2011年5月19日木曜日

「こちら特報部」の原子力ポスターコンクール見送りの記事について。

ハントルネーム「大仏さん」からコメントが入りました。
昨日のブログの記事のうち,教育に「推進」おかしい,の内容が気がかりだというご指摘でした。この記事は,教育関係者にとってはきわめて身近な,重要なテーマだと思いますので,「気がかり」を解消するために,記事の全文を転記しておきましょう。そして,みんなで考えていただけるとありがたいと思います。わたしたちの身近には,こういう「おかしい」ことが慢性化し,惰性になっているものが,ほかにもたくさんあると思います。そのためのヒントとして,ぜひ,熟読玩味していただければと思います。

以下は引用文です。
まずは,見出しを繰り返しておきます。

原子力ポスターコンクール見送り
教育に「推進」おかしい
市民が中止要請
「事業費は自然エネルギーに」

原発をテーマにした小中学生らによるポスターコンクールが見送られた。1994年から主催してきた文部科学省と資源エネルギー庁は「原発事故が収束しない。当面コンクールはふさわしくないと判断した」と説明する。一方,市民団体は「子どももちに,将来のエネルギーは原発しかないと刷り込みをしてきたのは問題だ」と。永久中止を主張している。(篠ケ瀬祐司)

昨年度の応募要項は「ヒントを参考にして,ポスターをつくろう!」と呼びかけている。
ヒントは九つ。「地球にやさしい原子力発電」「五重の壁で安全を守る発電所」「電気のごみは,地下深くへきちんと処分」など,原発の利点や安全性を強調する内容がずらりと並ぶ。
素直な子どもたちは「ヒント」を参考にしたのだろう。入選作品をみると,地中に核廃棄物が眠る花畑で笑顔をみせる女の子の絵や,原発が森林保全に役立っているデザインに「原子力は地球を守る」との標語をかぶさた「原発との共生」をうたった作品が目立つ。
同コンクールは「ポスターをつくることで,原発に親しみを持ってもらおうというのが目的」(資源エネルギー庁原子力立地・核燃料サイクル産業課)だから,「ヒント」に沿って原発推進色の強いポスターが出品されたのは,主催者の狙い通りともいえる。
文科省によると,これまでに反原発ポスターの応募もあったが,入選はしていないという。
毎年6月に募集を始め,夏休み明けの9月に締め切ってきた。昨年度は小学生以下の3,694人と中学生以上の3,197人が参加した。昨年の実施費用は約4千万円。運営は財団法人「日本原子力文化振興財団」が請け負った。
今年は「原発事故だけでなく津波の被害などで住む場所もない方がいる。今は復旧復興に力を入れるのが先だ」(文科省原子力課)として募集前に実施が見送られたが,そもそも賛否が分かれる原子力利用をめぐり,子どもたちにポスかーをつくらせることには批判の声が上がっていた。
同コンクール中止に向け,1万2千人以上の署名を集めたNPO法人「環境市民」(京都市)の堀孝弘事務局長は「原発は事故だけでなく,放射性廃棄物処理や,原発建設の賛否をめぐる地域対立などの社会的問題を抱えているのに,利点だけを強調するのはおかしい」と指摘する。
その上で「物事を多面的にみるのが教育なのに,子どもに一方の考え方を刷り込むのでは軍国主義(時代)と変わらない」と,教育現場に「原発推進」が持ち込まれたことを厳しく批判する。
同コンクールは来年度以降どうなるのだろうか。文科省は「福島の事故の検証や原子力政策をめぐる議論には時間がかかるから,来年度も開催は難しいのではないか」(原子力課)とするが,資源エネルギー庁は「開催見合せは『当面』。(今後は)様子をみながら決める」(原子力立地・核燃料サイクル産業課)と微妙にニュアンスが異なる。
堀氏は「事故が収束したとしても,多くの人の生きる糧やすむ場所を奪ったのは事実。これを記憶するためにもコンクールは永久に中止し,その分のカネを自然エネルギー推進に使うべきだ」と話している。

以上,全文です。
今夜はこの記事について,余分なことは言わないことにします。みなさんのところで,じっくりと考えてみてください。これが,ひとつの現実なのだ,ここをどのように切り抜けていくか,がこれからの大きな課題になってくるとわたしは考えています。そのためには,やはり,ある「覚悟」が必要だ,と。この「覚悟」をどのようにしてわがものとしていくか,それが問題です。
では,今夜はこれまで。

「大仏」さん,いかがですか。


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