2013年9月25日水曜日

ロウシアウフで払った手は,体重を後ろに引きながら腰の回転力で返す(李自力老師語録・その36.)。

 太極拳の手足の動作はすべて「わざ」としての意味をもっている,と最初に教えていただきました。しかし,そのことのほんとうの意味はほとんど理解しないまま,みようみまねで,それらしきことをやっているにすぎない,と今日の稽古で知りました。正直に言ってショックでした。この8年間,いったいなにをやってきたのだろうか,と。

 今日の稽古は,基本の動作の徹底的なおさらいでした。まずは,軸足を安定させること。膝関節を曲げて片足で立ったまま,浮いた足を前に出したり,うしろに下げたりを繰り返します。そのときに,軸足の股関節をゆるめ,腰を回転させながら,足を前に出したり,うしろに下げたりします。しかも,足を前に送り出すときにはお尻をまるめるようにして,という注文がつきます。これを右足を軸足に,そして,左足を軸足に,と交互に繰り返します。

 その上で,両腕をうしろにまわして,手の平を腰のうしろで合わせ,上体をまっすぐに立てた姿勢で,足の運び方の稽古を,丁寧に,何回も何回も繰り返します。李老師が先頭に立って,示範しながら,前に進んだり,うしろに下がったりを繰り返します。いつものことですが,李老師は,この足の運び方の稽古をとても重視していらっしゃる。このことは十分に理解しているつもりでしたが,まだまだ,甘いということが,今日の稽古で,あらためて気づかされました。

 結論を言ってしまえば,この基本の動作,すなわち足の運び方にこそ,太極拳のすべてが含まれている,と。その内容は,股関節をゆるめて腰を回転させること,それに合わせて足を運ぶこと,そのための軸足をしっかりとさせること,この基本の動作がきちんとできれば,あとは手足の動きをつけるだけ,と。如是我聞。

 じつは,この稽古に入るには理由がありました。それは,ロウシアウフで相手の足を払った,その手の返し方ができていない,と李老師は仰るのです。たとえば,右足を軸足にして,右側に右手を肩の高さと水平に振り上げ,左手を右手の肘のあたりに添えながら,左足を前に送り出し,そこから左手で相手の蹴り足を払いながら,右手を相手の顔に向けて突き出します。そして,ゴンブの姿勢で終わります。そこから,左足にあった体重をうしろの右足に移しながら,右手を水平に払い,左膝近くにあった左手の手の平を返します。そして,その左手の手の平を返すのは軸足である右足の股関節をゆるめながらの腰の回転力で行いなさい,と。そのあとは,左手を左後方に振り上げながら,体重を右足から左足に移動させなさい,と。

 このときの,左手の返し方は,腰の回転力に従うこと,ここがポイントであるというわけです。しかも,このときの左手の返しは,左手が相手にしっかりと握られてしまったことを想定して,その相手の手を解きほどくための「わざ」なのだ,という次第です。そのことを念頭において稽古しないさい,と李老師。

 そこが,たんなるものまねから,わざを表演する武術に切り替わるポイントです,と。

 なるほど,とこころの底から納得です。
 股関節をゆるめて腰を回転させるのは,「わざ」の威力を増すため。
 上半身の力を抜くのも,手足の力を抜くのも「わざ」の威力を増すため。
 その原点は軸足の安定。
 太極拳は武術なのだ,とみずからに言い聞かせた次第です。

 というところで,今日はここまで。
 
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