この本の中に登場する対談者のひとり,SEALDs の牛田悦正君が,17日(土)の「ISC21」10月東京例会に参加してくれましたので,そのあとの懇親会で少しばかりお話をさせてもらいました。驚くべきことに,みずから「ルジャンドリアン」です,と名乗るほどのルジャンドルの本を読み込む思想・哲学の徒でした。ですから,今日のお話はどうしても聞きたかった,とのこと。もちろん,ルジャンドルだけではなく哲学一般の本が好きで,暇があれば本を読んでいるとのこと。ですから,受け答えがじつにしっかりしていて,眼を見張らせるものがありました。
そんなこともあって,翌日(18日)のSEALDs の渋谷・街宣の集会にもでかけました。そして,その帰りに『民主主義って,なんだ?髙橋源一郎×SEALDs』(河出書房新社刊,10月18日,5刷)を買ってきました。これを読んで,二度,びっくりでした。なぜなら,この本に登場するSEALDs の奥田愛基君と牛田悦正君の語る内容が,じつに素晴らしいからです。SEALDs を引っぱっている人たちが,こんな人たちだったのだ,と再認識しまいました。
ひとことでいえば,じつによく勉強している。そして,じつによく考えている。その上で行動している。行動して,議論して,反省して,勉強して,考えて,決断して,ふたたび行動する。この繰り返し。そして,民主主義って,こういうことなんだと断言する。つまり,暗中模索しながら,みずからの手でつかみ取るものだ,と。恐るべし,だ。
わたしが学生時代のことを考えると恥ずかしくなってしまいます。それどころか,この歳になったいまですら,民主主義について,どこまで考えたことがあるか,また,自分の意見がいえるのか,と問われたら穴があったら入りたい,そんな思いです。行動に責任をもつということは,それだけの裏付けが必要です。ですから,なにがなんでも勉強し,考え,議論をすることが不可欠となります。すると,人間は,とりわけ,若い人たちは短期間のうちに生まれ変わってしまうほどの成長をします。その典型的な事例をみるおもいがします。
公聴会で証言をした奥田愛基君の,あの名スピーチが注目されましたが,この本を読むと,なるほどなぁ,と納得します。牛田君は,奥田君とは少しタイプが違いますが,その読書量は驚くべきものがあります。そして,そこで得られた知見を,いずれもみごとに骨肉化しています。この二人がコンビを組んで,ここまでSEALDs をリードしてきた,その経緯が,この本を読むと手にとるようにわかります。
「民主主義って,なんだっ!」という呼びかけのコールを何回も,何回も繰り返すかれらの背景には,じつに多くの思考の積み重ねがあったことも,この本を読んで知りました。そして,このコールを繰り返しながら,議論を重ね,さらにもう一歩前にでるコールが生まれます。それが「民主主義って,なんだっ!」「これだっ!」に進化し,さらに「民主主義って」「これだっ!」へと進化していきます。その裏側には,なみなみならぬ思考と議論の積み重ねがあることがわかります。
こんなこととは露知らず,国会前に足を運ぶたびに,コールの方法が変化しているなぁ,とぼんやり考えていました。しかし,「民主主義って」「これだっ!」になったとき,これはなにを意味しているのだろうか,と考えました。「これだっ!」の中味はなんなのか,と。そのとき,頭に浮かんだことは二つ。一つは,国会の中で行われている議会制民主主義のもとでの空虚な議論,もう一つは,国会前で繰り広げている抗議活動そのもの。つまり,コールを繰り返し,自分のことばでスピーチをすること,そうして,少しずつ変化し,進化していく,その運動体のこと。
かれらは,この抗議行動をとおして,いろいろのことを学び,進化していくこと,それが民主主義の内実なんだというところに到達します。そのプロセスがこの本によって明らかにされます。みごとというほかはありません。
正直に告白しておきます。恥ずかしながら,わたしは,この本をとおして,初めて「民主主義」なるものの懐の深さと,多様性を学びました。そして,民主主義とは,両刃の剣のように,よくも悪くも機能する,そういう仕組みのものなのだ,ということも。だからこそ,主権者である「わたしたち」自身が,しっかりと民主主義を行動で示していかなくてはならないのだ,ということも。
ご一読をお薦めします。
なお,この本の続編ともいうべき本が10月20日付けで刊行されています。『民主主義って,これだ!』(SEALDs編,大月書店)。こちらは,すべてSEALDs の仲間たちの手づくりになるものだ,と聞いています。明日,買いにいく予定。残念ながら,溝の口の書店にはありません。
そんなこともあって,翌日(18日)のSEALDs の渋谷・街宣の集会にもでかけました。そして,その帰りに『民主主義って,なんだ?髙橋源一郎×SEALDs』(河出書房新社刊,10月18日,5刷)を買ってきました。これを読んで,二度,びっくりでした。なぜなら,この本に登場するSEALDs の奥田愛基君と牛田悦正君の語る内容が,じつに素晴らしいからです。SEALDs を引っぱっている人たちが,こんな人たちだったのだ,と再認識しまいました。
ひとことでいえば,じつによく勉強している。そして,じつによく考えている。その上で行動している。行動して,議論して,反省して,勉強して,考えて,決断して,ふたたび行動する。この繰り返し。そして,民主主義って,こういうことなんだと断言する。つまり,暗中模索しながら,みずからの手でつかみ取るものだ,と。恐るべし,だ。
わたしが学生時代のことを考えると恥ずかしくなってしまいます。それどころか,この歳になったいまですら,民主主義について,どこまで考えたことがあるか,また,自分の意見がいえるのか,と問われたら穴があったら入りたい,そんな思いです。行動に責任をもつということは,それだけの裏付けが必要です。ですから,なにがなんでも勉強し,考え,議論をすることが不可欠となります。すると,人間は,とりわけ,若い人たちは短期間のうちに生まれ変わってしまうほどの成長をします。その典型的な事例をみるおもいがします。
公聴会で証言をした奥田愛基君の,あの名スピーチが注目されましたが,この本を読むと,なるほどなぁ,と納得します。牛田君は,奥田君とは少しタイプが違いますが,その読書量は驚くべきものがあります。そして,そこで得られた知見を,いずれもみごとに骨肉化しています。この二人がコンビを組んで,ここまでSEALDs をリードしてきた,その経緯が,この本を読むと手にとるようにわかります。
「民主主義って,なんだっ!」という呼びかけのコールを何回も,何回も繰り返すかれらの背景には,じつに多くの思考の積み重ねがあったことも,この本を読んで知りました。そして,このコールを繰り返しながら,議論を重ね,さらにもう一歩前にでるコールが生まれます。それが「民主主義って,なんだっ!」「これだっ!」に進化し,さらに「民主主義って」「これだっ!」へと進化していきます。その裏側には,なみなみならぬ思考と議論の積み重ねがあることがわかります。
こんなこととは露知らず,国会前に足を運ぶたびに,コールの方法が変化しているなぁ,とぼんやり考えていました。しかし,「民主主義って」「これだっ!」になったとき,これはなにを意味しているのだろうか,と考えました。「これだっ!」の中味はなんなのか,と。そのとき,頭に浮かんだことは二つ。一つは,国会の中で行われている議会制民主主義のもとでの空虚な議論,もう一つは,国会前で繰り広げている抗議活動そのもの。つまり,コールを繰り返し,自分のことばでスピーチをすること,そうして,少しずつ変化し,進化していく,その運動体のこと。
かれらは,この抗議行動をとおして,いろいろのことを学び,進化していくこと,それが民主主義の内実なんだというところに到達します。そのプロセスがこの本によって明らかにされます。みごとというほかはありません。
正直に告白しておきます。恥ずかしながら,わたしは,この本をとおして,初めて「民主主義」なるものの懐の深さと,多様性を学びました。そして,民主主義とは,両刃の剣のように,よくも悪くも機能する,そういう仕組みのものなのだ,ということも。だからこそ,主権者である「わたしたち」自身が,しっかりと民主主義を行動で示していかなくてはならないのだ,ということも。
ご一読をお薦めします。
なお,この本の続編ともいうべき本が10月20日付けで刊行されています。『民主主義って,これだ!』(SEALDs編,大月書店)。こちらは,すべてSEALDs の仲間たちの手づくりになるものだ,と聞いています。明日,買いにいく予定。残念ながら,溝の口の書店にはありません。
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