2012年11月28日水曜日

ほんとうの第三極の誕生か。日本未来の党。嘉田由紀子党首に期待。

 「卒原発」を旗印に,「原発ゼロ」をめざす党派を結集して,みんなで大同団結し,新しい日本の未来を築こうと呼びかけた嘉田由紀子滋賀県知事の決断にこころからの拍手を送りたいと思います。いまこそ,小異を捨てて大同につく,つまり,なによりもまずは「卒原発」という大同のためにその他の小異は捨ててでも団結し,そこを出発点にして新しい日本の未来を構築して行こうという嘉田さんにこころからの敬意を表したいと思います。

 その「日本未来の党」に,「国民の生活が第一」を解党して合流する決断をした小沢一郎にも,こころからの敬意を表したいと思います。これに河村たかしと谷岡郁子と阿部知子の「原発ゼロ」派が合流すると聞いているので,これこそ正真正銘の「第三極」の誕生である。

 これまでメディアが喧伝してきた「第三極」は,完全に宙に浮くことになる。つまり,石原+橋下の日本維新の党である。もはや,存在理由がなくなってしまった。なぜなら,日本維新の党が石原と組むことによって,脱原発を放棄してしまった以上,日本維新の党も自民党も基本的にはなにも変わらなくなってしまったからだ。違うのはTPPくらいのものだ。人間の「命」のかかった原発のことを考えれば,そして,「命」を最優先させる政治を考えればTPPの問題をどうすべきかはおのずから「NO」という答えがでてくる。

 こんな簡単なことが,民主党もわかっていない。今日のマニュフェストの発表で「原発ゼロ」を30年を目処にめざすという。それでいて,TPPは積極的に参加するという。国民の反発をかわして,アメリカのご機嫌をとるという,なんとも依怙地な情けない党になったものだ。日和見主義などということばは使いたくもないが,こんな稚拙な対応で国民を抱き込むことができると,ほんとうに思っているのだろうか。もし,そうだとしたら,あの一見,賢そうにみえる民主党の若手リーダーたちは,単なる計算と打算の世界を泳ぐだけに専心する,たんなる水泳の名手であるにすぎない。

 今日(27日)の,この段階でのわたしの眼には,自民党と日本維新の党とは,それこそ大同小異。原発推進という点では同じ。橋下君は「原発ゼロ」は不可能だと街頭演説で断言した。そんなできもしないことをやろうとする野合が,いま進んでいる,と吐いて捨てた。わかりやすくていい。はい,よくわかりました。それで結構です。自民党と同じ。バツ(×)。

 民主党は「原発ゼロ」実行,と宣言した。ならば,いますぐ大飯原発を止めて,活断層の調査を優先すべきではないか。活断層の有無が「グレイ」なら,「即停止」がルールではなかったか。それすらしようとはしない。やはり,「原発ゼロ」は票集めのための見せかけでしかない。わたしは信ずることはできない。まずは,行動で示してほしい。やろうと思えばできるのだから。その上での選挙ではないのか。そんな有力な武器を使わないでいる。その気がないからだ。国民を舐めている。こんどの選挙での国民は,これまでの国民とはまったく違う覚悟をしている,ということがまるでわかっていない。

 社民党と共産党も,こんどの選挙の意味がわかってはいない。福島君などは,嘉田さんの決断は立派だと思います,と持ち上げた上で,にっこりわらって,でも,わたしたちは同調しません,と断言した。そのなんとも間抜けた表情が印象に残った。志位君も,けんもほろろという対応だった,と記憶する。全然,問題外だと言わぬばかりの・・・。いま,問われているのは「日本の未来」をどうするか,ということだ。そのことがわかっていない。これまでどおりの選挙の闘い方しか考えていない。その意味では,この両党とも「思考停止」の状態から抜け出せていない。「3・11」以後は,もはや,それ以前の論理はなんの役にも立たない,ということすらわかっていない。

 その点,国民の方がはるかに先に進んでいるように思う。もはや,党派などは考えても無駄だ,と。そして,日本の未来図を描くときに,まずは「原発」をどうするのか,推進するのか,ゼロにするのか,その決断いかんによって,その他の政策もおのずから決まってくる,と覚悟を決めている。たとえ,生活が苦しくなろうとも,それを耐え忍ぼう,と。そして,まずは「命」を守ろう,と。そこから,できることを始めよう,と。そのくらいの覚悟は決めている。

 とくに,幼い子どもを育てている母親は,まずは,なによりも,我が子の「命」を考えている。自分は仕方がないとしても,なんの罪もない子どもにだけは,可哀相な思いをさせたくはない。そのためにはからだを張ってでも守る。それが母親というものだ。この切実な思いを,政治家のみなさんはわかっているのだろうか。この母親の切実な思いは,当然のことながら,若い父親にも伝わる。当然のことながら,ジジ・ババにとっても可愛い孫のために・・・・・と切実な問題だ。そして,これはなんとかしなくては・・・と考える。最近は,我が子の運動会で一生懸命に走る父親が増えてきているとも聞く。

 マネーのために「命」を犠牲にしてもいいと考えるバカはいない。

 しかし,これまでの既成政党に所属する議員さんの多くは,「命」を忘れてマネーの魅力にとりつかれてしまっている。経済最優先。マネーの亡者となりはてている。そして,そこから抜け出せないでいる。情けないことだが・・・・。

 そこに「一撃」を加えようとして立ち上がったのが嘉田由紀子さんだ。まずは,なにがなんでも「卒原発」に舵を切ろう,と。それを前提にした政治を,これからは目指そう,と。日本が生まれ変わるための絶好のチャンスが,いまであり,こんどの選挙なのだ,と。そのためには「卒原発」で手を結び合おう,と。

 正真正銘の「第三極」が,忽然と,その姿を明らかにすることによって,投票する党派がみつからなくて,絶望に打ちひしがれていた国民の前に,明るい希望に満ちた日本の未来がみえてきた。選挙も,じつに,わかりやすくなってきた。さあ,これからだ。

 まだまだ,政局の行方は予断を許さないが,つまり,このさきなにが起こるかわからないが,選挙告示直前になって,ひとすじの光明がみえてきた。その意味で嘉田由紀子さんにこころからの拍手を送りたい。そして,それに応えられるような,多くの国民が納得できるような,大同の道筋を示してほしい。そのプロセスを,わたしはしっかりと見極めてみたい。そうすれば,ひょっとしたら,大きな「雪崩現象」が起こるかもしれない。

 いまこそ,国民の一人ひとりが,みずからの良心に問いかけ,本気で日本の未来を考え,選挙にみずからの意志を表明しようではないか。

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