8月14日に政府は,新国立競技場整備計画の見直しのための関係閣僚会議を開催し,基本方針を決め,発表した。添付の写真のように,東京新聞も大きな記事として報道した。その骨子を知って,これまた驚くことばかり。現段階での感想を以下に記しておきたい。
またもや「見切り発車」で逃げ切ろうという姿勢を臆面もなくさらけ出して平然としているアベ政権。まったく「反省」のかけらもない。新国立競技場整備計画が,どうして,このようなことになってしまったのか,という第三者の検証委員会が8月7日にスタートを切ったばかりなのに。
理由はかんたん。「大会に間に合うが最優先」。ということは,どんな競技場になろうが,五輪に間に合えば,それでよしとする,結論ありきの発想がまかりとおっているということだ。つまり,競技場をつくるコンセプトもなにもなしに,期日に間に合わせる,だけが独り歩きしている。
しかし,純粋な陸上競技場専用のスタジアムを建造するのであれば,2年あればできる,という建築の専門家は少なくない。にもかかわらず,関係閣僚会議は,2016年1月に工事を発注し,2020年春の完成を目指す,という。単純に計算しても丸4年がかかると踏んでいる。その根拠もなにもないまま。それこそ「白紙」のままで。
「白紙」のままで,とは言い過ぎだという向きには,以下の「新国立競技場整備方針の要旨」をとくとご覧いただきたい。これを何回,読んでみても,具体的な競技場のイメージは湧いてはこない。つまり,これからさき,なにを,どのように展開していくのかはまったくの未知数だ,ということだ。要するに,いかにも手際よく「見切り発車」をして,政府が挙げて真剣に取り組んでいるかのように見せかけているだけの話。中味はなにもない。空洞だけだ。だから,どうにでもなる,ということ。
じつは,新国立競技場整備計画がすんなりとは決められないということには理由がいくつもある。つまり,簡単には解消できない難題がいくつも待ち構えているという特殊な事情が,その背景にはあるということだ。それが当初の計画が迷走した最大の理由だ。たとえば,有識者会議が提起した条件をすべて受け入れようとしたのも大きな理由の一つだ。しかし,もともと,この場所(神宮外苑)に立派な競技場を建造するには,あまりに土地のスペースが足りない,という根本的な問題がある。
こんどの政府案では,「競技場専用」にする,とだけ表記された。これとて,じつにあいまいな表現でしかない。たとえば,「陸上競技場専用」にするにも,サブ・トラックを常設するだけの場所がない。だから,五輪では,臨時のサブ・トラックを設置して(野球場を一時転用),切り抜けようということだ。ということは,五輪後には,「公認」の陸上競技会は開催できない,ということだ。だとしたら,この競技場を維持・管理していく目的はなにか。
のみならず,サッカー,ラグビーなどの球技場としても「専用」には役に立たない。なぜなら,陸上競技場としての「8レーン」が不可欠だとすれば,この分だけ観客席はピッチから遠くなる。ならば,移動式観客席を,ということになる。となると,コストが桁違いに高くなってしまう。だから,固定席になるだろう。とすれば,球技場としても中途半端な競技場になる,ということだ。
要するに,東京五輪以後,なんのために,だれのために,この競技場が存続することになるのか,という見通しがなにもないのである。それでいて,整備方針の要旨の(1)には,「アスリート第一」の考え方の下,世界の人々に感動を与える場とする,と威勢よくうたっている。この文字面をみるかぎり立派なものである。だれも文句のいいようがない。しかし,中味は「空洞」。
言ってみれば,たった一回だけの五輪開催のための競技場でしかない,あとのことはなにも考えてはいない。その証拠に,五輪開催後の維持・管理は民間に委託する,という。となれば,独立採算性の「経済原則」が最優先されることになる。国立の公共施設が,民間に委託されて,経済原則で管理されるようになったら,もはや,新国立競技場としての「機能」は果たせなくなってしまうことは,火をみるより明らかだ。おそらくは,競技場に加えて,大きなイベント会場としての転用が,その先には待っているのだろう。となると,いったい,なんのための競技場か,という根源的な問いが新たに生まれてくることになる。
今回はこの程度にとどめておくが,新国立競技場には難問が山積している。第一に,責任問題に蓋をしたまま,「時間」を理由に,強引に押し切ろうとすればするほど,「亡霊」があちこちから顔を出すことになるだろう。場合によっては,空中分解するほどのエネルギーがそこには充満している。すでに,きな臭い匂いが漂いはじめているのだから。とてつもない「泥試合」が,このさきには待ち構えている。大揺れに揺れるだろう。
これで,またまた,アベ政権の支持率は低下の一途をたどることになるだろう。
ただし,メディアの対応次第だが・・・・。
やることなすこと「でたらめ」。「場当たり主義」。「壁紙の張り替え」。
要するに,民意を聞き入れる姿勢がまったく欠如しているかぎり,同じことの繰り返し。
早々に,お引き取りを。
理由はかんたん。「大会に間に合うが最優先」。ということは,どんな競技場になろうが,五輪に間に合えば,それでよしとする,結論ありきの発想がまかりとおっているということだ。つまり,競技場をつくるコンセプトもなにもなしに,期日に間に合わせる,だけが独り歩きしている。
しかし,純粋な陸上競技場専用のスタジアムを建造するのであれば,2年あればできる,という建築の専門家は少なくない。にもかかわらず,関係閣僚会議は,2016年1月に工事を発注し,2020年春の完成を目指す,という。単純に計算しても丸4年がかかると踏んでいる。その根拠もなにもないまま。それこそ「白紙」のままで。
「白紙」のままで,とは言い過ぎだという向きには,以下の「新国立競技場整備方針の要旨」をとくとご覧いただきたい。これを何回,読んでみても,具体的な競技場のイメージは湧いてはこない。つまり,これからさき,なにを,どのように展開していくのかはまったくの未知数だ,ということだ。要するに,いかにも手際よく「見切り発車」をして,政府が挙げて真剣に取り組んでいるかのように見せかけているだけの話。中味はなにもない。空洞だけだ。だから,どうにでもなる,ということ。
じつは,新国立競技場整備計画がすんなりとは決められないということには理由がいくつもある。つまり,簡単には解消できない難題がいくつも待ち構えているという特殊な事情が,その背景にはあるということだ。それが当初の計画が迷走した最大の理由だ。たとえば,有識者会議が提起した条件をすべて受け入れようとしたのも大きな理由の一つだ。しかし,もともと,この場所(神宮外苑)に立派な競技場を建造するには,あまりに土地のスペースが足りない,という根本的な問題がある。
こんどの政府案では,「競技場専用」にする,とだけ表記された。これとて,じつにあいまいな表現でしかない。たとえば,「陸上競技場専用」にするにも,サブ・トラックを常設するだけの場所がない。だから,五輪では,臨時のサブ・トラックを設置して(野球場を一時転用),切り抜けようということだ。ということは,五輪後には,「公認」の陸上競技会は開催できない,ということだ。だとしたら,この競技場を維持・管理していく目的はなにか。
のみならず,サッカー,ラグビーなどの球技場としても「専用」には役に立たない。なぜなら,陸上競技場としての「8レーン」が不可欠だとすれば,この分だけ観客席はピッチから遠くなる。ならば,移動式観客席を,ということになる。となると,コストが桁違いに高くなってしまう。だから,固定席になるだろう。とすれば,球技場としても中途半端な競技場になる,ということだ。
要するに,東京五輪以後,なんのために,だれのために,この競技場が存続することになるのか,という見通しがなにもないのである。それでいて,整備方針の要旨の(1)には,「アスリート第一」の考え方の下,世界の人々に感動を与える場とする,と威勢よくうたっている。この文字面をみるかぎり立派なものである。だれも文句のいいようがない。しかし,中味は「空洞」。
言ってみれば,たった一回だけの五輪開催のための競技場でしかない,あとのことはなにも考えてはいない。その証拠に,五輪開催後の維持・管理は民間に委託する,という。となれば,独立採算性の「経済原則」が最優先されることになる。国立の公共施設が,民間に委託されて,経済原則で管理されるようになったら,もはや,新国立競技場としての「機能」は果たせなくなってしまうことは,火をみるより明らかだ。おそらくは,競技場に加えて,大きなイベント会場としての転用が,その先には待っているのだろう。となると,いったい,なんのための競技場か,という根源的な問いが新たに生まれてくることになる。
今回はこの程度にとどめておくが,新国立競技場には難問が山積している。第一に,責任問題に蓋をしたまま,「時間」を理由に,強引に押し切ろうとすればするほど,「亡霊」があちこちから顔を出すことになるだろう。場合によっては,空中分解するほどのエネルギーがそこには充満している。すでに,きな臭い匂いが漂いはじめているのだから。とてつもない「泥試合」が,このさきには待ち構えている。大揺れに揺れるだろう。
これで,またまた,アベ政権の支持率は低下の一途をたどることになるだろう。
ただし,メディアの対応次第だが・・・・。
やることなすこと「でたらめ」。「場当たり主義」。「壁紙の張り替え」。
要するに,民意を聞き入れる姿勢がまったく欠如しているかぎり,同じことの繰り返し。
早々に,お引き取りを。
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