2012年10月8日月曜日

「OSPREY NO」のパレードに参加してきました。

 今日(10月8日)は午後からパレードに参加してきました。まずは,渋谷・けやき通り(NHKの前の通り)に午後1時30分集合。挨拶や役割分担などを決めて,隊列をつくり,午後2時30分出発。NHK前の交差点をわたって公園通りを渋谷駅に向かいました。

 題して「風船と凧(たこ)の渋谷パレード~オスプレイの沖縄配備に反対する(東京・渋谷)」。
 主催は,オスプレイの沖縄配備に反対する首都圏ネットワーク(「沖縄県民大会と同時アクション」改め)。

 参加者は約400名。当初はまばらだった人が,いつのまにか増えていて,隊列に並んだ人だけでほぼ400名。隊列から離れて,風船や凧を配布したり,ビラを配布する人たちも相当数いましたので,450名ほどにはなっていたのではないかと思います。わたしの個人的な感想としては,もっと少ないだろうと思っていましたので,よくぞ集まったなぁ,というのが率直なところです。

 ふつうのデモと少し違っていたなぁと思ったことは,シュプレヒコールの声があまり大きな声にはならなかったことです。もちろん,型通りのシュプレヒコールの音頭をとっているのですが,それに呼応する隊列の人たちの声が小さかったということです。それよりも,新鮮だったのは,途中,2回ほど,歩行者が大勢立ち止まっている交差点で,主催者が道行く人びとに呼びかけた,こころのこもったショート・スピーチでした。たとえば,以下のようです。

 やさしい女性の声で。
 「みなさん,沖縄の人びとの苦しみや痛みを分かち合いませんか。日本全国の基地の75%を沖縄県の人びとが担っています。そんな無理難題を押しつけたまま,わたしたちは日常の平和な生活をほしいままにしています。ほんの少しでもいいです。沖縄の人びとがどれほど基地問題に苦しんでいるか,想像してみてください。そして,その苦しみを分かち合える感性を大事にしましょう。沖縄では,すべての市町村長,および議会が全員,オスプレイの配備に反対しています。にもかかわらず,日本政府はオスプレイの沖縄配備を決定し,実行してしまいました。今日も,沖縄では,朝から普天間基地のゲートの前で座り込みをし,多くの人びとが集まって風船を飛ばし,凧を上げています。わたしたち「オスプレイの沖縄配備に反対する首都圏ネットワーク」は,その沖縄の人びとの想いを受け止め,こうしてパレードをすることにしました。どうか,道行くみなさん,ほんの少しの間でも結構です。わたしたちと共にパレードに参加しませんか。ご協力,よろしくお願いいたします。」
 というような趣旨のスピーチがありました。とても,わかりやすい,道行く人びとのこころに訴えかける,とても温かいものでした。わたしは,このスピーチを聞きながら,ああ,これまでのデモとは違うなぁ,と感じていました。なぜか,涙がでそうになりました。そうなんだ,ただ,大きな声でシュプレヒコールすればいいという問題ではない,と。もはや時代遅れでもあるシュプレヒコールなどよりも,道行く人びとのこころに染みこんでいくような,気持の籠もった温かいショート・スピーチ(呼びかけ)こそが大事なのではないか,と。

 よくよく考えてみれば,「風船と凧(たこ)の渋谷パレード」と題する集会だったのです。ですから,シュプレヒコールなどはしなくてもよかったのではないか,とわたしも思いました(行進を終えてから,主催者のひとりから,こんな心づもりではなかった,シュプレヒコールはしないつもりだったのに,やはり,こうなってしまったわ,と残念そうな発言を耳にしていました)。静かにパレードをしながら,歩道を歩いている人びと一人ひとりに声をかけ,風船を手渡したり,凧を手渡したりする,つまり,直接的な会話が成立するようなパレードがいいなぁ,といまにして思うことでした。

 シュプレヒコールではなくて,簡潔にして要をえたスピーチを,やさしい声で,気持をこめて語りかける方が道行く人びとに訴えるものがあるのではないか,としみじみ思いました。それこそ,三つ,四つのスピーチの原稿を用意しておいて,プロの語り手にお願いをしてもいいのではないか,と。あるいは,仲間うちにいる語りの上手な人にお願いをするとか・・・・。つまり,示威行為ではなくて,情緒に訴える方法で・・・・。そして,それこそがこれまでのデモ行進とは一線を画す,まったく新しい意志表明の仕方=パレードではないか,と。

 今日の渋谷は大勢の人でごった返していました。わたしが渋谷駅から代々木公園に向かうときですら,歩道は人であふれ返っていました。午後にはもっともっと大勢の人で埋めつくされていました。わたしたちがパレードをしている間も,大勢の人が立ち止まって,じっとこちらを見据えていました。その表情はさまざまでしたが,わたしには「虚をつかれた」という顔をした人が少なくなかったように感じられました。ヌッ? 渋谷でオスプレイ反対のパレードかっ!,と。そして,少なくとも,いい加減な気持でわたしたちのパレードを見過ごす人はほとんどいなかったのではないか,と。ですから,じつに多くの人びとが「なにか」を感じ取ってくれたのではないか,とわたしは希望的観測をしています。

 いま,日本は大きく変化しつつある,ということをパレードをとおして「からだ」で感ずることができました。やはり,現場に立つということは大事だなぁ,と。そして,大きな大きなうねるような伏流水が,ゆっくりと,静かに,目に見えないところで流れはじめているのではないか,と。それがなにであるのか,そして,なにであらねばならないのか,しっかりと考えてこれからも「行動」していきたいと思いました。

 パレードのあとのお茶がとても美味しかったです。二人の「Nさん」にこころから感謝。


               街行く人びとに配布された風船。


               凧にする図案。これに竹ひごが2本。


               パレード出発前のご挨拶と打ち合わせ。

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