2015年9月10日木曜日

昨夜の激しい雨のなかの抗議集会。日比谷野外音楽堂,そして,デモ。

 関東地方から北に伸びた雨雲によって,茨城,栃木,などに大量の雨を降らせ,各地で大きな災害をもたらしています。鬼怒川(常総市)では堤防が決壊し,つぎつぎに家屋が流され,必死のヘリコプターによる救助活動が展開されている,とさきほどのニュースで知りました。

 東京でも昨日は激しい雨でした。太極拳の稽古に向かう,ほんのわずかな距離を歩くだけなのに,ズボンの膝下までびっしょり濡れてしまうほどでした。この雨は断続的に一日中,降りつづきました。夕刻になって,小降りになってくれることを期待していましたが,とうとう雨足が弱まることはありませんでした。

 <戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会>が発表している抗議行動の日程によりますと,このところ毎日,抗議行動が組まれています。ついに,9月10日(木)からは国会前座り込み抗議(13:00~17:00)が組まれ,その上に,18:30からは国会前抗議集会が,連日,組まれています。

 昨日(9日)は,18:30~,日比谷野外音楽堂で抗議集会が開かれ,そのあと,銀座と国会に分かれてデモを行う,ということになっていました。ですから,この集会とデモにはなんとか参加したいと考えていました。そのために,午睡までとって体調を整えていました。

 雨も小降りになってきたので,そろそろでかけようかと考えていたら,突然,篠つくような雨が降り始めました。しばらく様子をみていましたが,この降り方は尋常ではないと考え,でかけるのを取りやめることにしました。

 体調はかなりもどってきていますので,少々の雨なら大丈夫と考えていましたが,この雨では駄目だと諦めました。相当の雨対策をしていかないことには,全身,びしょ濡れになることは間違いありません。びしょ濡れになって,からだが冷えてきても大丈夫,というほどには体調はもどっていません。ここは残念ながら,大事をとって見送ることにしました。

 深夜になって,SNSで情報(毎日新聞,23時30分,最終更新)を確認してみましたら,予想どおり日比谷でも激しく雨が降ったこと(写真もあり),みんなびしょ濡れになっていたこと,にもかかわらず,5,500人(主催者発表)が集まった,報じていました。

 別の情報によれば,メイン・ゲストの人たちは早めに引き揚げたようですが,会場を埋めつくした人びとは最後まで,熱心にリレー・スピーチに耳を傾け,シュプレヒ・コールに元気よく応答していたとのことです。しかも,激しく降りしきる雨に濡れながら・・・・。

 この天候の悪条件のなか,集まった5,500人という数は,わたしの想定外でした。この雨では,わたしのような行きたいとおもっていても二の足を踏んでしまう人が続出するに違いない,それでも押し切ってでかける元気のいい人たちとなれば,かなり限定されてしまうだろうなぁ,と天候を恨んでいました。

 にもかかわらず,5,500人です。この数は尋常ではありません。なにがなんでも,戦争法案を廃案にするまでは,からだを張って抗議するのだ,という強い決意の人たちの集団です。あの激しい雨さえ降らなければ,この3倍も4倍もの人たちが集まったに違いありません。そういう重みのある5、500人だとおもいます。

 こういう国民の決然たる意思表明が,残念ながら,いまのアベ政権には直接にはとどきません。しかし,眼にみえないところで,カウンター・ブローとなって,相当のダメージを与えていることは間違いありません。必死で「無視」を決め込み,素知らぬ顔をしながらも,こころの中は穏やかではないはずです。

 たとえば,このところ株価が下落しつづけているとのこと。それも,日本の株価だけは世界的な株価の動向とは異なる動き方をしている,と。中国の経済不況が世界の株価に大きな影響を及ぼしていて,それによって株価が乱高下しているけれども,日本だけは,日本一国だけは,それと関係なく,ただ,ひたすら下落をつづけている,といいます。その理由に,アベノミクス(あるいは,安倍政権)に対する国際的な不信感があること,そして,SEALDsなどの若者たちが反政府活動を展開し,全国的な広がりをみせていることが大きい,としています。

 日本はいまや一枚岩ではない,やがて政権はひっくり返る,と国際社会がみているというのです。わこしたちの地道な抗議行動が,即効的な効果をもたないまでも,じわじわと意外なところで力を発揮しているようです。

 かつての全共闘運動が,完全なる「敗北」であったかのような論評がなされてきましたが,よくよく考えてみると,その後の自民党政権の「手堅さ」を引き出し,こんにちまで曲がりなりにも「平和」な社会を維持してこれたのではないか,という声を聞きます。

 ですから,いま,展開しているSEALDsの活動も,けして無駄にはならないどころか,まったく新しい日本を再生させる大きな原動力になる,とわたしは信じています。かれらの運動は,けして一過性のものではなく,遠く日本の未来を見据えています。「わたし個人の未来よりも,日本の未来の方が重要です」と言い切るスピーチを聞いて,わたしは涙しました。

 かれらは本気です。そういうかれらの純粋な情念に,わたしたち大人が眼を覚まさせられた,というのがわたしの本音です。この覚悟を,いまこそ持とう,とかれらの集会に行くたびに反省させられます。なんという若者たちか,とこころからエールを送りたいとおもいます。

 激しい雨のなかの5,500人。明日,金曜日の国会前集会(18:30~)には,どうか雨だけは降らないでほしい。わたしのような病み上がりの老人のためにも。16日まで,どうか雨だけは降らないように,と祈るばかりです。

 こういう抗議行動があった,という事実をのちのちの政権にしっかりと認識させるためにも・・・・。  

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