この1月27日(金)に大阪体育大学大学院の特別講義があり,なんとか無事に終ることができました。ことしで3回目だと記憶しています。最初は舞踊論のお話をさせていただいたように記憶しています。が,2回目からはスポーツ史・スポーツ文化論に関するテーマをとりあげて,お話させていただいています。今回(3回目)のテーマは以下のとおりです。
「3・11」以降を生きるわたしたちにとってスポーツとはなにか──スポーツ史的展望からの考察
ずいぶんと長いタイトルをつけてしまったなぁ,といまごろになって反省。でも,この特別講義の依頼を受けたのは半年以上も前のことなのです。ですから,時代がどんなふうに変化しても対応できるテーマを選ぶしかありません。それで苦慮した結果が,上記のタイトルという次第です。まあ,結果論としては,大正解でした。いま,わたしが考えていることのうち,一番,伝えたい内容をセレクトすることができたからです。
大学院生の特別講義といっても,聞き手の院生さんたちの専攻がどのようなものであるのか,まったくわかりません。体育系の大学院ですので,実験系や健康科学やスポーツ医科学系の人たちもいます。わたしがやっているような,スポーツ史やスポーツ文化論を専攻している院生さんは少数派のはずです。ですから,講義内容をどのように構築するかは,相当に考えなくてはなりません。
授業がはじまる前に,大阪体育大学に勤務されている先生方(3人)と,講師控室で雑談をしていました。が,いつのまにか,わたしもふくめて4人で熱の入った議論になっていました。この話をこのまま院生さんたちに聞いてもらいましょうよ,とわたしから提案。みなさん,賛成してくださって,じゃあ,そうしよう,ということになりました。
でも,まあ,いきなりそこに入っていくには,なにがしかの前提が必要だろうということで,まじ,最初にわたしから議論の土俵となりそうな話をして,それを引き継ぐかたちで4人の議論に入りましょう,ということにしました。しかし,授業というものは「生きもの」ですので,そんなにかんたんではありません。その教室の「場」の力がはたらきますので,予定されていたシナリオは,いともかんたんに変更を余儀なくされてしまいます。今回もそうでした。
最初に,わたしが切り出した話は『myb』みやびブックレット(みやび出版)のNo.39号(2012 Spring)に寄稿した初校ゲラでした。2月下旬に刊行される,その前の校正段階の原稿を,たたき台にして,話の糸口をつかもうというものでした。その原稿のタイトルが,「3・11」以後のスポーツを考える,というものでした。ですから,ちょうどいいのでは・・・と考えた次第です。
ここでなにを書いたのかは,『myb』No.39号で確認してみてください。なお,この39号は「特集・スポーツが問われている」というもので,わたしの原稿もそこに寄稿したものです。ちなみに,わたし以外の執筆者は,西谷修,今福龍太,松浪健四郎,森田浩之,といった錚々たる顔ぶれです。この人たちが,いま現在のスポーツ情況をどのように見きわめ,なにをとりあげて論じているかは,とても楽しみでもあります。それぞれ,専門の異なる論客が,なにに着目しているのか,そして,どのような展望をもっているのか,わたしには待ち遠しくて仕方がありません。
興味をお持ちの方は,どうぞ,『myb』をインターネットで検索してみてください。ホーム・ページがありますので,詳しい情報を得ることができます。できれば,購入していただけるとありがたいと思っています。
話をもとに戻しまして,この初校ゲラをもとにして,若干,わたしが話をふくらませてみました。これが意外に面白く展開したので,あとは,うまく議論ができる,と楽しみにしていました。が,その「場」の力というものは恐ろしいものです。院生さんたちの眼の輝きが,いつもと違う。これはどういうことなのだろう,と司会をしてくださった岡崎先生は思ったに違いありません。ですから,まずは,簡単に,いまの話の印象・感想を院生さんたちに聞いてみよう,ということになりました。
ここから意外な展開のはじまりでした。院生さんたちの専攻は,種々雑多。でも,その多くは実験系の院生さんでした。その院生さんたちが,わたしの想定をはるかに越える反応をしめしてくれました。のみならず,自分の感じたことをとても素直に言説化してくれ,わたしにはとても勉強になりました。みなさん,とても表現力があって,ああ,この人たちはすごいなぁ,と思いました。いつもですと,どちらかといえば受け身の院生さんが多く,自分の意見というものを持とうとする人の方が圧倒的に少数派です。ところが,今回は違っていました。ですから,教室の「場」の雰囲気がとてもいいのです。
ということで,とうとう,この院生さんの話を聞いているうちに,時間はとっくのむかしにすぎてしまいました。全員の意見を聞き終わったら20分も時間オーバーをしていました。悪いことをしてしまったなぁ,と思いながらも,わたしとしては大満足の授業がなんとか無事に終了しました。こういう授業ができると,よかったなぁ,教師冥利につきる・・・と思います。しかし,いつも,そうなるとは限りません。その正反対のときのショックたるや,申すまでもありません。
いやいや,大阪体育大学大学院の院生さんたちは素晴らしい。感謝あるのみです。
お世話をしてくださった大学院事務局の窪田さんをはじめ,先生方にこころから感謝の意を表したいと思います。ありがとうございました。
〔追記〕この翌日の28日(土)の奈良教育大学で開催された「ISC・21」奈良例会での,わたしのプレゼンテーションにも,2人の大阪体育大学の院生さんが参加してくれました。ありがたいことだと感謝しています。
「3・11」以降を生きるわたしたちにとってスポーツとはなにか──スポーツ史的展望からの考察
ずいぶんと長いタイトルをつけてしまったなぁ,といまごろになって反省。でも,この特別講義の依頼を受けたのは半年以上も前のことなのです。ですから,時代がどんなふうに変化しても対応できるテーマを選ぶしかありません。それで苦慮した結果が,上記のタイトルという次第です。まあ,結果論としては,大正解でした。いま,わたしが考えていることのうち,一番,伝えたい内容をセレクトすることができたからです。
大学院生の特別講義といっても,聞き手の院生さんたちの専攻がどのようなものであるのか,まったくわかりません。体育系の大学院ですので,実験系や健康科学やスポーツ医科学系の人たちもいます。わたしがやっているような,スポーツ史やスポーツ文化論を専攻している院生さんは少数派のはずです。ですから,講義内容をどのように構築するかは,相当に考えなくてはなりません。
授業がはじまる前に,大阪体育大学に勤務されている先生方(3人)と,講師控室で雑談をしていました。が,いつのまにか,わたしもふくめて4人で熱の入った議論になっていました。この話をこのまま院生さんたちに聞いてもらいましょうよ,とわたしから提案。みなさん,賛成してくださって,じゃあ,そうしよう,ということになりました。
でも,まあ,いきなりそこに入っていくには,なにがしかの前提が必要だろうということで,まじ,最初にわたしから議論の土俵となりそうな話をして,それを引き継ぐかたちで4人の議論に入りましょう,ということにしました。しかし,授業というものは「生きもの」ですので,そんなにかんたんではありません。その教室の「場」の力がはたらきますので,予定されていたシナリオは,いともかんたんに変更を余儀なくされてしまいます。今回もそうでした。
最初に,わたしが切り出した話は『myb』みやびブックレット(みやび出版)のNo.39号(2012 Spring)に寄稿した初校ゲラでした。2月下旬に刊行される,その前の校正段階の原稿を,たたき台にして,話の糸口をつかもうというものでした。その原稿のタイトルが,「3・11」以後のスポーツを考える,というものでした。ですから,ちょうどいいのでは・・・と考えた次第です。
ここでなにを書いたのかは,『myb』No.39号で確認してみてください。なお,この39号は「特集・スポーツが問われている」というもので,わたしの原稿もそこに寄稿したものです。ちなみに,わたし以外の執筆者は,西谷修,今福龍太,松浪健四郎,森田浩之,といった錚々たる顔ぶれです。この人たちが,いま現在のスポーツ情況をどのように見きわめ,なにをとりあげて論じているかは,とても楽しみでもあります。それぞれ,専門の異なる論客が,なにに着目しているのか,そして,どのような展望をもっているのか,わたしには待ち遠しくて仕方がありません。
興味をお持ちの方は,どうぞ,『myb』をインターネットで検索してみてください。ホーム・ページがありますので,詳しい情報を得ることができます。できれば,購入していただけるとありがたいと思っています。
話をもとに戻しまして,この初校ゲラをもとにして,若干,わたしが話をふくらませてみました。これが意外に面白く展開したので,あとは,うまく議論ができる,と楽しみにしていました。が,その「場」の力というものは恐ろしいものです。院生さんたちの眼の輝きが,いつもと違う。これはどういうことなのだろう,と司会をしてくださった岡崎先生は思ったに違いありません。ですから,まずは,簡単に,いまの話の印象・感想を院生さんたちに聞いてみよう,ということになりました。
ここから意外な展開のはじまりでした。院生さんたちの専攻は,種々雑多。でも,その多くは実験系の院生さんでした。その院生さんたちが,わたしの想定をはるかに越える反応をしめしてくれました。のみならず,自分の感じたことをとても素直に言説化してくれ,わたしにはとても勉強になりました。みなさん,とても表現力があって,ああ,この人たちはすごいなぁ,と思いました。いつもですと,どちらかといえば受け身の院生さんが多く,自分の意見というものを持とうとする人の方が圧倒的に少数派です。ところが,今回は違っていました。ですから,教室の「場」の雰囲気がとてもいいのです。
ということで,とうとう,この院生さんの話を聞いているうちに,時間はとっくのむかしにすぎてしまいました。全員の意見を聞き終わったら20分も時間オーバーをしていました。悪いことをしてしまったなぁ,と思いながらも,わたしとしては大満足の授業がなんとか無事に終了しました。こういう授業ができると,よかったなぁ,教師冥利につきる・・・と思います。しかし,いつも,そうなるとは限りません。その正反対のときのショックたるや,申すまでもありません。
いやいや,大阪体育大学大学院の院生さんたちは素晴らしい。感謝あるのみです。
お世話をしてくださった大学院事務局の窪田さんをはじめ,先生方にこころから感謝の意を表したいと思います。ありがとうございました。
〔追記〕この翌日の28日(土)の奈良教育大学で開催された「ISC・21」奈良例会での,わたしのプレゼンテーションにも,2人の大阪体育大学の院生さんが参加してくれました。ありがたいことだと感謝しています。
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