小さな幼児だったころから知っている男の子が,やがて少年になり,音楽に目覚め,バンドを組んで活躍するようになり,とびとびながらライブも聞かせてもらってきたAin Figremin のリーダーMii(ギターとボーカル)の新しいアルバム『By Play』を聴かせてもらった。前回,ライブを聴かせてもらってから少し間が空いたせいか,すっかり進化していることにびっくり。
まずは,なにより「しっとりと」聴かせるバンドに変身していて驚いた。まずは,ボーカルの声の音域がはるかに広くなっているように感じた。しかも,高音が聴かせる。切々と歌に籠められた思いが伝わってくるのだ。しかも哀切を帯びていて,じつに自然体だ。サウンドも以前はかなりうるさかったが,こんどのアルバムはボーカルを引き立てるようにアレンジされている。気持が落ち着くというか,すんなりと歌詞と音が聴く者の内面にしみこんでくる。
歌詞カードの奥付をみると,all songs & all words by Mii, all arranged by Ain Figremin, とある。なるほど,曲と歌詞はMii が担当し,編曲はバンドのメンバー全員で取り組んだことがみえてくる。ということは,バンドのメンバー全員の志向する音楽が,こんどのアルバムを生みだしたのだと納得する。そして,それがボーカルを引き立てるサウンドとなって表出しているのだ,と。
まあ,年齢的にも,ただひたすらエネルギーを爆発させ,全面的に燃焼しつくすというか,つまりはバタイユのいう「消尽」(存在の原点に触れる)に向けて全身全霊を籠めて突っ込んでいく,いわゆる青年の時代を通過して,やや成熟した成年へと加齢したからだろうか。それもあるだろうが,それだけではなさそうだ。そうではなくて,バンドのメンバーが共有するコンセプトが,みごとなハーモニーを生みだしている,その結果なのだということのようだ。
思いなおして,歌詞カードを手に,もう一度,聴き入ってみる。なるほど,全体を流れているトーンは「By Play 」なのだ。主役を演ずるほどには気を入れることもできないまま,さまよいつづける魂に身をゆだねつつ,そのさきにあるはずの「なにか」(Etwas )が見え隠れしている,そんな風景が浮かんでくる。そんな情況に置かれている人間の「湾曲するhuman play 」と「凝固するtender land 」が交叉する世界。Miiの独特のまなざしから透けてみえてくる世界。
アルバム全体を貫くコンセプトが明確になった分だけ,サウンドもみごとに調和しているように聴こえてくる。このバンドは,まだまだ「のびしろ」がいっぱいありそうだ。つまり,いま,Miiの視界のなかに見え隠れしている世界が,これからさきどういう方向に向かうのか,それ次第で「大化け」する可能性を秘めているようにおもう。楽しみがいっぱいだ。
Mii の歌唱力も,ますます非凡なものを感じさせるようになってきている。ひところはギターのテクニックの非凡さに驚いたが,こんどは聴く人を一気に惹きつける歌唱力が大きな魅力になってきているようだ。加齢とともに,Mii のなかに秘められた非凡な才能がますます開花してくる,そんな予感につつまれた優れたアルバムにこころからのエールを送りたい。
Mii ! 進め ! おのれの信ずる道を,まっしぐらに !
まずは,なにより「しっとりと」聴かせるバンドに変身していて驚いた。まずは,ボーカルの声の音域がはるかに広くなっているように感じた。しかも,高音が聴かせる。切々と歌に籠められた思いが伝わってくるのだ。しかも哀切を帯びていて,じつに自然体だ。サウンドも以前はかなりうるさかったが,こんどのアルバムはボーカルを引き立てるようにアレンジされている。気持が落ち着くというか,すんなりと歌詞と音が聴く者の内面にしみこんでくる。
歌詞カードの奥付をみると,all songs & all words by Mii, all arranged by Ain Figremin, とある。なるほど,曲と歌詞はMii が担当し,編曲はバンドのメンバー全員で取り組んだことがみえてくる。ということは,バンドのメンバー全員の志向する音楽が,こんどのアルバムを生みだしたのだと納得する。そして,それがボーカルを引き立てるサウンドとなって表出しているのだ,と。
まあ,年齢的にも,ただひたすらエネルギーを爆発させ,全面的に燃焼しつくすというか,つまりはバタイユのいう「消尽」(存在の原点に触れる)に向けて全身全霊を籠めて突っ込んでいく,いわゆる青年の時代を通過して,やや成熟した成年へと加齢したからだろうか。それもあるだろうが,それだけではなさそうだ。そうではなくて,バンドのメンバーが共有するコンセプトが,みごとなハーモニーを生みだしている,その結果なのだということのようだ。
思いなおして,歌詞カードを手に,もう一度,聴き入ってみる。なるほど,全体を流れているトーンは「By Play 」なのだ。主役を演ずるほどには気を入れることもできないまま,さまよいつづける魂に身をゆだねつつ,そのさきにあるはずの「なにか」(Etwas )が見え隠れしている,そんな風景が浮かんでくる。そんな情況に置かれている人間の「湾曲するhuman play 」と「凝固するtender land 」が交叉する世界。Miiの独特のまなざしから透けてみえてくる世界。
アルバム全体を貫くコンセプトが明確になった分だけ,サウンドもみごとに調和しているように聴こえてくる。このバンドは,まだまだ「のびしろ」がいっぱいありそうだ。つまり,いま,Miiの視界のなかに見え隠れしている世界が,これからさきどういう方向に向かうのか,それ次第で「大化け」する可能性を秘めているようにおもう。楽しみがいっぱいだ。
Mii の歌唱力も,ますます非凡なものを感じさせるようになってきている。ひところはギターのテクニックの非凡さに驚いたが,こんどは聴く人を一気に惹きつける歌唱力が大きな魅力になってきているようだ。加齢とともに,Mii のなかに秘められた非凡な才能がますます開花してくる,そんな予感につつまれた優れたアルバムにこころからのエールを送りたい。
Mii ! 進め ! おのれの信ずる道を,まっしぐらに !
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