昨日(29日),日本相撲協会の理事候補の選挙が行われました。その数日前に,九重親方が理事立候補を断念した,という記事が眼にとびこんできて,驚きました。当選ラインである10票を確保することができなかった,というのです。
なんということか。あの名横綱が,である。大相撲の隆盛のためにどれほど大きな貢献を残してきたことか。日本相撲協会にとっては重要な「宝」のひとつです。そのことはだれよりも日本相撲協会を支えてきた親方衆が一番よく知っているはずです。ですから,引退後,親方になってからはずっと理事をつとめてきました。しかし,前回の理事選挙で落選。そして,今回は立候補断念です。こんなことって,あってよいのでしょうか。
かつては,理事選挙は行われていませんでした。部屋の親方衆が,それとなく票の割り振りをして,理事候補を定員の10名でコントロールしてきたからです。ですから,無投票で理事は決まっていました。この長年の慣習を打ち破ったのが,貴乃花親方です。なぜなら,それまでの慣行にしたがえば,貴乃花親方が理事になる道はなかったからです。つまり,自分の部屋の持ち票が足りなかったからです。
そこで,貴乃花親方は,他の一門の若手の親方衆を説得して,票集めをして「勝算あり」と判断して,立候補に踏み切り,みごとに当選しました。これが,理事選挙のはじまりでした。以後,票のぶんどり合戦が激しくなり,選挙は熾烈を極めることになりました。その余波を受けたのが九重親方だった,という次第です。
わたしの知るかぎりの情報では,貴乃花親方と北の湖親方(前・理事長)とが手を握り,九重親方の追い落としが謀られたようです。それがまんまと嵌まり,九重親方の理事落選という未曾有のできごとが起きました。その流れがいまもつづいているというのでしょう。
故北の湖理事長と九重親方との確執については,このブログでもとりあげて書いておきましたので,そちらを参照してください。
九重親方は,よほど人望がないのか,それとも裏工作が下手なのか,どちらかはわかりませんが,いずれにしても当選するだけの票を確保することができなかったのは事実です。みずから,理事立候補断念を宣言したほどですから。
いずれにしても,九重親方を欠いたままの新しい理事会は,いささかやっかいなことになりそうです。なぜなら,北の湖理事長亡きあと,かれの所属していた出羽海一門は,新人4人を立てて全員当選(前回までは3人だった)。そこに貴乃花親方が合流すれば,この勢力だけで理事会の半数(5名)の理事を確保することになるからです。ここにあと一人加われば,理事会を切り盛りすることが可能となってきます。
となりますと,北の湖理事長亡きあとの暫定の理事長となった八角親方(九重親方の弟弟子)が,新年の挨拶で,協会の膿は徹底的に洗い流すと宣言したことに,抵抗する勢力が多数を占めることになりかねない,という次第です。この流れでいきますと,3月に予定されています新理事長選挙が,これまた熾烈を極めることになるのではないか,とわたしはいまから危惧しています。
もう一つの不安要素は,伊勢ヶ浜一門からでていた理事2名が,こんどの選挙でひとり落選し,理事はたったひとりだけ(伊勢ヶ浜親方・元旭富士)になってしまったということです。残りの理事3名の親方衆の去就が注目の的となります。
ひょっとしたら,貴乃花親方が新理事長になるかもしれません。でも,良識的に考えれば,ここはひとまず八角親方でつないでおいて,そのつぎを狙うというのが筋でしょう。しかし,ドライに割り切る思考を得意とする貴乃花親方がどういう動きをみせるか,見逃すことのできない事態が待ち受けています。このことは,日本相撲協会の命運を分ける重大な事態を意味している,と言っていいでしょう。
これから3月の理事長選挙までの水面下でのドロ試合がみものです。
なんということか。あの名横綱が,である。大相撲の隆盛のためにどれほど大きな貢献を残してきたことか。日本相撲協会にとっては重要な「宝」のひとつです。そのことはだれよりも日本相撲協会を支えてきた親方衆が一番よく知っているはずです。ですから,引退後,親方になってからはずっと理事をつとめてきました。しかし,前回の理事選挙で落選。そして,今回は立候補断念です。こんなことって,あってよいのでしょうか。
かつては,理事選挙は行われていませんでした。部屋の親方衆が,それとなく票の割り振りをして,理事候補を定員の10名でコントロールしてきたからです。ですから,無投票で理事は決まっていました。この長年の慣習を打ち破ったのが,貴乃花親方です。なぜなら,それまでの慣行にしたがえば,貴乃花親方が理事になる道はなかったからです。つまり,自分の部屋の持ち票が足りなかったからです。
そこで,貴乃花親方は,他の一門の若手の親方衆を説得して,票集めをして「勝算あり」と判断して,立候補に踏み切り,みごとに当選しました。これが,理事選挙のはじまりでした。以後,票のぶんどり合戦が激しくなり,選挙は熾烈を極めることになりました。その余波を受けたのが九重親方だった,という次第です。
わたしの知るかぎりの情報では,貴乃花親方と北の湖親方(前・理事長)とが手を握り,九重親方の追い落としが謀られたようです。それがまんまと嵌まり,九重親方の理事落選という未曾有のできごとが起きました。その流れがいまもつづいているというのでしょう。
故北の湖理事長と九重親方との確執については,このブログでもとりあげて書いておきましたので,そちらを参照してください。
九重親方は,よほど人望がないのか,それとも裏工作が下手なのか,どちらかはわかりませんが,いずれにしても当選するだけの票を確保することができなかったのは事実です。みずから,理事立候補断念を宣言したほどですから。
いずれにしても,九重親方を欠いたままの新しい理事会は,いささかやっかいなことになりそうです。なぜなら,北の湖理事長亡きあと,かれの所属していた出羽海一門は,新人4人を立てて全員当選(前回までは3人だった)。そこに貴乃花親方が合流すれば,この勢力だけで理事会の半数(5名)の理事を確保することになるからです。ここにあと一人加われば,理事会を切り盛りすることが可能となってきます。
となりますと,北の湖理事長亡きあとの暫定の理事長となった八角親方(九重親方の弟弟子)が,新年の挨拶で,協会の膿は徹底的に洗い流すと宣言したことに,抵抗する勢力が多数を占めることになりかねない,という次第です。この流れでいきますと,3月に予定されています新理事長選挙が,これまた熾烈を極めることになるのではないか,とわたしはいまから危惧しています。
もう一つの不安要素は,伊勢ヶ浜一門からでていた理事2名が,こんどの選挙でひとり落選し,理事はたったひとりだけ(伊勢ヶ浜親方・元旭富士)になってしまったということです。残りの理事3名の親方衆の去就が注目の的となります。
ひょっとしたら,貴乃花親方が新理事長になるかもしれません。でも,良識的に考えれば,ここはひとまず八角親方でつないでおいて,そのつぎを狙うというのが筋でしょう。しかし,ドライに割り切る思考を得意とする貴乃花親方がどういう動きをみせるか,見逃すことのできない事態が待ち受けています。このことは,日本相撲協会の命運を分ける重大な事態を意味している,と言っていいでしょう。
これから3月の理事長選挙までの水面下でのドロ試合がみものです。
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