2014年1月6日月曜日

東京五輪狂想曲。新国立競技場よりも高い80mのJSC本部ビルを建設するという。正気の沙汰か。

 今朝(1月6日)の『東京新聞』をみて唖然としてしまった。一面トップ記事に大きな見出しが躍る。「新国立超す高さ80メートル」「JSC本部ビル便乗緩和」「競技場と一体開発」とあって,つづけて「日本スポーツ振興センター(JSC)の建て替え計画」が写真・図入りで大きく掲載されている。なにを考えているのやら・・・・。

 要するに,東京五輪という大義名分のもとに,あるいは,このどさくさ紛れに,JSC(日本スポーツ振興センター)の建物も80mのビルに建て替えてしまおう,というのである。しかも,JSCの建物は築20年しか経っていない。新しく,そんな巨大なビルを建てなければならない必要性はなにもない。

 新国立競技場の高さが最高のところで70m。この高さをさらに10mも超えるビルを建造するというのだ。すでに,よく知られているように,この明治神宮外苑内は,東京都の風致地区条例により,長い間,原則15m以上の建物は造れないことになっていた。そのため,東京都はJSCの提案を受けて,外苑の再整備案をまとめた「地区計画」を作成し,建築制限を緩め,この開発を可能にした。

 その内容は,用途などに応じて,高さや容積率の限度を設定。競技場は高さ75m,容積率250%に引き上げたのに対して,新ビル予定地は高さ80m,容積率600%にした。この結果,外苑地区に巨大な建造物が建てられるようになった,というのだ。それも,新国立競技場のデザイン・コンペが終わってから,あわててこれまでの風致地区条例の見直しをし,巨大な新国立競技場の建造を可能にした,というドタバタ劇を演じている。要するに「お手盛り」でなにもかも決定しているのだ。そのときの理屈は「東京五輪」開催のために,という決まり文句ただひとつだ。

 この「東京五輪」という錦の御旗さえあれば,なんでも可能になる。そんなことが,いま,着々と進行しているのだ。われわれの知らないうちに。

 東京都には,あちこちに風致地区条例にもとづく緑の森や広場があちこちに点在している。都心の巨大なビル群を抜け出すと,すぐ近くにオアシスのような緑の空間,すなわち風致地区が点在している。その意味ではとてもバランスのとれた都市になっている。明治神宮外苑はそのなかでも,もっとも都民に親しまれてきた都会のオアシスである。その風致地区を守ってきた条例を,一気に緩和して,巨大な建造物の建設を可能にしようという,まさに「暴挙」にでたのだ。それも,極秘裏のうちに。

 「地区計画」というものは,そもそも,その地区の特性を生かし,それを保持するために,無秩序な開発を防ぐための制度であったはずである。それを逆手にとって,高さ制限を緩和してしまう,という「地区計画」の趣旨に逆行する,まさに悪魔の手法を引き出したのである。こんなことが東京都の条例としてまかりとおっている。いったい政治とはなにか。だれのための,なんのための政治なのか。都民の意志などはどうでもいいということなのか。

 この際,思い切って言っておこう。諸悪の根源は,日本スポーツ振興センター(JSC)にある。この文部科学省所管の独立行政法人のあり方そのものに大きな問題が潜んでいる。その歴史をたどると,敗戦後の学校給食センターにまでたどりつく,恐るべき組織体なのである。結論からいえば,やりたい放題。官民一体となって,なんでもできる組織を構築してきた。それを文部科学省はすべて許してきた。もっと,はっきり言っておこう。日本スポーツ振興センターは,なにを隠そう,文部科学省のお役人たちの「天下り」の温床だったのだ。だから,恐いものはなにもない。行政を乗っ取ったような組織体なのだから。

 こういうことが「東京五輪」をとおして,たまたま明るみにでてきた。いささか遅きに失したが,この悪の温床を徹底的に洗い出し,大手術をしなければならないときを迎えている。すなわち,日本スポーツ振興センターをとりまく文部科学省,東京都の三位一体となった悪の温床を。

 さて,だれがこの猫の首に鈴をつける仕事をするのか。
できることなら,こんどの新知事は,この大英断をふるうことのできる人になってほしい。しかも,それをなしうる人が立候補している。この話は,いずれまた。
 
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