2014年1月8日水曜日

猪瀬直樹氏の公選法違反告発を特捜部が受理。海外での反響やいかに。東京五輪狂想曲,鳴りやまず。

 東京五輪招致の主役だったはずの猪瀬直樹氏が都知事を辞任した時点で,海外では「いったい何事ぞ」と色めき立ったと,ドイツの友人からメールが入った。その後,イタリアの友人からも,東京五輪は大丈夫か,という問い合わせがあった。それに反して,国内では,都知事の椅子にしがみつく猪瀬氏の姿勢を批判する声は高まっても,東京五輪への影響を指摘する人はほとんどいなかったように思う。

 猪瀬氏の辞任で一件落着かと思っていたら,そうはいかなかった。新聞などの報道によれば,市民団体が提出していた猪瀬氏に対する公職選挙法違反容疑などの告発状を,東京地検特捜部が受理したという。素人の眼からしても,知事選告示の直前である9日前に5000万円もの巨額の金が現金で受け渡しされ,それを「個人的な借り入れ」と主張した猪瀬氏の言い分は,どう考えてみても納得はできない。おまけに,公開された「借用書」もまことに陳腐なもので,わたしなどはつい笑ってしまったほどだ。

 さらに,今日(7日)の東京新聞(夕刊)によれば,つぎのような驚くべき情報がある,という。記事をそのまま引用しておくと以下のとおり。
 「関係者によると,猪瀬氏は徳田前理事長と面会した際,東京電力病院(東京都新宿区)取得の意向を伝えられていた。都は東電の大株主で,副知事だった猪瀬氏が東電に病院売却を迫った経緯もあり,特捜部は,金にわいろの趣旨がなかったかについても慎重に調べるとみられる。」

 これが事実だとしたら,ことは,簡単ではない。つまり,「ヤミ献金」の記載漏れ,だけでは済まされない,ということだ。となると,これはもう重罪である。特捜部がどこまで真相を究明できるか,国民の関心は以後その一点に集中する。

 ことの真相はともかくとして,特捜部が動き始めた,という事実を海外はどのように受け止めるのだろうか,とこちらの方がわたしには心配である。都知事が辞任しただけでもたいへんな反響があったのに,こんどは特捜部が取り調べることになった,となればもはや「犯罪」が前提となることはまぬがれないからだ。

 海外メディアはこういうことには敏感だ。東京五輪開催の中心人物が辞任しただけではなく,特捜部の取り調べの対象になった,というのだから。大きな「不信」をいだくことは間違いない。来月7日から開催が予定されている冬季五輪ソチ大会もここにきて揺れている。「プーチン不信 五輪に影」「欧米首脳ソチ開会式欠席続出」と新聞は報じている。

 この種の「不信感」はひとたび起きてしまうと,それを取り返すのはたいへんだ。そのように考えると,今回の猪瀬氏の問題は,そんなに単純な問題ではない。東京五輪開催そのものに大きな「汚点」を残すのみではなく,大きな「不信感」が国際社会の中に広がってしまう。そのための「信頼回復」をどのようにするのか,そこには容易ならざるものをわたしは感じている。

 なぜなら,この種の不信感は連鎖反応を起こす可能性があるからだ。一つは,「under control 」と明言したアベ首相の発言が嘘だったということも次第に広まっているし,二つには,尖閣諸島の領有に端を発した軍国主義化への急傾斜がある。三つには,靖国神社参拝の問題がある。これも国内の楽観的な反応とは違って,アメリカでさえ不快感を示したのだ。こうして挙げていくと,恐ろしいほどの連鎖が待ち受けていることに気づく。

 つまり,日本という国家全体に対する「不信感」の問題である。今回の特捜部受理の問題は,その引き金になりかねない,というのがわたしの危惧である。もはや五輪開催は,たんなるスポーツのビッグ・イベントでは済まされない時代に入っているということだ。このことの認識が欠落している。いまの日本の指導者たちの間には・・・・。これは致命的である。

 まあ,わたし一人の杞憂に終わればいいのだが・・・・。
 クワバラ,クワバラ。
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