数年前のある日,突然,見知らぬ人からメールが入ってきました。わたしの知らない人(女性名)がわたしのメール・アドレスを知っているのはどうしてか。しかも,メールの見出しは「お願い」とある。これはよくある「ピッキング」か,危ない系の女性からのメールではないか,と疑う。しばらく考えたのち,女性の名前がごくふつうにあるものだったので,思い切って開いてみた。
すると,「けんちく体操」を考案し,その普及に務めている人たちをサポートしているあるイベント屋さんからのメールだった。内容は,「けんちく体操」の考案者とその普及に携わっている人たちとのトーク・イベントとワークショップに参加してほしい,とのこと。しかも,相当に詳しくわたしのことを調べたようで,体操の専門家という立場だけではなく,スポーツ文化論の専門家としても発言していただきたい,とある。おやおや,である。
それから慌てて「けんちく体操」を検索して,ことの次第のあらましを把握。なるほど,そういうことであったか,と納得できたので,OKの返信メールを送信。すると,すぐに応答があり,さらに詳しい情報を送ってくれた。それによると,東京江戸博物館に勤務する米山勇さんという建築史家が,博物館にやってきた子どもたちに建築の面白さを知ってもらい,関心をもってもらうためのなにかいい方法はないものかと考えた末にこの「けんちく体操」を思いついた,ということでした。なるほど,なるほど,と納得。
そのときの情報によれば,「けんちく体操」にかかわっているメンバーは以下のとおりです。
チームけんちく体操
米山 勇:けんちく体操博士,建築史家,東京都江戸東京博物館研究員
高橋英久:けんちく体操マン1号,東京都江戸東京博物館学芸員
田中元子:けんちく体操ウーマン1号,ライター/mosaki
大西正紀:けんちく体操マン2号,編集者/mosaki
以上の4名。
上の写真は,イベント会場で売っていたDVDの表紙です。「けんちく体操」なるものがどういうものなのかが,一目でわかると思います。そうなんです。自分のからだで建築の形態を模写するという,ただそれだけのものです。複雑な建築は何人もの人が集まって,それらしき形態を人間のからだで模写します。とても簡単なものです。しかし,実際にやってみると,人に見られているということと,一定時間静止してそのポーズを保たなければなりません。すると,意外にからだには大きな負担となって跳ね返ってきます。場合によっては,ふだんすることのないポーズをとらなくてはならないこともあります。場合によっては,翌日には筋肉痛が起きたりします。
トーク・イベントはまずまず楽しく展開。ただ,体操の本来の目的からすれば,やや逸脱しているが,結果的にからだの発育・発達に役立つという点では体操の範疇に入れてもいいのではないか,と思います,と発言したときは「どん引き」されてしまいましたので,あわてて「しかし,体操というこれまでの概念に風穴を開けるという意味では画期的な試みであり,21世紀の新しい体操の道を開いていく可能性を秘めているように思います」ととなりして,なんとかその場をとりつくろいました。が,わたしの認識が甘く,博物館にやってくる小中学生相手のアトラクションのようなものとしてこれが行われていると思っていたら,当事者たちは「これを学校現場でやってもらえるように,すでに,巡業に歩いていて,どこに行っても好評です」と仰る。ああ,そうなんだ,と再認識したことを記憶しています。
その「けんちく体操」が,8月30日の東京新聞夕刊の一面トップの記事になっているのを見て,びっくり仰天。えーっ?!そうか,海外で人気を集めているんだ・・・・と。日本国内では,一時,話題になったことはありますが,その後,とんと耳にしませんでしたので,どうなってしまったのかな,とは思っていました。それが,突然,こういう見出しで復活です。
驚いて記事を読んでみますと,なるほど外国では受けるんだ,とこれまた納得。しかし,たぶん,「けんちく体操」としてではなく,その場の余興やものまねや一発芸の類として受け入れられたのではないか,とこれはわたしの類推。いずれにしても,わかりやすく面白いことは間違いありません。加えて,けんちくウーマン1号の田中元子さんの英語能力の高さも大きく貢献しているのだろうなぁ,とこれもわたしの推測。田中さんのあのはきはきとした性格と,相手を引きつける力は尋常ではありません。きっと,行くさきざきで人気者になっていたのではないか,と思います。
さて,世界に飛び立った「けんちく体操」の行方やいかに・・・・といったところ。意外にも海外で大きな人気を博し,ふたたび日本に逆輸入なんてことが起きるかもしれないなぁ,と思ったりしています。いずれにしても,とてもメデタイことです。
こんごを楽しみにしたいと思います。
すると,「けんちく体操」を考案し,その普及に務めている人たちをサポートしているあるイベント屋さんからのメールだった。内容は,「けんちく体操」の考案者とその普及に携わっている人たちとのトーク・イベントとワークショップに参加してほしい,とのこと。しかも,相当に詳しくわたしのことを調べたようで,体操の専門家という立場だけではなく,スポーツ文化論の専門家としても発言していただきたい,とある。おやおや,である。
それから慌てて「けんちく体操」を検索して,ことの次第のあらましを把握。なるほど,そういうことであったか,と納得できたので,OKの返信メールを送信。すると,すぐに応答があり,さらに詳しい情報を送ってくれた。それによると,東京江戸博物館に勤務する米山勇さんという建築史家が,博物館にやってきた子どもたちに建築の面白さを知ってもらい,関心をもってもらうためのなにかいい方法はないものかと考えた末にこの「けんちく体操」を思いついた,ということでした。なるほど,なるほど,と納得。
そのときの情報によれば,「けんちく体操」にかかわっているメンバーは以下のとおりです。
チームけんちく体操
米山 勇:けんちく体操博士,建築史家,東京都江戸東京博物館研究員
高橋英久:けんちく体操マン1号,東京都江戸東京博物館学芸員
田中元子:けんちく体操ウーマン1号,ライター/mosaki
大西正紀:けんちく体操マン2号,編集者/mosaki
以上の4名。
上の写真は,イベント会場で売っていたDVDの表紙です。「けんちく体操」なるものがどういうものなのかが,一目でわかると思います。そうなんです。自分のからだで建築の形態を模写するという,ただそれだけのものです。複雑な建築は何人もの人が集まって,それらしき形態を人間のからだで模写します。とても簡単なものです。しかし,実際にやってみると,人に見られているということと,一定時間静止してそのポーズを保たなければなりません。すると,意外にからだには大きな負担となって跳ね返ってきます。場合によっては,ふだんすることのないポーズをとらなくてはならないこともあります。場合によっては,翌日には筋肉痛が起きたりします。
トーク・イベントはまずまず楽しく展開。ただ,体操の本来の目的からすれば,やや逸脱しているが,結果的にからだの発育・発達に役立つという点では体操の範疇に入れてもいいのではないか,と思います,と発言したときは「どん引き」されてしまいましたので,あわてて「しかし,体操というこれまでの概念に風穴を開けるという意味では画期的な試みであり,21世紀の新しい体操の道を開いていく可能性を秘めているように思います」ととなりして,なんとかその場をとりつくろいました。が,わたしの認識が甘く,博物館にやってくる小中学生相手のアトラクションのようなものとしてこれが行われていると思っていたら,当事者たちは「これを学校現場でやってもらえるように,すでに,巡業に歩いていて,どこに行っても好評です」と仰る。ああ,そうなんだ,と再認識したことを記憶しています。
その「けんちく体操」が,8月30日の東京新聞夕刊の一面トップの記事になっているのを見て,びっくり仰天。えーっ?!そうか,海外で人気を集めているんだ・・・・と。日本国内では,一時,話題になったことはありますが,その後,とんと耳にしませんでしたので,どうなってしまったのかな,とは思っていました。それが,突然,こういう見出しで復活です。
驚いて記事を読んでみますと,なるほど外国では受けるんだ,とこれまた納得。しかし,たぶん,「けんちく体操」としてではなく,その場の余興やものまねや一発芸の類として受け入れられたのではないか,とこれはわたしの類推。いずれにしても,わかりやすく面白いことは間違いありません。加えて,けんちくウーマン1号の田中元子さんの英語能力の高さも大きく貢献しているのだろうなぁ,とこれもわたしの推測。田中さんのあのはきはきとした性格と,相手を引きつける力は尋常ではありません。きっと,行くさきざきで人気者になっていたのではないか,と思います。
さて,世界に飛び立った「けんちく体操」の行方やいかに・・・・といったところ。意外にも海外で大きな人気を博し,ふたたび日本に逆輸入なんてことが起きるかもしれないなぁ,と思ったりしています。いずれにしても,とてもメデタイことです。
こんごを楽しみにしたいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿