2015年9月8日火曜日

なぜNHKは国会中継をしないのか。国民の理解を得る最高の手段なのに・・・・。

  なぜか,NHKが国会中継をやめてしまった。戦争法案審議の最後の詰めの,いちばん大事なときだというのに・・・・。よくも悪くも,広く国民が考え,みずからの理解を深めるためのもっとも重要な「とき」だというのに・・・・。「丁寧に説明する」と約束したアベ君にとっても絶好のチャンスだというのに・・・・。なぜ,やめてしまったのか。

 結論から言っておこう。

 官邸が「勝ち目」がない,「プラスにならない」と判断したからだろう。あの国会討論を聞いていたら,当然だろう。政府がひた隠しにしていた,きわめて重要な「事実」までもが,つぎからつぎへと国会の場であからさまにされ,もはや,答弁不能の事態に追い込まれてしまったからだ。そして,しばしば審議はストップし,そのたびに委員長は理事者を集めて協議。こんな醜態を,官邸としては,もはやこれ以上,国民の前にさらけ出したくはないだろう。支持率がさがるだけだ。

 不利なものには蓋をする。官邸によるみごとなまでの言論統制だ。NHKも「はい,わかりました」とばかりに協力する。それどころか,「自主的に」判断し,「自発的隷従」までする。いまや,完全に,政府自民党の思うがママ,いや,その代弁者そのものである。

 多くの国民が受信料を払っている「公共放送」であることを忘れている。もっと厳密な意味での公正中立の立場に立ち,いま,進行中の重要な案件の情報をありのまま放送すべきである。その意味で,国会中継は,もっとも公正中立な「生放送」だ。ことの善悪は,視聴している国民が判断すればいい。それが民主主義の大原則だ。

 官邸は,戦争法案の,これ以上の審議は「負け戦」だと判断したに違いない。だから,一刻も早く打ち切りたい。そして,「十分審議は尽くした」と嘯いて,強行採決のチャンスをうかがっている。そのなによりの証拠が,国会中継の中止である。うやむやのうちに,なし崩し的に,法案成立の「事実」だけを残せばそれでいい,と判断しているようだ。高村副総裁の発言(国民が反対しても法案は通す)がそれを裏づけている。

 9月6日に名古屋で開催された「国会議員に聴こう」という戦争法案についてのシンポジウムでも,野党各党代表の議員は出席したが,自民党と公明党の議員さんは欠席。ここでも戦争法案を正当化し,国民の前で説得するだけの根拠がもはやなにもない,ということを実証してしまっている。もし,どうしても国民を説得する必要がある,そして,国民の支持を得たいという意思があれば,なにをおいてもここにやってきてみずからのよって立つ根拠を主張すべきではないか。しかし,それがもはやできないところにまで追い込まれてしまっているのだ。しかも,そのことを「自覚」してもいる。にもかかわらず強行採決を虎視眈々と狙っている。

 戦争法案の審議・議論に関して,こんな最悪の終末局面を迎えている以上,とりあえずは,「廃案」にして,仕切り直しをするのが良識というものだ。そして,選挙公約に憲法改正を掲げ,その禊ぎを経てから法案を提出する,これがスジというものだ。こんな判断すら,もはやできない,最悪の状態に政権与党は陥ってしまっている。

 しかも,アベ君は「裸の王様」。とりまきの議員は,みんな「裸」であることを承知の上で,「自発的隷従」。そして,運命共同体。総裁選挙も一致団結して「無投票」に。全派閥が結束して(大臣ポスト欲しさに),野田聖子立候補の突き崩しに対抗した。ここに断末魔の自民党の姿をみる。いよいよ重症患者の態をなしてきた。

 さて,いつ,どこで,どのようにして自民党の「崩壊劇」がはじまるのか,それこそわれわれ国民の「力」の見せどころだ。その「力」を結集するのはいつか,「いまでしょう」。

 NHKの国会中継を力づくで中止させた政府自民党って「気色悪いよね」。アベの「顔もみたくないよね」。一刻もはやく「お引き取りを」。「ア・ベ・ハ・ヤ・メ・ロッ ! 」

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