2013年11月7日木曜日

大手銀行も「誤報告」だって? 監督官庁を相手に。嘘つけ! まだ,責任逃れをしようというのか。

 もう,この国の箍のゆるみ具合は尋常ではない。大手銀行が軒並み,監督官庁に「誤報告」をしていただなんて?! そんなことをだれも信用しない。最初から意図的,計画的に「偽装」「虚偽」を装うための「誤報告」と言い訳をしているだけではないか。いよいよ,監督官庁もがまんならじとばかりに,もう一歩踏み込んだ調査に入るらしい。遅きに失している,というのが一般の受け止め方ではないかと思う。

 これからさき,どのような「トカゲの尻尾きり」という演劇が展開されるか,みものである。もう,だれもが熟知しているように,長年にわたって元大蔵官僚や財務官僚が天下って,大手銀行の役員に成り下がっている。だから,大手銀行と監督官庁とは「なあなあ」もいいところ。もちつもたれつの関係を,阿吽の呼吸で保ってきた。だから,少々のおとがめが監督官庁からあっても,大手銀行はあわてることなく,あの手この手で対応しておけばいい,という暗黙の了解があった。が,今回は,あまりにも眼にあまるので(あるいは,暴力団相手ということで世間の眼が厳しいので),それなりの対応をしなければならない,ということのようだ。

 かつて,大手銀行が赤字で焦げついたときも,政府が率先して,わたしたちの税金を惜しげもなく拠出し,救済したことがあった。日本の銀行は,いつから国立銀行になったのだろうか,と首を傾げたことがある。いやいや,それどころか,日本国がいつから社会主義国に成り代わったのか,と本気で考えたことがある。その流れは,いまも,東京電力をみればよくわかる。東京電力に,なぜ,あれほどの税金を注ぎ込まなくてはならないのか。もう,とっくのむかしに一企業としては「破綻」「破産」していることは明々白々なのに。にもかかわらず,政府はなんの手も打とうとはしない。むしろ,癒着しつつ,原発を維持することにまっしぐら。

 腹立たしさを通りすぎてしまって,もはや,情けないというしかない。日本国の政府といえども,なんとも,落ちぶれたものだ。だから,監督官庁も右へならえ,だ。言ってしまえば,同じ穴の虫だ。だから,似たようなもの。官庁の箍が緩んできたとなれば,国家の骨格にかかわる一大事だ。その官庁にてこ入れをする必要がある,という名目のもとに,とうとう「特定秘密保護法案」が今日(6日),審議入り。そのお膳立てをするかのように「国家安全保障会議」(NSC)を可決した。しかも,与党自民党と民主党までもが賛成した。なにを考えているのやら・・・。

 「主権在民」という憲法の大本の考え方を,ことごとく否定するような法案がつぎつぎに提出され,十分な議論をする時間もなしに,議決されていく。圧倒的多数を確保した政府自民党のやりたい放題だ。この姿は,どう考えたって1930年代に登場したナチス・ヒトラーの政権奪取と,その後の議会の運営の仕方とそっくりそのままだ。アベノミクスという名の,経済政策にその名を借りた,まさに歴史の主役に躍り出た「経済」を旗印にした,まったく新たな全体主義国家が,恐ろしい足音とともにその姿を現しつつある。

 プロ野球の楽天が日本一になって,結果よければすべてよし(勝てば官軍,負ければ賊軍)とばかりに,美談ばかりが報道されているが,ホシノセンイチという独裁者がその陰でどれだけの恐慌政治・恐慌指揮をとってきたか(ビンタなどは当たり前),これから徐々に明らかになるとわたしはにらんでいる。もう,すでに,そのような情報が流れはじめているが・・・・。

 世の中,「無責任」と「自発的隷従」が蔓延。だから,「倍返し」とかなんとかの妙なテレビ・ドラマが話題となる。自分では不可能なことの投影でしかない。そんなドラマで昇華してしまってはなんの役にも立たない。そうして,グスグスに緩んでしまった現代社会を生きる人間の士気は,もはや,とどめようがない。

 そんな日本国が,あるいは,東京都が2020年にはオリンピックを開催するという。はたまた,長野オリンピックと同様に,金の収支に関する重要書類が抹殺されてしまっても平気で済まされるような東京五輪が待ち構えている。どこもかしこもやりたい放題。すでに,東京五輪招致でどれだけの金がどのように使われたのか,秘匿の方向にまっしぐら。

 東京五輪もまた,特定秘密保護法に守られて(テロ対策という名のもとに),さらに,やりたい放題になる可能性が大である。かくして,権力側には金が無制限に吸い上げられ,圧倒的多数の弱者は貧困にあえぐことになる。そのためのお膳立てが,TPPを筆頭に,つぎつぎに現実化されようとしている。そして,気がつけば「主権在民」という憲法の根幹にかかわる思想も骨抜きにされ,有名無実になっているだろう。

 今回の大手銀行の不正融資の問題は,たまたま暴力団という融資先が明るみにでてしまっただけの話。すると,急に正義の味方よろしく,政府はその弾圧に乗り出す。しかも,大手銀行という隠れ蓑のもとで。ならば,なぜ,暴力団という組織を,いつまでも放置,あるいは温存しておくつもりなのか,政府与党に聞いてみたい。そころが,これまた,検察も政府も裏で手を結んでいるという噂もないわけではない。

 そして,困ったときの神頼み。「誤表示」「誤報告」。その実態は「偽装」「虚偽」。そして「無責任」。と,ここまで書いてきて気づくこと。これは,まるで,「わがごと」ではないか,と。冷や汗がたらり。


 

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