようなものも垣間見えてきます。じつは,もっと前からわかっていたのに,発表するなら「今でしょ」とでもいわぬばかりに・・・・。
毎時3.4トンもの高濃度汚染水がジャジャ漏れになっているというのに,政府自民党は「知らぬ勘兵衛」を決め込むつもりなのでしょうか。それどころではない,都知事選と国会対応で手一杯である・・・と。
都知事選も国会も,相変わらず,確たる事実確認もないままのフィクショナルな議論が展開している。もっと言ってしまえば,嘘のかため合い。その典型的な事例が「原発がなければ経済は立ち行かない」「原発は安全で,もっともコストが安い」。もう,耳にタコができてしまった「嘘の固まり」。そのうち,それが「当たり前」,つまり,本当の話(事実)になってしまいそうだ(もう,すでに,そうなってしまった国民は少なくない)。
憲法改定論議といい,特定秘密保護法といい,TPPといい,原発再稼働+輸出といい,靖国参拝問題といい,中韓関係といい,再軍備といい,国民の右傾化といい,いま,日本という国家は日々「メルトダウン」に向かってまっしぐら。ジャン=ピエール・デュピュイのいう「破局」論が,いまさらのように,現実化しつつある。恐ろしいことだ。
いま,わが国にとって最優先課題であるべきフクイチと放射性廃棄物の問題をないがしろにしたまま,原発再稼働も東京五輪もあったものではない。そのフクイチがますます悪化の一途をたどっているというのに,そして,福島の少年たちは「どうせ俺たちはガンで死ぬのだから・・・」と未来のない,いや,未来が過去になってしまった情況を生きているというのに・・・・。そう,未来完了形の「生」を。
未来完了形の人生というものがどういうものか,という想像力がいまわたしたちに問われている。そして,飛び出そう,なにからなにまでがんじがらめにされてしまった「科学的合理性」という悪夢の外に。
こんなことを,今日も考えつづけることになる。いま,を生きるために。
〔追記〕
今日(31日)になって,もう一度,記者会見の模様を映像で確認しようと思って探してみましたが,どこにも見当たりません。昨夜のあの映像はどこに行ってしまったのでしょう。30日(木)の『東京新聞』朝刊一面トップの記事と,どこかで連動しているのだろうか,と勘繰っています。その記事によれば,NHKは,ラジオのレギュラー番組を約20年間担当してきた中北徹(東洋大学教授)氏の予定原稿にあった「経済学の視点からリスクをゼロにできるのは原発を止めること」などというコメントに対して,「都知事選中はこの問題に触れるな」とチェックをかけたといいます。中北氏は強く抗議して番組を降板した,とのことです。NHKが,安倍派の新会長を迎えて,いよいよ政府御用達しの専属放送局へと舵を切ったということなのでしょうか。これまでも陰湿に反権力に対するプレッシャーはかかっていましたが,いよいよ本格的になってきたのでしょう。ですから,YouTubeに投稿された映像が,途中で消えてしまうことは,これまでにもたびたびあったことですので,なんの不思議もありません。これが,いま,日本で起きている現実です。政権の右翼化が急ピッチで進み,そこに「自発的」に「隷従」して,美味しい汁を吸う輩がわんさと群れをなしている,ということです。その動きに国民の多くも便乗し,美味しい汁を求めて右翼化が急速に進展しています。困ったことですが,それが現実です。
こうなると,なにがなんでも,とりあえずは「脱原発」知事を誕生させることが不可欠となってきました。さて,都民の選択はいずこへ?
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