雑誌『世界』の最新号(12月号)が「報道崩壊」という特集を組んでいます。原寿雄,二木啓孝,金平茂紀,永田浩三,M.ドーリー,ほかの論客が名をつらね,それぞれの立場から鋭い指摘を展開しています。そして,なるほど,「報道崩壊」という四文字で,当今の目も当てられないジャーナリズムの堕落ぶりを表記してみせた編集部の炯眼に拍手を送りたいと思います。
これまでは「ジャーナリズムの死」とか,「マス・メディアの融解」という表記で,自分なりのイメージを語ってきましたが,どうも長ったらしくて納まりが悪いと思ってきました。そこに「報道崩壊」という表記が眼に飛び込んできました。これはじつに単純明快で分かりやすい。そうなんだ,報道が崩壊してしまったのだ,と。
以下はわたしの個人的な感想ですが,「報道崩壊」がはじまったのは,それもこんにちのような,みるも無惨な「報道崩壊」がはじまったのは,たったこの数年のできごとではなかったか,それだけにその主犯ともいうべき第二次アベ内閣の罪は重い,と。
それも「特定秘密保護法」が話題にのぼりはじめたころと軌を一にする,アベ政権の際立った暴挙の一つではなかったか,と。それに呼応するかのように,新聞もテレビも,もののみごとに歩調を合わせ,総崩れ的に転んでいってしまった,と。いま,真っ正面から現実をみつめ,そこに鋭い批評のまなざしを護持しつつ,「報道」を展開しているのは,管見ながら,新聞では『東京新聞』,雑誌では『世界』くらいなものではないか,と。テレビはすべて「崩壊」。あるいは「自己規制」,いや「自発的隷従」。
わたしの印象では,ほんとうに,あっという間のできごとだった,と。これほどまでに急転直下に「報道崩壊」が起きるとは夢にも思っていませんでした。しかも,だれも止めようのない「なだれ現象」,あるいは「メルトダウン」。なぜなら,「報道崩壊」の危機を論評する論客の発言の場を,ほとんどのマス・メディアが奪ってしまったからです。つまり,足並み揃えて,自分たちにとって都合の悪い論客の発言を封じ込め,「無視」を決め込んだ,というわけです。
ですから,一気に「右へならえ」がはじまり,あっという間にそれが常態となってしまいました。ですから,あまり深くものごとを考えようとはしない人びとにとっては,それが「当たり前」となり,一億総右傾化がこともなく進展してしまった,と。しかも,その右傾化が大いに支持されてしまったという側面も無視できない,と。
それでも,それはほんのつかの間のこと。国民はそれほどやわではない,いや,やわだからこそ,というべきでしょうか,アベ政権の「暴走」ぶりに気づきはじめてきました。わたしの身辺でも,熱心なアベ支持だった人の中からも,これはやりすぎだよ,という人が増えてきました。少なくとも,どこか変だ,悪い夢をみせられているのではないか,といぶかる声が多くなってきています。
そこに,この「報道崩壊」の特集です。わたしの感覚では,絶妙のタイミングでの特集だと諸手を挙げて,絶賛したいところです。ぜひ,書店で手にとってめくってみてください。できることなら,このあたりでしっかりとしたみずからの認識を確認するためにも,購入して熟読玩味してもらえたらと思います。
ついでに書き添えておきますと,すでに国会解散を前倒しして,選挙に入るという噂がネットの世界では乱れ飛んでいます。しかも,かなりの論客とおぼしき人たちまでが,危機意識をいだき,さまざまな論評を展開しています。火のないところに煙は立ちません。それらしき動きが政府自民党の内部で起きているということなのでしょう。
「報道崩壊」を起こしてしまった日本のマスコミを前にして,では,わたしたちはどのようなメディア・リテラシーを確保すればいいのでしょうか。まずは,自衛のためにわたしはインターネット上に氾濫しているフェイス・ブック(FB)やブログのなかに,きわめて批評性の高いものがありますので,それらを探索しながら,みずからのスタンスを模索することにしています。玉石混淆で,とんでもない世界ではありますが,こちらの批評性さえしっかりしていれば,それらの見分けはいとも簡単です。
それに新聞は『東京新聞』,雑誌は『世界』。これらを定期購読。これだけでは,やはり,心配になってきますので,時折,大手の新聞を単発で買って読んだり(比較しながら読むのはとても面白い),雑誌は本屋さんで立ち読み。目次や見出しをみるだけでも,おおよそのことは見当がつきます。おやっ?と思うような記事があったら,一気に読むこと。これは,いささか気が引けていますので,意外に読むスピードが早いものです。
まあ,こんな風にして自己防衛をしていかないと,これからの時代はまともには生きてはいけません。恐るべき時代に突入したものだ,としみじみ思います。いよいよもってアンテナを高く張って,注意深く世の中の動向を見極めていくことが求められる時代になってきました。なにが真実であって,なにが世論誘導なのか,しっかりと見極める眼力が問われる時代,というわけです。
それでもなお,「なにか少し変だぞ」という,やわな精神というか,純粋な感性がもっとも大事だ,ということも書き添えておきたいと思います。
というところで,今日はここまで。
これまでは「ジャーナリズムの死」とか,「マス・メディアの融解」という表記で,自分なりのイメージを語ってきましたが,どうも長ったらしくて納まりが悪いと思ってきました。そこに「報道崩壊」という表記が眼に飛び込んできました。これはじつに単純明快で分かりやすい。そうなんだ,報道が崩壊してしまったのだ,と。
それも「特定秘密保護法」が話題にのぼりはじめたころと軌を一にする,アベ政権の際立った暴挙の一つではなかったか,と。それに呼応するかのように,新聞もテレビも,もののみごとに歩調を合わせ,総崩れ的に転んでいってしまった,と。いま,真っ正面から現実をみつめ,そこに鋭い批評のまなざしを護持しつつ,「報道」を展開しているのは,管見ながら,新聞では『東京新聞』,雑誌では『世界』くらいなものではないか,と。テレビはすべて「崩壊」。あるいは「自己規制」,いや「自発的隷従」。
わたしの印象では,ほんとうに,あっという間のできごとだった,と。これほどまでに急転直下に「報道崩壊」が起きるとは夢にも思っていませんでした。しかも,だれも止めようのない「なだれ現象」,あるいは「メルトダウン」。なぜなら,「報道崩壊」の危機を論評する論客の発言の場を,ほとんどのマス・メディアが奪ってしまったからです。つまり,足並み揃えて,自分たちにとって都合の悪い論客の発言を封じ込め,「無視」を決め込んだ,というわけです。
ですから,一気に「右へならえ」がはじまり,あっという間にそれが常態となってしまいました。ですから,あまり深くものごとを考えようとはしない人びとにとっては,それが「当たり前」となり,一億総右傾化がこともなく進展してしまった,と。しかも,その右傾化が大いに支持されてしまったという側面も無視できない,と。
それでも,それはほんのつかの間のこと。国民はそれほどやわではない,いや,やわだからこそ,というべきでしょうか,アベ政権の「暴走」ぶりに気づきはじめてきました。わたしの身辺でも,熱心なアベ支持だった人の中からも,これはやりすぎだよ,という人が増えてきました。少なくとも,どこか変だ,悪い夢をみせられているのではないか,といぶかる声が多くなってきています。
そこに,この「報道崩壊」の特集です。わたしの感覚では,絶妙のタイミングでの特集だと諸手を挙げて,絶賛したいところです。ぜひ,書店で手にとってめくってみてください。できることなら,このあたりでしっかりとしたみずからの認識を確認するためにも,購入して熟読玩味してもらえたらと思います。
ついでに書き添えておきますと,すでに国会解散を前倒しして,選挙に入るという噂がネットの世界では乱れ飛んでいます。しかも,かなりの論客とおぼしき人たちまでが,危機意識をいだき,さまざまな論評を展開しています。火のないところに煙は立ちません。それらしき動きが政府自民党の内部で起きているということなのでしょう。
「報道崩壊」を起こしてしまった日本のマスコミを前にして,では,わたしたちはどのようなメディア・リテラシーを確保すればいいのでしょうか。まずは,自衛のためにわたしはインターネット上に氾濫しているフェイス・ブック(FB)やブログのなかに,きわめて批評性の高いものがありますので,それらを探索しながら,みずからのスタンスを模索することにしています。玉石混淆で,とんでもない世界ではありますが,こちらの批評性さえしっかりしていれば,それらの見分けはいとも簡単です。
それに新聞は『東京新聞』,雑誌は『世界』。これらを定期購読。これだけでは,やはり,心配になってきますので,時折,大手の新聞を単発で買って読んだり(比較しながら読むのはとても面白い),雑誌は本屋さんで立ち読み。目次や見出しをみるだけでも,おおよそのことは見当がつきます。おやっ?と思うような記事があったら,一気に読むこと。これは,いささか気が引けていますので,意外に読むスピードが早いものです。
まあ,こんな風にして自己防衛をしていかないと,これからの時代はまともには生きてはいけません。恐るべき時代に突入したものだ,としみじみ思います。いよいよもってアンテナを高く張って,注意深く世の中の動向を見極めていくことが求められる時代になってきました。なにが真実であって,なにが世論誘導なのか,しっかりと見極める眼力が問われる時代,というわけです。
それでもなお,「なにか少し変だぞ」という,やわな精神というか,純粋な感性がもっとも大事だ,ということも書き添えておきたいと思います。
というところで,今日はここまで。
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