相撲では,寄り切って勝ったつもりが「勇み足」で負けだった,ということがある。
今回の「センカク」をめぐる日本政府の対応は,どこかで勘違いをしているのではないか,と思えて仕方がない。また,メディアの報道も,どこかピンぼけな印象が否めない。テレビに登場する評論家諸氏の言っていることも,どこかズレているように思えて仕方がない。
素人のわたしのごとき者が口出しをすべき問題ではないことは百も承知しているが,ひとりの日本国民として,発言することは許されていいだろう。すでにボケがはじまっていて,わずかにしか残っていないわたしの記憶によれば,政府の対応はもとより,いま,メディアを流れている情報はどこか奇怪しい。つまり,一番大事なところの議論が抜け落ちていて,まるで「センカク」は日本固有の領土であるかのごとき議論が一人歩きをはじめているように,わたしには思えるのだ。
「センカク」はどちらの国のものでもない「グレー・ゾーン」に位置している,とわたしはこれまで考えてきた。だから,しばらく前までは,地下埋蔵資源について日中共同開発を・・・という方向で話が進んでいたはずだ。その前提になっていたものは,鄧小平が「日中平和友好条約」の批准書交換のために,来日したときに,「センカクの帰属については議論できる情況が生まれるまでは,このままにしておきましょう」という談話だった,と記憶する。だから,自民党政権時代には,その路線が,日中の了解事項として維持されてきたはずである。
そこに,わざわざ種火を投げ込んだのがイシハラチンタロウだ。「センカクを東京都が購入する」という,とんでもない発言が,突然,飛びだしてきた。わざわざ眠らせておいた子を「叩き起こして」しまうような行動にでた。この陰には,かなり悪質な企みが感じられてならない。つまり,中国嫌いのイシハラを動かしているアメリカの極右との連携である。もし,これが事実だとしたら歴史に残る大事件になりかねない。
「センカク」を個人が所有しているだけなら,日中関係を現状のまま維持することができる。事実,維持されてきた。それを「東京都」が購入するとなると,話は一気に違ってくる。しかも,それを,さらに「国が購入」するとなると,これは事実上「国境線」を引くに等しい行為となる。となれば,中国としても黙っているわけにはいかないだろう。なんの相談もなく一方的な「宣戦布告」をされたも同然である。
中国人の金持ちが,北海道の土地を買い漁っていると聞くと,あまりいい気分にはなれないけれども,それは民・民間の法にもとづく商取引だ。しかし,中国という「国家」が北海道の土地を購入するとなると,これは大問題となるのは必定だ。それに匹敵するようなことを,日本政府はやらかしたのだ。なにゆえに,個人が所有している土地(島)を,わざわざ国が購入しなければならないのか。問題はここにある。この背景にある重大な企みをだれも指摘しようとはしない。
そもそも「センカク」は,日本の敗戦処理のときにも明確な位置づけはなされないままになっていた,と記憶する。そして,さらに,沖縄がアメリカの統治下に置かれていたときにも,あいまいなままにされていたはず(その当時は,米軍の軍事訓練が行われていたとも聞く)。さらには,沖縄の本土復帰(1972年)のときにも,「センカク」の位置づけはあいまいなままだったと記憶する。つまり,ずっと「グレイ・ゾーン」だったのだ。
この地域の領土問題が話題になりはじめたのは,日中国交回復(田中角栄)後であり,「日中平和友好条約」が締結(1978年)されてからである。あるいは,翌年(1979年)の「米中国交回復」が正式に樹立してからのことではなかったか,と記憶する。そして,そのひとつの結論が「帰属の問題は棚上げ」ということだったはず。
つい最近,来日したばかりのアメリカの政府高官(すでに,名前も忘れている)も,「センカク」は日米安保の範囲に入る,と発言はしたが,領土については明言を避けた。つまり,グレイ・ゾーンのままだということだ。
しかし,これは表向きのこと。アメリカの極右とイシハラとノダ(原子力ムラも含めて)とは,どこかで連携がとれているような予感がする。それが原発推進の力であり,オスプレイ配備の力だ。この成り行きをまるで他人事のように,勝手放題に論評している自民党の次期総裁候補たち。ノダ君に言われたことにも消極的にしか協力しない官僚諸氏。
長くなってきたので,このあたりで終わりにしよう。結論を言っておけば,政権交代の折に,自民党政権からきちんとした「申し渡し」事項,あるいは「引き継ぎ」事項が確認されていないことのツケがここに表出したということ。そのひとつである「センカク」に関する申し渡しもきちんとなされなかったということ。つまり,自民党の手抜き(=無責任)。そして,官僚の手は煩わせないと宣言した民主党政権に対する官僚の無言の抵抗。その結果,民主党政権は手も足も出せない素人集団と化してしまった。だから,やることなすこと,ドジばっかり踏むことになる。このままの状態がつづくと,日本は間違いなく「沈没」する。その先陣を切る種火である「センカク」問題を発端にして,とんでもないことになりかねない。つまり,「ドンパチ」のはじまり。
それを回避する手だてはただひとつ。「センカク」を個人の所有にもどすこと。そして,「帰属問題は棚上げ」にして,じっくりと話し合いのできる情況が生まれるまで「待つ」こと。鄧小平の深い智慧に学ぶべし。つまり,時期尚早,ということ。
とんだ「勇み足」で終わってくれることを祈るのみ。
今回の「センカク」をめぐる日本政府の対応は,どこかで勘違いをしているのではないか,と思えて仕方がない。また,メディアの報道も,どこかピンぼけな印象が否めない。テレビに登場する評論家諸氏の言っていることも,どこかズレているように思えて仕方がない。
素人のわたしのごとき者が口出しをすべき問題ではないことは百も承知しているが,ひとりの日本国民として,発言することは許されていいだろう。すでにボケがはじまっていて,わずかにしか残っていないわたしの記憶によれば,政府の対応はもとより,いま,メディアを流れている情報はどこか奇怪しい。つまり,一番大事なところの議論が抜け落ちていて,まるで「センカク」は日本固有の領土であるかのごとき議論が一人歩きをはじめているように,わたしには思えるのだ。
「センカク」はどちらの国のものでもない「グレー・ゾーン」に位置している,とわたしはこれまで考えてきた。だから,しばらく前までは,地下埋蔵資源について日中共同開発を・・・という方向で話が進んでいたはずだ。その前提になっていたものは,鄧小平が「日中平和友好条約」の批准書交換のために,来日したときに,「センカクの帰属については議論できる情況が生まれるまでは,このままにしておきましょう」という談話だった,と記憶する。だから,自民党政権時代には,その路線が,日中の了解事項として維持されてきたはずである。
そこに,わざわざ種火を投げ込んだのがイシハラチンタロウだ。「センカクを東京都が購入する」という,とんでもない発言が,突然,飛びだしてきた。わざわざ眠らせておいた子を「叩き起こして」しまうような行動にでた。この陰には,かなり悪質な企みが感じられてならない。つまり,中国嫌いのイシハラを動かしているアメリカの極右との連携である。もし,これが事実だとしたら歴史に残る大事件になりかねない。
「センカク」を個人が所有しているだけなら,日中関係を現状のまま維持することができる。事実,維持されてきた。それを「東京都」が購入するとなると,話は一気に違ってくる。しかも,それを,さらに「国が購入」するとなると,これは事実上「国境線」を引くに等しい行為となる。となれば,中国としても黙っているわけにはいかないだろう。なんの相談もなく一方的な「宣戦布告」をされたも同然である。
中国人の金持ちが,北海道の土地を買い漁っていると聞くと,あまりいい気分にはなれないけれども,それは民・民間の法にもとづく商取引だ。しかし,中国という「国家」が北海道の土地を購入するとなると,これは大問題となるのは必定だ。それに匹敵するようなことを,日本政府はやらかしたのだ。なにゆえに,個人が所有している土地(島)を,わざわざ国が購入しなければならないのか。問題はここにある。この背景にある重大な企みをだれも指摘しようとはしない。
そもそも「センカク」は,日本の敗戦処理のときにも明確な位置づけはなされないままになっていた,と記憶する。そして,さらに,沖縄がアメリカの統治下に置かれていたときにも,あいまいなままにされていたはず(その当時は,米軍の軍事訓練が行われていたとも聞く)。さらには,沖縄の本土復帰(1972年)のときにも,「センカク」の位置づけはあいまいなままだったと記憶する。つまり,ずっと「グレイ・ゾーン」だったのだ。
この地域の領土問題が話題になりはじめたのは,日中国交回復(田中角栄)後であり,「日中平和友好条約」が締結(1978年)されてからである。あるいは,翌年(1979年)の「米中国交回復」が正式に樹立してからのことではなかったか,と記憶する。そして,そのひとつの結論が「帰属の問題は棚上げ」ということだったはず。
つい最近,来日したばかりのアメリカの政府高官(すでに,名前も忘れている)も,「センカク」は日米安保の範囲に入る,と発言はしたが,領土については明言を避けた。つまり,グレイ・ゾーンのままだということだ。
しかし,これは表向きのこと。アメリカの極右とイシハラとノダ(原子力ムラも含めて)とは,どこかで連携がとれているような予感がする。それが原発推進の力であり,オスプレイ配備の力だ。この成り行きをまるで他人事のように,勝手放題に論評している自民党の次期総裁候補たち。ノダ君に言われたことにも消極的にしか協力しない官僚諸氏。
長くなってきたので,このあたりで終わりにしよう。結論を言っておけば,政権交代の折に,自民党政権からきちんとした「申し渡し」事項,あるいは「引き継ぎ」事項が確認されていないことのツケがここに表出したということ。そのひとつである「センカク」に関する申し渡しもきちんとなされなかったということ。つまり,自民党の手抜き(=無責任)。そして,官僚の手は煩わせないと宣言した民主党政権に対する官僚の無言の抵抗。その結果,民主党政権は手も足も出せない素人集団と化してしまった。だから,やることなすこと,ドジばっかり踏むことになる。このままの状態がつづくと,日本は間違いなく「沈没」する。その先陣を切る種火である「センカク」問題を発端にして,とんでもないことになりかねない。つまり,「ドンパチ」のはじまり。
それを回避する手だてはただひとつ。「センカク」を個人の所有にもどすこと。そして,「帰属問題は棚上げ」にして,じっくりと話し合いのできる情況が生まれるまで「待つ」こと。鄧小平の深い智慧に学ぶべし。つまり,時期尚早,ということ。
とんだ「勇み足」で終わってくれることを祈るのみ。
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