2012年11月29日木曜日

明日(30日)から神戸へ。講演会,学会とつづきます。

 嘉田由紀子さんによる「日本未来の党」の結成が大きな波紋を呼んでいます。面白いのは,各党の党首たちの狼狽ぶりです。言わずもがなの「批難」を繰り出し,かえって品格を失っているようです。他人を口汚くののしることが,自分の品位を貶めていることに気づいていません。なんと情けない政治家たちなのだろう,としみじみ思います。

 しかし,これでこんどの選挙がにわかに面白くなってきました。

 いまのところ,自民党と日本維新の会が原発推進,ほかはぜんぶ原発ゼロを目指すと言っています。ただし,ここにきて選挙用の,みせかけだけの原発ゼロをかかげている党もありますので,その点は,ご用心を。それにしても,国民の8割が原発ゼロを望んでいるという民意の受け皿はそろいました。ここはなにがなんでも原発ゼロ派で過半数を確保しなくてはなりません。

 12月2日から16日までの2週間は,わたしたちもしっかり覚悟を決めて,各党派の主張に耳を傾け,責任の負える一票を投じたいと思います。

 さて,そんな世の中の喧騒を横目に,わたしは明日から神戸にでかけます。

 明日(30日)の午後2時30分から,神戸市外国語大学三木記念会館で,わたしの講演会が行われます。テーマは「スポーツとはなにか」の連続講演の第3回目で,「グローバル・スタンダードとしての近代スポーツを考える」というものです。一般公開,無料です。毎回,熱心に聞きにきてくださる方もあって,わたしも緊張しています。この講演の下敷きになるのは,以前,西谷修,今福龍太の両氏と共著として世に問うたことのある『近代スポーツのミッションは終わったか』(平凡社刊)です。あれから,すでに,何年も経過していますので,その後の世界情勢の変化も踏まえて,新しい見解を提示したいと考えています。とりわけ,「3・11」後を生きるわたしたちにとって「スポーツとはなにか」を意識して考えてみたい,と。

 翌日の12月1日(土)は午後1時からスポーツ史学会第26回大会がはじまります。2日(日)の夕刻まで,二日間です。会場は甲南大学(5号館1階511教室)です。

 この学会では,初日(1日)の午後3時45分から午後6時まで,シンポジウムが組まれています。そのテーマは「現代スポーツの苦悩を探る」というものです。これを受けて,甲南大学の井野瀬久美恵先生が基調講演「スポーツにおける英国のミッションは終わったか?」をなさってくださいます。このコメンテーターとして橋本一径(早稲田大学)さんとわたしが加わります。どんな話の展開になるのか,いまからドキドキしています。

 「9・11」にはじまる世界情勢の大きな変動とともにスポーツのミッションも大きく様変わりしてきました。とりわけ,わたしたちにとっては(もちろん世界も含めて),「3・11」後を生きるとはどういうことなのかという重大な問いがのしかかってきています。当然のことながらスポーツもまた無縁ではありえません。そして,なにより,スポーツ史研究のあり方もまた,根源的な問いをつきつけられているとわたしは考えています。

 イギリス近現代史の専門家として多くの著作を残していらっしゃる井野瀬先生,表象文化論・フランス現代思想を専門とされる橋本先生(『指紋論』が話題になりました),そこに,スポーツ史・スポーツ文化論という立場からのわたしが加わって,さて,どんな議論が展開されることになるのでしょう。いまのところわたしは白紙。まずは,井野瀬先生の基調講演を伺ってから,その場の力を借りて,わたしなりの話の内容を決めようと思っています。もちろん,橋本先生がどんなコメントをなさるのか,これもとても楽しみなことのひとつです。

 なお,このシンポジウムだけは「一般公開」「参加費無料」だそうです。どうぞ,興味・関心のある方はお運びください。

 というようなわけで,ひょっとしたら,このブログも一時中断することになるかも知れません。もちろん,パソコンはもっていくつもりですので,できるだけ書くように努力します。

 それにつけても,これからの政局の動向をメディアがどのように流すのか,とても気がかりです。ある特定の情報だけに流されないようにご用心を。いまや,世論調査という名の「世論操作」をやっているとしか考えられないメディアも少なくありません。困ったものですが,それが現実です。そこをかいくぐって,みずからの熟慮のもとで意志決定をしたいと思います。

取り急ぎ,今日のところはここまで。

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