2013年9月11日水曜日

「9・11」から12年。監視社会化が進むアメリカ。五輪招致で日本も右にならえ,か。

 五輪狂騒曲の煽りで「9・11」がどこかに霞んでしまった。あれから12年。アメリカは,世界は,そして,日本は,どのようにそれを受け止め,変貌してきただろうか。やはり,一度は立ち止まって,深く考えるべきだろう。

 などと偉そうなことをいうわたしも,じつは,今日が「9・11」であることをすっかり忘れてしまっていた。たまたま夕食時につけたラジオ(今日は鷺沼の事務所で残業。ここにはテレビはない)が教えてくれた。このところ,ラジオはJウェーブ・エイトワンポイントスリー(81.3)と決めている。この局ではときおり,きわめてまっとうなキャスターが登場して,まっとうな情報を解説し提供してくれる。今日のキャスターがだれであるかも,そして,話題を提供してくれたゲストがだれであるかも,忘れてしまった。しかし,その内容はわたしのこころを震撼させるような話題でてんこ盛りだったので,その一部をここに記しておきたいと思う。

 アメリカは「9・11」の直後の10月には大急ぎで「愛国者法」(パトリオット)を制定した。これは,知る人ぞ知る恐るべき悪法で,かつての日本の治安維持法にも相当するものだという。アメリカの本性を剥き出しにした,とんでもない法律で,アメリカ憲法をも凌駕する特例法だという。この法律ができたために,恐るべきアメリカの監視社会化が一気に進んだという。たとえば,図書館の貸し出し名簿を国は自由にチェックすることができるようになり,だれが,どんな本を借りているのか,といった個人情報も国家の管理下におかれることになった。

 のみならず,それを根拠にして思想犯,政治犯を特定し,逮捕することも可能になったという。もちろん,密告もあり,という。国家の機密を守るという名目のもとに,国はなんでもできるようになったというのだ。その結果,突然,隣人が姿を消し行方不明になる,というような事件が頻発しているとも。まるでジョウジ・オーウェルの『1984年』の世界を彷彿とさせるような話ではないか。さらに恐ろしいことに,ある政治犯は収容所で,外科手術の名のもとに内蔵を一つずつ切り取られていき,最後には腕や足までも,一本ずつ順番に切り取られたという事実も報告されている,という。

 自由と民主主義を標榜するアメリカがいつのまにか世界一の「不自由の王国」になりはてている,というのである。

 「9・11」後の,アメリカのこうした監視社会化の傾向は,少なくとも「テロとの戦い」を支持する国々にも浸透している,という。もちろん,日本も例外ではない。機密情報保護法などは,アメリカからの機密情報が日本をとおして駄々漏れにならないようにするために,アメリカの圧力のもとで急ぎつくられたのだ,という。

 ということは,アメリカの「愛国者法」がグローバルスタンダードとなって,いわゆる「情報の統制」が世界に広まっている,ということだ。TPPも,同じ発想から,アメリカンスタンダードによる世界制覇への道を開くものだ。そのアメリカに盲目的に追随する姿勢を明確にしつつある安倍首相は,TPPはもとより,五輪の安全開催を理由に,アメリカと同じような「愛国者法」をも視野に入れている,ともいう。となれば,尖閣諸島を守るための軍隊も,そのための憲法改定も,すべて五輪を口実に押し進めることができる,という次第だ。

 かくして,日本の監視社会化は,五輪という絶好の「眼くらまし」を手に入れたことによって,国の思いのままだ。

 もっと恐ろしいことは,世界を相手にあれだけの大嘘をついて,こんどは汚染水対策に国民や世界の眼を釘付けにしてしまうことだ。その結果,メルト・スルーであるのか,メルト・ダウンであるのかすらその実態もわからないまま放置されている原発の最悪の情況(レベル・7?)に蓋をして,人びとの記憶から遠ざけてしまうことだ。

 「9・11」後のアメリカの「愛国者法」の余波が,いま,日本の社会にも人知れず浸透しつつある,ということを忘れてはならない。そして,そのための絶好のツールとして五輪開催が利用されようとしていることに,わたしたちは厳しい「監視」の眼を光らせなくてはならない。「9・11」は,どのように隠蔽・排除しようとしても,いまも,姿・形を変えて,まるで「亡霊」(デリダ)のように,思いがけないときに,思いがけないところに出現しているのだ。せめて,そのことだけでも,今日という日にしっかりと想起し,銘記しておこう。
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