2014年3月2日日曜日

高梨沙羅ちゃん,おめでとう!約束どおりのジャンプ,あなたの意思の強さに感服。

 「とりに行ってきます」と高らかに宣言したときのきりっとした表情に,この子の意思の強さを感じました。なんの迷いもない,意識を一点に集中させた,みごとな応答ぶりにはいつも感心させられてきました。今回もそうでした。


 高梨沙羅ちゃん。あなたは,名実ともに世界一のジャンパーです。それはワールドカップ2連覇という偉業をなしとげたからではありません。そこに到達するための一回,一回のジャンプに籠めたあなたの「理想のジャンプ」へのあくなき探究心にあります。その集積が結果をもたらしたにすぎません。その長い道のりを淡々と,しかし,気力のかぎりの情熱をぶっつけながら,一回,一回のジャンプにもてる力のすべてを傾ける,その精神力と持続力こそが,世界に比類なきジャンパーとしてのあなたを育てたのだ,とわたしは受け止めています。


 もちろん,いろいろの人びとに支えられてあなたの才能が開花したことは間違いありません。が,その周囲の期待に応えようと創意工夫をつづけたあなたの生き方そのものが,あなたを大きく飛躍させる原動力になったことは間違いないでしょう。これもまたご両親からいただいた立派な才能というべきかもしれません。


 ソチ・オリンピックのときのジャンプもまた,まぎれもないあなたのジャンプそのものでした。ジャンプ競技とはそういう不確定要素があちこちに潜んでいます。だからこそ面白いのだし,むつかしいのだし,創意工夫を駆り立てる原動力にもなっているのだと思います。あくなき研究心,とどまることなき探究心,一つひとつ目標を定めてそれを克服していく強い意思と実行力,そうした努力の蓄積がこんにちのあなたを作り上げたのでしょう。そこのところに,わたしはこころからの敬意を表したいと思います。


 ワールドカップ2連覇など,たんなる通過点にすぎません。まだまだ若いあなたの未来に無限に広がっている可能性に向かって,あらたなる夢を追ってみてください。それはあなたが「理想とするジャンプ」の実現です。前人未踏の新境地がつぎつぎに開かれてくることでしょう。スポーツの究極の面白さはそこにある,とわたしは考えています。金メダルや2連覇などは,そこにいたりつくためのおまけのようなもの。それはそれで存分に楽しみつつ,めざすはあなたの最終ゴール,すなわち「理想のジャンプ」の達成です。


 ワールドカップの残り5戦をどのようにするかは,あなたの自由です。しかし,わたしは切望します。残り5戦は,勝敗を度外視した「理想のジャンプ」への第一歩と位置づけ,新境地へのチャレンジの「場」として活用されんことを。すなわち,あらゆるプレッシャーから解き放たれた,自由でのびのびとした,アーティスティックな「ジャンプ」をめざしてほしいのです。飛距離とか,勝敗の結果とか,そんなものとはまったく無縁の世界,見る者をして「感動の渦」に巻き込むような,あるいは,生涯の記憶に残るような「美しい」ジャンプをめざしてほしいのです。


 来年からの3連覇なんて考える必要はありません。世界中の人びとの目を釘付けにするような,「天人飛翔」とでもいうべき新境地をめざしてください。あなたならできる,そうわたしは確信しています。


 高梨沙羅という類稀なる才能に出会えた僥倖にこころから感謝したいと思います。
 わたしのこころの底からのエールは以上で終わりです。


 高梨沙羅ちゃん,おめでとう! そして,ありがとう!

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