2015年8月21日金曜日

わかりました。沖縄県知事応接室の「びょうぶ」のこと・第二報。

 早速,複数の方から情報が寄せられました。ありがたいことです。自分で調べればいいのに,手抜きをしてしまいました。

 まずは,もっともオーソドックスな情報。
 それは,沖縄県庁のHPに掲載されているとのことです。すぐに開いて覗いてみますと,なるほどという情報が載っていました。それによりますと,つぎのようです。

 まず最初に目に飛び込んできたのは,一番知りたかった「びょうぶ」の詩文の全文です。わたしが感動した「びょうぶ」の全体が一目瞭然です。なるほど,これが全体像か,とまたまた感動してしまいました。部分だけであれだけの雰囲気を醸しだすだけの力のある書の,これが全体像か,と。やはり,全体を眺めてみると,ますますその迫力が伝わってきます。そして,気がつくといつのまにか一字,一字,じっと見入ってしまっていました。ところどころ意味不明なところもありますが,それでも,なんとなく言っていることの意味は伝わってくるから不思議です。

 
「琉球国は南海の勝地にして・・・・」という冒頭の文言をみるだけで,これは琉球国時代の理想を掲げた一種の決意表明に違いない,と。そして,四行目には,「舟揖をもって万国の津梁となす」という有名なフレーズもはっきりと読み取ることができます。なるほど,翁長知事がしばしば引用する「津梁の精神」はここからきているのだ,ということも納得。

 この「びょうぶ」につづいて,ご丁寧にも,ごく簡単な読みくだし文も掲載されています。これを追っていけば,さらに,その内容のイメージが湧いてきます。

 
 
そして,そのあとには,つぎのような説明がなされています。

 この詩文は,「万国津梁の鐘」に刻まれているもので,それを書家が「びょうぶ」にして寄贈したものだ,とあります。この鐘は,1458年,琉球王国の尚泰久(しょうたいきゅう)王が鋳造させて,首里城正殿に掲げてあったものだ,といいます。そして,「万国津梁」とは,世界を結ぶ架け橋の意味である,と。

 さらに,中日新聞には以下のような解説が掲載されている,という情報もいただきました。

 「びょうぶ」は第一応接室と第二応接室の両方にあるそうで,違う書家のものが飾ってあるとのことです。第一応接室(翁長知事と中谷防衛相が対談した部屋)には,2012年に沖縄の書家の茅原南龍(ちはらなんりゅう)氏が寄贈したものが飾られていて,その大きさは,高さ216㎝,幅344㎝だそうです。わたしが感動したのは,こちらの「びょうぶ」の書でした。

 第二応接室には,1995年にやはり沖縄の書家・豊平峰雲(とよひらほううん)氏によって寄贈されたものが飾ってあるとのことです。こちらの「びょうぶ」も沖縄県のHPにはアップされていますので,自分の目で確認することができます。こちらも立派なものです。が,やや,書体が違っていて,微妙に雰囲気が異なります。

 わたしの好みとしては,第一応接室にある茅原南龍氏の書体の方が好きです。たぶん,翁長知事もそうであるらしく,茅原氏の「びょうぶ」を第一応接室に飾っているのでしょう。政府要人を迎えての対談をするには,この「びょうぶ」の威力をも借りたい,そういう思い入れもあるようにおもいます。それほどに重要な役割を,この「びょうぶ」ははたしている,とわたしは受け止めています。

 なお,この詩文は,相国寺の渓隠安潜(15世紀の仏僧)の手になるものであることが,「びょうぶ」の最後のところに書かれています。

 中日新聞はさらに,つぎのように報じています。

 「万国津梁の鐘」は1978年に国の重要文化財に指定され,沖縄県立博物館・美術館(那覇市)に展示されている。
 沖縄県庁秘書課は「びょうぶの文章は十五世紀中葉の琉球の海外貿易と県民の気慨を表現している。世界と交流し,ともに支え合う平和で豊かな「美(ちゅら)島」を実現しようとの県の目標にも沿っている」と説明する。

 この説明は,わたしの胸にぐさっと刺さるものがありました。なぜなら,わたしが沖縄を理解する上で,あまりに無知で,上っ面しかわかっていない,と忸怩たる思いをいだいていましが,こういう気慨を沖縄県民が共有しているというところから,ものごとを考える必要がある,と気づいたからです。沖縄県民の「根」のひとつが,こういうところにも伸びている,と。

 いい勉強になりました。情報を提供してくださったみなさん,ありがとうございました。これからも,よろしくお願いいたします。

 〔追記〕書家の茅原南龍氏と豊平峰雲氏については,ネットに詳しい情報が流れています。いずれも,沖縄書道界の重鎮です。書体の違いも,ほかの作品を見比べてみますと,よりはっきりしてきます。ちなみに,茅原南龍氏は76歳,豊平峰雲氏は73歳で,いずれもご健在です。こんど沖縄に行ったら,茅原南龍氏の作品を存分に堪能してみたいとおもっています。
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