2012年10月18日木曜日

選挙の小沢が「脱原発」でドイツと連帯。面白いアメリカ対策。

小沢一郎がようやく重い腰を挙げて,最後の大勝負にでたようです。「選挙の小沢」が「脱原発」をどのように打ち出してくるのかと思っていたら,やはり,練りに練った「奇策」で打ってでました。世界でもっとも早く,明確に「脱原発」を宣言して,再生エネルギーへと舵を切ったドイツと連帯しようというのです。矛盾だらけの原発政策を展開して,国民の意志を完全に無視しつづける政府・民主党をはじめ,原発推進で固まっている自民党の無能ぶりを見届けた上で,この逼塞した政局を打破するための選挙戦略としては抜群のアイディアとしかいいようがありません。これで,国民の7割に達しようという「脱原発」を望む選挙民の関心が一気に小沢一郎に向かっていくことは,ほぼ,間違いないでしょう。それほどに,他の政党がだらしないというだけの話ですが・・・・。しかも,この小沢一郎の戦略には,さまざまな伏線まで引かれているようです。とりわけ,アメリカ対策という点では,世界を視野に入れた絶妙な妙手としかいいようがありません。

昨夜(17日)の22時の共同通信の配信として,以下のような記事がネット上に流れていました。紹介しておきましょう。

〔ベルリン共同〕新党「国民の生活が第一」の小沢一郎代表は,17日午後,ドイツのアルトマイアー環境相とベルリンで会談し,脱原発を進めるべきだとの認識で一致した。小沢氏は「『生活』は期限を切って10年後の脱原発を主張している」と強調。これに対しアルトマイアー氏は「福島の事故後『このままでは駄目だ』と,ドイツ国民の8割とすべての政党が脱原発を支持した」と国内状況を説明した。

この情報を,さて,18日(木)の新聞・テレビはどのように報道するのでしょうか。わたしは興味津々です。またぞろ「小沢つぶし」の圧力がどのようにかかってくるのか丸見えになるからです。小沢裁判も,まさに検察と司法とが手を組んで(だれが組ませているのかが問題),ひたすら茶番を繰り返しているにすぎません。すでに政治家としての小沢は瀕死の状態に追い込まれています。が,ここは不死身の起死回生,政治家としての最後の,とっておきの「一手」を繰り出して,間近に控えた選挙に臨もうと覚悟を決めたようです。

「国民の生活が第一」と名乗りを挙げた新党としては,ここはなにがなんでも「脱原発」を前面に打ち出して,流れを変えるしか方法はありません。自民党を除くどの政党も蚊の鳴くような声でしか「脱原発」がいえない(電力各社の労働組合に気兼ねしてか)腰砕けに,国民は嫌気がさしています。この逼塞状態から脱出するためには,世界的な視野に立つ戦略が不可欠でした。囲碁好きの小沢一郎らしく,盤面の戦況をしっかりと見据えて,ここで打つべき「手」はこれしかない,という選択をしたようです。

長年にわたる自民党とアメリカとの「裏約束」も十分に承知している小沢一郎が,その「腐れ縁」をどこまで断ち切ることができるか,そして,「国民の生活が第一」をどこまで徹底することができるか,少なくとも,ここしばらくの間はしっかりと見届けていきたいと考えています。ついでに,「沖縄県民の生活が第一」という看板も高くかかげて,OSPREYの配備撤回と日米地位協定の破棄,そして,基地の国外移転を,声高らかに謳ってほしいものです。

どの既成政党も,蓋を開ければ「派閥争い」ばかり。船頭多くして船進まず(民主党も自民党も同じ),その他の政党も似たようなもの。党内の空気を読むことばかりに追われていて,大局を見極める力量をもった政治家が現れません。ここは独断と偏見といわれようと,あるいは,限りなくクロに近いグレイといわれようと,「国民の生活が第一」を徹底させて,「脱原発」へと明確に舵を切る,豪腕を期待したいと思います。お断りしておきますが,他の政党があまりにだらしないが故の,わたしの窮余の選択です。ついでに言っておけば,小沢一郎という人物そのものは,むかしから好きではありません。その上での,限定つきの支援表明です。

日本という国の行方を決する最大の山場が,来るべき総選挙です。こんなことはもうみんなよく承知していることです。そして,こんどというこんどこそ,国民の本音をありのまま叩きつける以外には方法はありません。

その意味で,これからの小沢一郎の言動と,これに少なからず影響されるであろう他の既成政党の動向を見極めていきたいと考えています。

取り急ぎ,心情の吐露をさせていただきました。もちろん,これからの動向いかんによっては,わたしの気持も変わるでしょう。ただ一点でけ。小沢一郎のこの動きに,しばらくは注目していきたいということです。それ以上の他意はありません。

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