2012年9月26日水曜日

みんなで決めよう「原発」国民投票の活動家の笑顔が美しかった。

 「原発」を国民投票で決めようという運動が,その輪を広げつつあるという話は聞いていた。しかし,実際に,どこで,どのような活動をしているのかは,これまで接点がなかったのでまったく知らなかった。また,マス・メディアはほとんど無視なので知るすべもなかった。もちろん,手をつくせばすぐわかることだが,横着をしていた。

 そうしたら,今日(25日)の夜,鷺沼の事務所から帰宅するとき,溝の口の駅前コンコースで中年のご婦人がひとりで立って,なにやらビラを配布している。少し違う雰囲気を感じたので,それとなく観察しながらとおり過ぎようと思っていたら,その手前4,5mのところで偶然,目が合ってしまった。すると,すーっとわたしのところに近づいてきて,はっきりとした物言いで「原発を国民投票で決めよう」という活動をしています,と言ってビラを渡してくれた。あっ,そうだったのか,とピンとくるものがあった。わたしは歩きながらそのビラを読みはじめた。すると,そのご婦人はあとを追うようにして説明をしはじめた。

 わたしはさきを急いでいたこともあって,「だいたいわかっているつもりです。ありがとう」と軽くお断りした。すると,ちょっと残念そうな顔をされたので,すかさず「運動,ご苦労さまです。感謝しています」と声をかけた。その瞬間,ご婦人の顔は,パッと輝くような笑顔になった。その笑顔がとても美しかった。あっ,喜んでくれたと感じた瞬間,こんどはわたしの方が満面の笑顔になっていた。ほんの1秒にも満たないほどの短い時間であったが,お互いに同じ笑顔になれた,と感じた。

 なにか,とても嬉しかった。見ず知らずの人からビラを受け取り(だいたいは不愉快なことが多い),ちょっとした会話をとおして瞬間とはいえ気持のなにかが通い合った,と思えたことが。こんなことは滅多にあることではない。この都会の殺伐とした砂漠のようなところに住む人間の顔はほとんど死んでいる。お互いにことばを交わすこともない。みんな知らん顔である。もちろん,かく申すわたしとて同じだ。

 通勤帰りの人でごった返す駅前コンコースで,こんな出会いがあるとは夢にも思わなかった。こんな些細なことでもいい。ほんのちょっとしたひとことふたことの会話が成立し,なにかが伝わった瞬間は気持がいいものである。やはり,もっと声に出して話をしてみることが大事なのだ。わかっていてもなかなかできない。それは,店員さんとの会話も同じだ。ちょっとしたユーモアをはさむだけで,とたんに親しさが伝わりはじめる。これからできるだけ努力してみよう。生きていることが楽しくなるように。

 帰宅してからゆっくりとそのビラを読んでみた。ビラは全部で3枚(A4サイズ)あった。そのうち2枚は少し厚手の上質紙にカラーで印刷されていた。しかもみごとなデザインがほどこされている。どういう団体なのだろう?と思って読んでいくと,市民グループ〔みんなで決めよう「原発」国民投票〕事務局とある。ビラの内容も上手につくってあって無駄がない。国民投票が実現した場合の設問(第4次市民案)まで提示してある。そして資金はすべてカンパによっていることもわかる。

 ビラの内容を少しだけ紹介しておくと以下のようである。
 ☆おまかせ民主主義から脱却しよう!
 ☆「原発」国民投票を実現するために・・・・・。
  1.署名をしてください。
  2.会を支え,動かす「賛同人」になってください。
  3.カンパのご協力を。
 そして,署名の仕方,賛同人になる手続,カンパ振り込み先がわかりやすく説明してある。

 賛同人は6月末現在約6,000人とある。そして,著名人の名前が32名ほど紹介されている。その中には谷川俊太郎,辻井喬,藤原新也,山口二郎,宮台真司,吉岡忍,などの名前がみえる。いまは,賛同人の数も,もう少し増えているのだろう。

 もう一枚のビラは,ごくふつうのコピー紙に白黒のコピー。こちらは映画の上映のピラだ。
 「シェーナウの想い」(Das Schoenauer Gefuehl)──ドイツの小さな街の市民の手で電力会社をつくった実話,というドキュメンタリー映画の案内。
 日時:10月6日(土)13:30~
 参加費:無料(カンパ大歓迎)
 場所:カソリック藤沢教会センターホール(藤沢駅から徒歩3分)
 主催:みんなで決めよう「原発」国民投票 神奈川
 こちらは映画の上映後に,さまざまな企画が用意されていて,なかなか勉強になりそう。

 ビラを手渡してくれた,あのご婦人の笑顔が脳裏に深く刻み込まれたせいか,なんとなくカンパしてみようかという気になっている。そして,藤沢まで足を伸ばして,この映画をみてみたいとも思っている。そして,そのあとに企画されている催し物にも顔を出してみようかと思っている。

 これまで部屋に籠もって考えることはやってきたが,そしてデモに参加したりもしてはきたが,地道な長期にわたる活動には手を染めてきてはいない。少しは地に足をつけた活動にも参加すべきではないか,とそんなことを考えはじめている。これがきっかけになるかも・・・・。まずは,現場に立って,からだで感じることからはじめようと思う。

 


2 件のコメント:

竹村匡弥 さんのコメント...

最近、コンビニで買い物をしていて、ダジャレを言ってしまっただによぉ。。。
店のアルバイトの女の子に、無視されてしまっただにぉぉぉ
さみしかっただによ。。。

鹿野隆行 さんのコメント...

ブログに書いていただき、ありがとうございます。神奈川で国民投票の活動をしている、鹿野(しかの)と申します。

このようにチラシを受け取る側の気持ちを読まさせてもらったのは初めてです。

私も溝の口で何度も署名活動をしました。その女性とも、いつも一緒に活動をしています。これからも、街頭での一瞬の出会い、会話を大切に、またイベントでの一人ひとりとの出会いを大切に、活動を続けていきたいと思っています。

シェーナウの上映会、ぜひお待ちしております。

http://kanagawa.kokumintohyo.com/
peinyo@hotmail.com