このところずっと根を詰めた仕事がつづいていましたので,それが一区切りついたところで,今日(5日)は映画を見てきました。あのホーキング博士の自伝映画「博士と彼女のセオリー」です。原題は,The theory of Everything. こちらの方が,この宇宙の真理(セオリー)をできるだけ簡単な公式(数式)で表現したいと情熱を傾けた宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士の思いの籠もったタイトルになっています。
しかし,映画をみたあとの感想からすれば,日本語訳の「博士と彼女のセオリー」の方が名訳です。この映画は,長年かけてホーキング博士を口説き,博士の了解のもとでシナリオが完成し,撮影も行われた,とこれはネット情報です。映画の主題は二つあって,一つは,文字どおりホーキング博士の偉大なる業績の足どりをたどるもの=こちらは宇宙のセオリー,もう一つは,恋をし,妻となり,友人となった彼女の生き方のセオリー=「彼女のセオリー」,です。原題の「Everything 」はこの二つを併せ持つ意味が籠められているようです。
映画をみた印象としては,宇宙物理学上の業績については比較的軽く扱われており,逆に比重をかけて,丁寧に描写されたのは「博士と彼女」の微妙な恋人・妻・友人へと変化していくこころの移り変わりでした。
若き日の,運動好きのホーキング青年(自転車,ボート,クロッケー,など)は,思いのままに青春を謳歌しながらも,数学にも破格の才能を発揮し,ケンブリッジ大学に進学します。そこで,「彼女」と出会い,恋に落ちます。その一方で,ここでも数学の天才ぶりを発揮し,将来を嘱望され,博士論文にとりかかります。その途中で突然の発作に襲われ,キャンパスの中を歩いていて倒れます。運動神経麻痺症と診断され,頭脳のはたらきはそのまま残るものの,全身の運動神経系はどんどん衰えていき,やがて全身が衰弱していくと医師から告げられ,余命2年を宣告されてしまいます。
これを聞いた「彼女」はスティーブン(ホーキング博士の名前)に寄り添い,ともに病と闘う決意をし,結婚します。幸いにもスティーブンの命は先送りされ,3人もの子宝に恵まれます。スティーブンの仕事(研究)も順調に進み,スティーブン・ホーキンス博士の名はあっという間に世界に知られ,著名人になっていきます。でも,運動神経系は着実に衰えていき,生活上の負担分はすべて「彼女」にのしかかっていきます。こうして,「彼女」は,みずからの博士論文と子育てと夫の介護という苛酷な日常に耐えられなくなっていきます。ここからドラマは大きく動きはじめます。
このさきが,この映画のクライマックスに相当する部分ですので,映画をみていただきたいとおもいます。抽象的な言い方をしておけば,夫婦とはいえ,「男と女」の関係が希薄になるにつれ,微妙なすれ違いが起きてきます。それを察知したスティーブンは「彼女」の気持を尊重しながら,つぎのステージに進んでいきます。この辺りの描写はじつによくできていると感動しました。
実写をみたホーキング博士自身も「涙を流した」と伝えられています。
スティーブン・ホーキング博士は,いま72歳で,健在(?)です。素晴らしい介護者に支えられて。
まさに数奇な人生というほかはありません。
がしかし,この映画をみて,わたしたちはなにを受け止めるのか,それはたぶん個人差があろうとおもいます。わたし自身は正直に告白しておけば,人生はどこまでいっても「男と女」の関係性から解き放たれることはない,というごく当たり前の真実でした。生身で生きる動物性を否定することはできない,という大前提をもっともっと重視すべきだ,とホーキング博士みずからが強く主張しているという点が,こころの奥深くに突き刺さりました。
とてもいい映画でした。
しかし,映画をみたあとの感想からすれば,日本語訳の「博士と彼女のセオリー」の方が名訳です。この映画は,長年かけてホーキング博士を口説き,博士の了解のもとでシナリオが完成し,撮影も行われた,とこれはネット情報です。映画の主題は二つあって,一つは,文字どおりホーキング博士の偉大なる業績の足どりをたどるもの=こちらは宇宙のセオリー,もう一つは,恋をし,妻となり,友人となった彼女の生き方のセオリー=「彼女のセオリー」,です。原題の「Everything 」はこの二つを併せ持つ意味が籠められているようです。
映画をみた印象としては,宇宙物理学上の業績については比較的軽く扱われており,逆に比重をかけて,丁寧に描写されたのは「博士と彼女」の微妙な恋人・妻・友人へと変化していくこころの移り変わりでした。
若き日の,運動好きのホーキング青年(自転車,ボート,クロッケー,など)は,思いのままに青春を謳歌しながらも,数学にも破格の才能を発揮し,ケンブリッジ大学に進学します。そこで,「彼女」と出会い,恋に落ちます。その一方で,ここでも数学の天才ぶりを発揮し,将来を嘱望され,博士論文にとりかかります。その途中で突然の発作に襲われ,キャンパスの中を歩いていて倒れます。運動神経麻痺症と診断され,頭脳のはたらきはそのまま残るものの,全身の運動神経系はどんどん衰えていき,やがて全身が衰弱していくと医師から告げられ,余命2年を宣告されてしまいます。
これを聞いた「彼女」はスティーブン(ホーキング博士の名前)に寄り添い,ともに病と闘う決意をし,結婚します。幸いにもスティーブンの命は先送りされ,3人もの子宝に恵まれます。スティーブンの仕事(研究)も順調に進み,スティーブン・ホーキンス博士の名はあっという間に世界に知られ,著名人になっていきます。でも,運動神経系は着実に衰えていき,生活上の負担分はすべて「彼女」にのしかかっていきます。こうして,「彼女」は,みずからの博士論文と子育てと夫の介護という苛酷な日常に耐えられなくなっていきます。ここからドラマは大きく動きはじめます。
このさきが,この映画のクライマックスに相当する部分ですので,映画をみていただきたいとおもいます。抽象的な言い方をしておけば,夫婦とはいえ,「男と女」の関係が希薄になるにつれ,微妙なすれ違いが起きてきます。それを察知したスティーブンは「彼女」の気持を尊重しながら,つぎのステージに進んでいきます。この辺りの描写はじつによくできていると感動しました。
実写をみたホーキング博士自身も「涙を流した」と伝えられています。
スティーブン・ホーキング博士は,いま72歳で,健在(?)です。素晴らしい介護者に支えられて。
まさに数奇な人生というほかはありません。
がしかし,この映画をみて,わたしたちはなにを受け止めるのか,それはたぶん個人差があろうとおもいます。わたし自身は正直に告白しておけば,人生はどこまでいっても「男と女」の関係性から解き放たれることはない,というごく当たり前の真実でした。生身で生きる動物性を否定することはできない,という大前提をもっともっと重視すべきだ,とホーキング博士みずからが強く主張しているという点が,こころの奥深くに突き刺さりました。
とてもいい映画でした。
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