2016年1月23日土曜日

ベッキー,バス事故,SMAP騒動に隠されてしまった国会の議論。

 このところ連日,遅い昼食をとりながらNHKの国会中継を眺めていました。リアル・タイムで流れてくるので,なんの編集の手も加えてない生の情報が直接飛び込んできます。そこでは,信じられない議論が展開されていました。小学校低学年の学芸会よりももっとひどい,稚拙な猿芝居が繰り広げられていました。これが国会の議論というものなのか,といまさらながらあきれはててしまいました。

 政権にとって都合のいい質問には,真っ正面から嬉々として答えています。しかし,厳しい質問になると,とたんに質問の趣旨をすり替えて,政権の立場を延々とつづけます。そして,結局は,まともな応答はまったくなしのまま時間切れになってしまいます。つまり,質問時間まで,政権の主張に食われてしまう始末です。

 ときには,質問に答えられないまま,10分も15分も中断してしまうこともありました。それも,政府が示した予算の数字の根拠を説明してほしい,わたしの計算だとそうはならない,それも4000万円もの誤差はなぜなのか,という問いです。官僚からのカンニング・ペーパーもとどきません。ということは,でたらめな予算案であることがバレてしまった証拠。そして,窮した政府は,後日,調査をしてから答えます,というような塩梅です。

 こんなとんでもない議論が国会では連日,行われていたのです。にもかかわらず,国会の議論を整理してニュースにする努力を,報道各社はいちじるしく欠いています。もし,とりあげたとしても,政府が不利になるようなところはすべてカットして,アベノミックスが成功したと主張するアベ君の顔ばかりがアップで写し出されるだけです。そして,国民として考えなくてはならない,大事な問題の本質についてはすべて隠蔽されてしまっています。

 こうして,みごとなまでに世論が操作されています。

 この隠蔽操作に大いに貢献しているのが,ベッキー情報であり,バス事故であり,SMAP騒動,というわけです。こちらは,四六時中,どこもかしこも,これでもか,これでもか,と連日,微に入り細にわたり報道しています。たしかに,バスの事故に関しては厳しい検証が必要ですが,それにしても過剰としかいいようがありません。ベッキーのことなどどうでもいい。SMAP騒動もどうでもいい。こんな話題は週刊誌にまかせておけばいい。

 こんな情報にテレビが飛びつくのは,単なる視聴率稼ぎ以外のなにものでもありません。

 そんな時間があったら,フクシマの「いま」を連日,報道してほしいし,国会の恐るべき議論をきちんと整理して報道してほしい。しかし,そんな気はさらさらありません。いまや,「自発的隷従」もいいとこです。率先垂範して,政府をよいしょしているのですから。それは奇怪しいではないか,とまともな発言をするキャスターは軒並み排除(クビ)です。

 この4月から,大型のニュース番組が,みんな骨抜きになってしまいます。

 そうして,芸能界のスキャンダルばかりが時間を独占してしまって,重要なニュースをどこかに追いやってしまって,国民の総白痴化がいやおうなく進行していくことになってしまいます。

 だれがその仕掛け人であるか,などはいまさら言う必要もないでしょう。
 わたしたちにできることは,つぎの選挙で,みずからの意思を正しく表明するのみです。そのための準備に,もう,いまからとりかからなくてはなりません。
 ほんとうに情けない時代になったものです。

 政治家も嫌気がさしたのか,ベテランの政治家がつぎつぎに引退を表明しています。こうなってきますと,いま,自民党の内部で蠢いているマグマがいつ噴出するか,それを待つ以外にないのかと情けなくなってしまいます。

 とうとう,嘆き節になってしまいました。今夜はこの辺で。

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