今日(8月20日)は,朝から猛烈な暑さ。ことし一番の暑さではないか,とわたしのからだは言っています。稽古場につくなり,みなさんは汗びっしょり。もちろん,稽古中も汗びっしょり。それでもわたしのからだはあまり汗をかきません。水分摂取不足かな?といささか心配。
めずらしく稽古の途中で,汗をふきなさい,水分も補給して,と李老師から指示がでました。でも,わたしのからだからは汗がほとんどでていません。むかしから夏でもあまり汗をかくことはありませんでした。そういう体質でした。が,みなさんの汗をみていると,やはり,いまのわたしのからだは普通ではないなぁ,とちょっぴり不安。でも,からだが水分を要求していないのだから,これでいいのだ,とみずからを納得させています。
でも,昼食のときにはサービスの水がとてもおいしかったので,お変わりしました。これで,まあ,ふつうかなぁ,と少し安心。と,突然,「今日,8月20日で,わたしの日本滞在は満16年になります。北京で暮らした時間よりも日本の時間の方が長くなりました。故郷の昆明には19歳までいましたので,まもなく昆明よりも日本の生活の方が長くなります」と,李老師。
みんなびっくり。ああ,そうですか,と。時間が経つのは早いものですねぇ,と。じゃあ,一度,どこかのタイミングで「暑気払い」をしながらお祝いをしましょう,とこれはわたしのこころの内。そういえば,兄弟弟子のNさんも定年一年前に退職して私学に転職。ことしになって訳本(『聖なるものの刻印』,以文社)も単著(『アフター・フクシマ・クロニクル』,ぷねうま社)も出版していらっしゃいますので,そちらのお祝いも兼ねて・・・とわたしのこころの内。弟弟子のMさんも,精力的に訳本を刊行。最近では,猫がらみの翻訳『猫の音楽』(勁草書房)もでて,新境地を披瀝されています。妹弟子のKさんは,能面アーティストを名乗りながら,最近では能面の絵に開眼。こちらも精力的に描きつづけていらっしゃいます(Kさんのブログに公開中)。もう一人の弟弟子は,心機一転,減量に成功。最近は,自転車で稽古場までやってきます。汗びっしょりかきながら,とてもいい表情になってきました。少し明るくなったということか。最後は,わたしのからだ。大事にいたることもなく,なんとかことなきをえようとしているように感じられます。で,まずは,みんなひっくるめて,「暑気払い」を,と考えた次第です。
それにしても李老師の16年間。日本武術太極拳連盟のナショナル・チームのコーチとして招聘され,この長きにわたる功績。このことは,なによりも,李老師の人格者としての素晴らしさ,そして太極拳に関する識見の深さ,すばらしい指導力,加えていまも現役として表演をなさるその実力が高く評価されてきた,それらのトータルの評価以外のなにものでもありません。さらには,日中太極拳交流の架け橋としての実績。その間,大学院に入学し,苦労して論文の書ける日本語を習得。そして,立派な博士論文『日中太極拳交流史』を書き上げ,すぐに単行本として刊行もされました。これは名著です。わたしもドクター・ファーザーとして,少なからずお手伝いをさせていただきましたので,その内容のレベルの高さは承知しています。こんごも長く古典として生き残る立派なご著書と言って過言ではありません。その後も,中国で開催される太極拳に関する研究会やシンポジウムには,なくてはならない存在として,毎回のように招聘されていらっしゃいます。そして,これからの太極拳の行方についても深い洞察をなさっていらっしゃいます。
この李老師の博士論文が完成し,論文審査が終わってから,わたしは恐るおそる太極拳の弟子入りを申し出ました。もちろん,李老師はこころよくお引き受けくださいました。そのときに,わたし一人だけではもったいないと思い,Nさんをお誘いしました。それから,まもなく10年になろうとしています。その間にいろいろの人の出入りがありました。が,なんとなく,いまのメンバーに定着しました。でも,来年4月には仲間に入れてほしいという人もいらっしゃって,それも楽しみの一つになっています。そうだ,こちらも李老師への感謝の意を籠めて,「暑気払い」のプログラムの中に加えることにしよう。
考えてみれば,わたしたちの太極拳仲間は,ほとんど飲み会なるものをしたことがありません。別に嫌いなわけではないのですが,なんとなく,それぞれにご多忙で,やるべき仕事が山ほどある人ばかりです。ですから,それとなく,忘年会も,打ち上げも,なにもしないままできてしまいました。が,そろそろ,そういうこともいいではないか,という心境になってきました(これは,わたしひとりだけかもしれませんが)。
お断りしておきますが,週一回の稽古の時間は,みんな真剣そのものです。まったく手抜きなしで,全力投球をしています。そのピーンと張りつめた雰囲気がまたたまりません。一流の仕事をなさっている人たちが放つ,なんともいえないオーラのようなものを感じます。それらが一つになったときの快感はまた特別のものです。
最近では,李老師が,この緊張感を解き放つかのように「リラックス,リラックス」を連発されます。ときには,みずからジョークを飛ばして雰囲気を和らげたりしてくださいます。また,ときには,悪いクセの見本を面白おかしく,もののみごとに演じてみせてくださいます。これがまた絶品です。みんな腹をかかえて大笑い。そうしておいて,つまり,こころもからだも緊張から解き放たれたところで,「はい,もう一度,24式を」と指示されます。
李老師という人は不思議な人です。お付き合いが長くなればなるほど,味がでてくる,そういうお人です。やはり,一道に秀でた人というのは,まずは,人間としてのできが違う,としみじみ思います。晩年になって,師匠も一流,弟子仲間も一流,そういう人たちと週一回,時空をともにすることができる,この巡り合わせにこころから感謝したいと・・・・最近はとくに思うようになりました。
李自力老師の「16周年」を,そういうもろもろの感謝の気持を籠めて,どこかでセットしたい,としみじみ思う,今日の稽古でした。老師,謝謝。
めずらしく稽古の途中で,汗をふきなさい,水分も補給して,と李老師から指示がでました。でも,わたしのからだからは汗がほとんどでていません。むかしから夏でもあまり汗をかくことはありませんでした。そういう体質でした。が,みなさんの汗をみていると,やはり,いまのわたしのからだは普通ではないなぁ,とちょっぴり不安。でも,からだが水分を要求していないのだから,これでいいのだ,とみずからを納得させています。
でも,昼食のときにはサービスの水がとてもおいしかったので,お変わりしました。これで,まあ,ふつうかなぁ,と少し安心。と,突然,「今日,8月20日で,わたしの日本滞在は満16年になります。北京で暮らした時間よりも日本の時間の方が長くなりました。故郷の昆明には19歳までいましたので,まもなく昆明よりも日本の生活の方が長くなります」と,李老師。
みんなびっくり。ああ,そうですか,と。時間が経つのは早いものですねぇ,と。じゃあ,一度,どこかのタイミングで「暑気払い」をしながらお祝いをしましょう,とこれはわたしのこころの内。そういえば,兄弟弟子のNさんも定年一年前に退職して私学に転職。ことしになって訳本(『聖なるものの刻印』,以文社)も単著(『アフター・フクシマ・クロニクル』,ぷねうま社)も出版していらっしゃいますので,そちらのお祝いも兼ねて・・・とわたしのこころの内。弟弟子のMさんも,精力的に訳本を刊行。最近では,猫がらみの翻訳『猫の音楽』(勁草書房)もでて,新境地を披瀝されています。妹弟子のKさんは,能面アーティストを名乗りながら,最近では能面の絵に開眼。こちらも精力的に描きつづけていらっしゃいます(Kさんのブログに公開中)。もう一人の弟弟子は,心機一転,減量に成功。最近は,自転車で稽古場までやってきます。汗びっしょりかきながら,とてもいい表情になってきました。少し明るくなったということか。最後は,わたしのからだ。大事にいたることもなく,なんとかことなきをえようとしているように感じられます。で,まずは,みんなひっくるめて,「暑気払い」を,と考えた次第です。
それにしても李老師の16年間。日本武術太極拳連盟のナショナル・チームのコーチとして招聘され,この長きにわたる功績。このことは,なによりも,李老師の人格者としての素晴らしさ,そして太極拳に関する識見の深さ,すばらしい指導力,加えていまも現役として表演をなさるその実力が高く評価されてきた,それらのトータルの評価以外のなにものでもありません。さらには,日中太極拳交流の架け橋としての実績。その間,大学院に入学し,苦労して論文の書ける日本語を習得。そして,立派な博士論文『日中太極拳交流史』を書き上げ,すぐに単行本として刊行もされました。これは名著です。わたしもドクター・ファーザーとして,少なからずお手伝いをさせていただきましたので,その内容のレベルの高さは承知しています。こんごも長く古典として生き残る立派なご著書と言って過言ではありません。その後も,中国で開催される太極拳に関する研究会やシンポジウムには,なくてはならない存在として,毎回のように招聘されていらっしゃいます。そして,これからの太極拳の行方についても深い洞察をなさっていらっしゃいます。
この李老師の博士論文が完成し,論文審査が終わってから,わたしは恐るおそる太極拳の弟子入りを申し出ました。もちろん,李老師はこころよくお引き受けくださいました。そのときに,わたし一人だけではもったいないと思い,Nさんをお誘いしました。それから,まもなく10年になろうとしています。その間にいろいろの人の出入りがありました。が,なんとなく,いまのメンバーに定着しました。でも,来年4月には仲間に入れてほしいという人もいらっしゃって,それも楽しみの一つになっています。そうだ,こちらも李老師への感謝の意を籠めて,「暑気払い」のプログラムの中に加えることにしよう。
考えてみれば,わたしたちの太極拳仲間は,ほとんど飲み会なるものをしたことがありません。別に嫌いなわけではないのですが,なんとなく,それぞれにご多忙で,やるべき仕事が山ほどある人ばかりです。ですから,それとなく,忘年会も,打ち上げも,なにもしないままできてしまいました。が,そろそろ,そういうこともいいではないか,という心境になってきました(これは,わたしひとりだけかもしれませんが)。
お断りしておきますが,週一回の稽古の時間は,みんな真剣そのものです。まったく手抜きなしで,全力投球をしています。そのピーンと張りつめた雰囲気がまたたまりません。一流の仕事をなさっている人たちが放つ,なんともいえないオーラのようなものを感じます。それらが一つになったときの快感はまた特別のものです。
最近では,李老師が,この緊張感を解き放つかのように「リラックス,リラックス」を連発されます。ときには,みずからジョークを飛ばして雰囲気を和らげたりしてくださいます。また,ときには,悪いクセの見本を面白おかしく,もののみごとに演じてみせてくださいます。これがまた絶品です。みんな腹をかかえて大笑い。そうしておいて,つまり,こころもからだも緊張から解き放たれたところで,「はい,もう一度,24式を」と指示されます。
李老師という人は不思議な人です。お付き合いが長くなればなるほど,味がでてくる,そういうお人です。やはり,一道に秀でた人というのは,まずは,人間としてのできが違う,としみじみ思います。晩年になって,師匠も一流,弟子仲間も一流,そういう人たちと週一回,時空をともにすることができる,この巡り合わせにこころから感謝したいと・・・・最近はとくに思うようになりました。
李自力老師の「16周年」を,そういうもろもろの感謝の気持を籠めて,どこかでセットしたい,としみじみ思う,今日の稽古でした。老師,謝謝。
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