2015年8月4日火曜日

猛暑日,熱帯夜のつづくこの時期が東京五輪2020の会期。マラソンは大丈夫か。

 わたしが入院した7月4日は,すでに猛暑がはじまっていたと記憶する。そして,入院中も,連日,猛暑が伝えられていた。退院後(7月18日)は,文字どおりの猛暑日と熱帯夜の連続である。まだまだ,当分の間,この猛暑日と熱帯夜はつづくという。かりに,ことしが特例であったとしても,この縮小版は毎年,繰り返されている。そして,7月末から8月上旬にかけては,間違いなく猛暑日と熱帯夜が襲ってくる。

 こんな,日本の気候のなかでももっとも苛酷な猛暑日と熱帯夜がつづく確率の高いこの時期に,東京五輪2020の会期がぴったり重なっている。だれが,どのような理由でこの時期を会期としたのかは知るよしもないが,あまりに思慮のない選択であったことは間違いない。選手にとっても,応援に駆けつける観衆にとっても,苛酷この上ない。おそらくは,外国からの観光客を集めようという,まさに経済原則が優先されたらしい,というのがもっぱらな噂だ。主客転倒である。

 東京五輪1964のときには,日本の気候のなかでもっともいい時期を,意図的・計画的に選んでいる。開会式は晴れの特異日:10月10日にセットした。スポーツの秋の絶好のシーズンを会期に当てはめているのだ。そして,開会式はもののみごとに晴れ渡り,真っ青な空が広がった。あの,ブルー・インパルスが青空に描いた「五輪」のマークが目にも鮮やかに焼きついている。

 さて,東京五輪2020の開会式は7月26日。ここから2週間。猛暑日と熱帯夜はセットでやってくるだろう。しかも,集中豪雨,雷,突風が襲う,天気が安定しない時期。加えて,台風のシーズンでもある。これらが全部一緒にやってこないとはだれも断言できない。言ってみれば,スポーツの祭典を開催するには「最悪」の時期なのだ。こんなことはだれでもわかることなのに,金の亡者になってしまった組織委員会には常識は通用しない。異次元の世界だから。その結果,外国からの観光客を最優先に考えたらしい。

 一事が万事,この調子である。

 主役がだれであるかを忘れている。

 いったい,この猛暑日の最中に,どうやってマラソン競技を行うのだろうか。そして,この猛暑のなか参加する選手はいるのだろうか。少し良識のある選手なら,出場を辞退するだろう。観客も沿道に並んで応援するだろうか。おそらくは,エアコンの効いた室内でテレビ観戦に走るだろう。わたしならそうする。

 他の競技にしたってたいへんである。いちいち例を挙げるまでもないだろう。なにからなにまで,やることなすこと出鱈目である。その一端が,新国立競技場建設問題となって噴出した。まだまだ,これから難題がつぎつぎに明らかになってくるだろう。はたして,東京五輪を開催することは可能なのだろうか,とわたしは真剣に考えている。

 その理由も山ほどあるが,いつか,そのこともこのブログで書いてみたいとおもう。そして,結論をさきに述べておけば,「東京五輪を返上しよう」だ。そのための条件が整っているとはとても考えられないからだ。その最大の難題は,フクシマだ。アベ君は”under controll”と,世界に向けて嘯いたが,事態はますます悪化の一途をたどっている。あと5年後には,もっとひどい現実を目の当たりにすることは間違いないだろう。

 いまもなお,無責任体制のまま,5年後を迎えようとしている。まずは,ここからしてトンチンカンだ。責任をとる現場の最先端に立つリーダーがいない。

 東京五輪2020の会期を決定したときから,すでに,「トチクルッテイル」としかいいようがない。そして,その延長線上にいまもいる。これが,日本の政治情況もふくめて,ありのままの姿なのだ。絶望するしかない。この隘路から脱出するための「未来志向」型の発想は,国民の側から提示する以外にはなさそうである。SEALDsのように。

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