今日(9日)の参議院本会議で「労働者派遣法改正案」(じつは「改悪案」)が自民・公明の多数で可決されました。これで労働者は経営者の思いのままに,「雇う」も「雇止め」も自由自在というわけです。経営者は大はしゃぎ。労働者は涙。
昨日(8日)の委員会審議では,傍聴していた派遣労働者が涙を流し,一時,騒然となったといいます。そして,自民党の議員が,「さっさとつまみ出せ!」と怒鳴ったそうです。これが,現在の自民党の姿を如実にあらわしています。邪魔な者はさっさと排除してしまえ,というわけです。みんなアベ君を見習って,尋常な人間ではなくなってしまっているようです。
弱い立場の労働者が使い捨てにすることを合法化する,この「悪法」がとうとう現実のものになってしまいました。この結果がどうなるのか。
わたしの結論をさきに言っておきましょう。この法律は自衛隊員を確保するための悪魔のマジックです。それを拒否するまじめな若者は自殺してしまいます。あるいは,だれでもいいから殺したい,という衝動にかられる自暴自棄の人間を増産することになります。
もちろん,これは言い過ぎです。でも,こういう方向に大きく道を開くものだ,ということは間違いないとおもいます。なぜ,このような不安をわたしが抱くのか,その理由をかんたんに述べておきたいとおもいます。
ひとつは,いまの学生さんの多くは奨学金を貸与してもらいながら勉学に勤しんでいます。すると,卒業時には,500万円前後の借金を背負うことになります。大学院などに行けば,もっとその額は大きくなります。すると,卒業後,正社員として雇用されたとしても,毎月,相当の額の返済が必要になってきます。それが,運悪く非正規社員として働かなくてはならなくなった人は,もっと大きな負荷がかかってきます。場合によっては,奨学金返済のために,生活が成り立たなくなってしまう人も少なくないでしょう。こうして,多くの若者たちが夢も希望も失ってしまう,という最悪の状態が待ち構えています。
そういう若者は自衛隊にいらっしゃい,というわけです。そうすれば,奨学金返済免除,仕送りができるほどの給料と手当てを用意していますよ,と。
ふたつには,日本の非正規社員の待遇が劣悪な情況にある,ということです。国連の社会権規約委員会の見解によりますと,日本の最低賃金は「最低生存水準を下回っている」,ということです。そして,そこに提示されている非正規社員(パート,など)の一時間あたりの賃金は,文明国のなかにあっては「ぶっちぎりの世界ワースト1」だということです。
たとえば,日本のパートは正社員の半分にも満たない,とのこと。スイスやスウェーデンでは90%,悪くても60%以上は確保されている,というのです。実際に,最低賃金を比較してみますと,以下のとおりです。
フランス 9.43ユーロ(約1,311円)
イギリス 6.31ポンド(約1,055円)
アメリカ 8ドル(約818円)
ドイツ 8.5ユーロ(約1,181円)
これに比べて,日本は600円です。驚くべきことに,アメリカが低賃金である,ということです。それは,貧乏人の若者たちを軍隊に志願させるための,恐るべき装置として機能させている・・・このことは,すでに,よく知られているとおりです。そして,日本もアメリカに倣え,というわけです。困ったら自衛隊に行け,というわけです。
そのための労働者派遣法改正案というわけです。すなわち,恐るべき「改悪案」そのものです。
それでも,親に資産があって,子どもを支援することができる場合には,なんとかしのぐことができます。が,そうではない若者はどうすればいいのでしょうか。そして,どうしても自衛隊にだけは行きたくない,という平和主義者は,行くところがありません。ひたすら,非正規社員として,どん底の生活に耐えるしかありません。それにも限度があります。
その結果,自殺者の多発という事態が待ち構えています。真面目な若者ほど,この方向に向かう傾向があるといいます。
その自殺者の数も,どうやらコントロールされているらしい。ここ10年ほど,連続して3万人超がつづいていて,マスコミがなにかと問題にしています。しかし,実際には,少なくとも11万人いることは確実だ,といいます。日本の変死者数は15万人。WHOはその半分を自殺者としてカウントするそうです。となると,この15万人の半数と,自殺者の3万人を加えて,約11万人。実際には,もっと多いのではないか,と考えられています。
自殺とは逆のベクトルの自暴自棄路線に走ると,こんどは「殺人」です。「だれでもいいから殺したかった」という事件が,年々,増加傾向にあります。
そうした土壌をますます増大させる法律,それが「労働者派遣法改正案」。すなわち「改悪案」。
この法律は,戦争法案とセットです。65%もの国民が反対している戦争法案がとおってしまえば,そのあとに待ち構えているものは「地獄」以外にありません。
このさきの「地獄」から脱出するには,つぎの選挙で,徹底的に自民・公明両党の候補者に厳しい批判の眼を向けることです。その上で,投票行動でみずからの意思を表明することです。それ以外にはありません。
昨日(8日)の委員会審議では,傍聴していた派遣労働者が涙を流し,一時,騒然となったといいます。そして,自民党の議員が,「さっさとつまみ出せ!」と怒鳴ったそうです。これが,現在の自民党の姿を如実にあらわしています。邪魔な者はさっさと排除してしまえ,というわけです。みんなアベ君を見習って,尋常な人間ではなくなってしまっているようです。
弱い立場の労働者が使い捨てにすることを合法化する,この「悪法」がとうとう現実のものになってしまいました。この結果がどうなるのか。
わたしの結論をさきに言っておきましょう。この法律は自衛隊員を確保するための悪魔のマジックです。それを拒否するまじめな若者は自殺してしまいます。あるいは,だれでもいいから殺したい,という衝動にかられる自暴自棄の人間を増産することになります。
もちろん,これは言い過ぎです。でも,こういう方向に大きく道を開くものだ,ということは間違いないとおもいます。なぜ,このような不安をわたしが抱くのか,その理由をかんたんに述べておきたいとおもいます。
ひとつは,いまの学生さんの多くは奨学金を貸与してもらいながら勉学に勤しんでいます。すると,卒業時には,500万円前後の借金を背負うことになります。大学院などに行けば,もっとその額は大きくなります。すると,卒業後,正社員として雇用されたとしても,毎月,相当の額の返済が必要になってきます。それが,運悪く非正規社員として働かなくてはならなくなった人は,もっと大きな負荷がかかってきます。場合によっては,奨学金返済のために,生活が成り立たなくなってしまう人も少なくないでしょう。こうして,多くの若者たちが夢も希望も失ってしまう,という最悪の状態が待ち構えています。
そういう若者は自衛隊にいらっしゃい,というわけです。そうすれば,奨学金返済免除,仕送りができるほどの給料と手当てを用意していますよ,と。
ふたつには,日本の非正規社員の待遇が劣悪な情況にある,ということです。国連の社会権規約委員会の見解によりますと,日本の最低賃金は「最低生存水準を下回っている」,ということです。そして,そこに提示されている非正規社員(パート,など)の一時間あたりの賃金は,文明国のなかにあっては「ぶっちぎりの世界ワースト1」だということです。
たとえば,日本のパートは正社員の半分にも満たない,とのこと。スイスやスウェーデンでは90%,悪くても60%以上は確保されている,というのです。実際に,最低賃金を比較してみますと,以下のとおりです。
フランス 9.43ユーロ(約1,311円)
イギリス 6.31ポンド(約1,055円)
アメリカ 8ドル(約818円)
ドイツ 8.5ユーロ(約1,181円)
これに比べて,日本は600円です。驚くべきことに,アメリカが低賃金である,ということです。それは,貧乏人の若者たちを軍隊に志願させるための,恐るべき装置として機能させている・・・このことは,すでに,よく知られているとおりです。そして,日本もアメリカに倣え,というわけです。困ったら自衛隊に行け,というわけです。
そのための労働者派遣法改正案というわけです。すなわち,恐るべき「改悪案」そのものです。
それでも,親に資産があって,子どもを支援することができる場合には,なんとかしのぐことができます。が,そうではない若者はどうすればいいのでしょうか。そして,どうしても自衛隊にだけは行きたくない,という平和主義者は,行くところがありません。ひたすら,非正規社員として,どん底の生活に耐えるしかありません。それにも限度があります。
その結果,自殺者の多発という事態が待ち構えています。真面目な若者ほど,この方向に向かう傾向があるといいます。
その自殺者の数も,どうやらコントロールされているらしい。ここ10年ほど,連続して3万人超がつづいていて,マスコミがなにかと問題にしています。しかし,実際には,少なくとも11万人いることは確実だ,といいます。日本の変死者数は15万人。WHOはその半分を自殺者としてカウントするそうです。となると,この15万人の半数と,自殺者の3万人を加えて,約11万人。実際には,もっと多いのではないか,と考えられています。
自殺とは逆のベクトルの自暴自棄路線に走ると,こんどは「殺人」です。「だれでもいいから殺したかった」という事件が,年々,増加傾向にあります。
そうした土壌をますます増大させる法律,それが「労働者派遣法改正案」。すなわち「改悪案」。
この法律は,戦争法案とセットです。65%もの国民が反対している戦争法案がとおってしまえば,そのあとに待ち構えているものは「地獄」以外にありません。
このさきの「地獄」から脱出するには,つぎの選挙で,徹底的に自民・公明両党の候補者に厳しい批判の眼を向けることです。その上で,投票行動でみずからの意思を表明することです。それ以外にはありません。
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