2015年7月5日日曜日

J=P.ルジャンドルの「舞踊論」をテーマに。「ISC21」10月東京例会の予定が決まる。

 かねてから,J=P.ルジャンドルの古典的名著の一つと言われている「舞踊論」(『他者たらんとする情熱』,1978年)が,日本ではまだ紹介されていません。ルジャンドルが研究者としての道を歩みはじめた初期のころの論文で,念入りにこってりと多岐にわたる内容を詰め込んだ力作だと聞いています。しかも,難解きわまりないとも。

 この手ごわいテクストを,ふつうの読者ではとても読みきれない難物を,日本におけるルジャンドル読解の第一人者といわれる森元庸介さんに,わかりやすく紹介していただけることになりました。お願いをするときは,胸が高鳴りましたが,エイヤッ!と気合を入れました。西谷修さんからも,森元さんがいい,と推薦をいただいていましたので,背中を押されました。

 いまのところの予定としては,以下のとおりです。
 主催:「ISC・21」10月東京例会
 日時:2015年10月17日(土)午後3時~6時。
 場所:青山学院大学
 テーマ:J=P.ルジャンドルの「舞踊論」(=『他者たらんとする情熱』1978年)について。
 プレゼンテーター:森元庸介(東京大学准教授)
 コメンテーター:交渉中

 ルジャンドルの「舞踊論」は,おそらく本邦初公開になるとおもいます。ので,この情報を聞いたわたしの友人たちから,どのような準備をすればいいのかという問い合わせが殺到しています。そのように問われても困るのですが,なにせ,ルジャンドルのことですので,ありきたりの「舞踊論」ではないことは容易に想像できます。

 そのことは論文のタイトル『他者たらんとする情熱』からもある程度の推測ができます。きわめて哲学的であると同時に,精神分析学的でもあるのでは・・・というのがわたしの見立てです。ですから,いま,日本語で読める「舞踊論」のテクストはあまり参考にはならないのではないか,とわたしは想像しています。

 ですので,手っとり早いのはルジャンドルの著作を手当たり次第に読むこと。そして,ルジャンドル的思考の特徴・傾向を理解しておくこと。その「舞踊論」的ヴァージョンが展開されているのだ,と考えるしかないのでは・・・と現段階ではおもっています。まだ,さきが長いですので,どのような準備をすればいいか,森元さんはもとより,西谷さんにもうかがってみようとおもいます。

 ルジャンドルの著作のうち,日本語で読める文献は以下のとおりです。
 1.『第Ⅷ講 ロルティ伍長の犯罪 <父>を論じる』,西谷修訳,人文書院,1998.
 2.『ドグマ人類学総論 西洋のドグマ的諸問題』,西谷,嘉戸,橋本,佐々木訳,平凡社,2003.
 3.『西洋が西洋について見ないでいること』,森元庸介訳,以文社,2004.
 4.『第Ⅲ講 真理の帝国 産業的ドグマ空間入門』,西谷修訳,人文書院,2006.
 5.『ルジャンドルとの対話』,森元庸介訳,みすず書房,2010.
 6.『西洋をエンジン・テストする キリスト教的制度空間とその分裂』,森元庸介訳,以文社,2012.
 7.『同一性の謎 知ることと主体の闇』,橋本一径訳,以文社,2012.

 いずれも深い洞察にもとづいたテクストばかりですが,比較的読みやすいのは3,5,6,7,でしょうか。とはいえ,重要なのは1,2,4,です。思考力と忍耐力を鍛えるにはとてもいいテクストです。ぜひ,挑戦してみてください。
コメントを投稿