2014年11月7日金曜日

リオ五輪の準備,マイペース。W杯に続き準備遅れ。東京五輪も暗雲が漂う。

 東京五輪2020の施設づくりが,新国立競技場の建造計画を筆頭に暗雲が漂いはじめ,このさきの行き先が不透明になってきた(この点については,いずれ詳しく書く予定),と思っていたら,なんとリオ五輪2016の施設づくりはもっと酷いことになっているようです。東京新聞の11月4日の「核心」という大きな囲み記事で報じています。

 もっとも,これがブラジル流といえばブラジル流。ことしの6月に開催されたサッカーW杯の準備も遅れに遅れ,大会ぎりぎりで間に合わせたことは,まだ,わたしたちの記憶に新しいところです。ですから,リオ五輪2016も同じようなペースで準備が進められているようで,いかにもブラジルらしいということでしょう。

 しかし,W杯のときには,突貫工事でなんとか大会ができるところまで漕ぎつけましたが,その内実は酷いものでした。あまりに工事を急いだために安全確保がおろそかになり,労働者に死者がでるという悲劇が生まれてしまいました。さらには,大会までに完成させる予定だった空港や道路などの工事のうち,23件は間に合わなかった,といいます。それでも大会はできた,だからそれでいいのだ,というのがブラジル流。

 
「私が見た歴代の開催都市の中で,最悪の準備状況」と,IOCのジョン・コーツ副会長が酷評しているという記事もここには書かれています。いつからこういうことが始まったのか,残念ながらわたしは承知していませんが,IOCは開催都市の準備状況を監視し,指導・助言をすることになっています。言ってみれば,いらぬお節介,です。なぜなら,IOCが開催都市を選定する段階で,それらの点については徹底的にチェックし,不安を払拭できているべきだからです。にもかかわらず,開催都市が決定してからも,定期的に視察にやってきて,いろいろと指導・助言という名の注文をつけたりするわけです。
 
そのたびに開催都市はIOC委員に対して丁重なおもてなしをすることになります。そして,おみやげも。つまり,IOC委員が甘い汁を吸うための豪遊に等しい,というのが実態であり,なんともみっともない制度を仕組んだものだ,というのがわたしの受け止め方です。

 それは東京五輪2020も同じです。すでに,何回もIOC委員が施設づくりの進行状況を監視するために来日しています。そのたびに,組織委員会,東京都,文部科学省,JOC,などが篤いおもてなしをしています。もともとが,ヨーロッパの貴族たちが寄り集まって始めた「お遊び」,それが近代オリンピック競技大会ですから,こんなことは当たり前という感覚かもしれません。

 それだけではありません。IOC委員に満足してもらうために,必要以上に立派な競技施設をつくろうという意識がはたらきます。さらには,五輪招致を絶好のチャンスととらえ,新しい都市開発に手をつけることも稀ではありません。実際に,東京五輪2020は東京湾の埋め立て地の空き地(東京都が保有しているもののいろいろ問題があって売れない土地)をフル活用して,新しい副都心を構築しようという陰謀が石原都知事によって仕組まれています(このことは,すでに,このブログでも書いたとおりです)。それが半径「8キロ圏内」のコンパクトな五輪構想の内幕です。

 そのための新しい競技施設をどんどん作ろうという当初の構想そのものが,資材や労働力の不足などの理由により,ゆらぎはじめています。新国立競技場の建造計画も暗礁に乗り上げていて,いましばらくは身動きすらできない状況に追い込まれています。それに追い打ちをかけるかのように,舛添都知事は,いまごろになって,東京五輪2020の施設計画を最初から見直す,とロンドンの視察先で宣言しています。そして,これから組織委員会や各競技団体との詰めの話をすることになっています。

 そのためには,もはや,時間の余裕がありません。来年2月には,最終的な施設計画と大会のスケジュールを決定して,IOCに提出しなければなりません。最後のもっとも大事な決定を,そんな短時間ではできるわけがありません。

 リオ五輪の準備も,ラグビー場建設予定地がまだ更地のままであるとか,ゴルフの会場も工事中であるのに裁判所から「環境保護上問題がある」として3ホール分の計画変更を銘じられ,いまは,工事が中断したままになっている,といいます。その他にも問題が山積していて,これらの難題を,残り1年9カ月という短期間で乗り切れるのか,不安ではあります。

 しかし,これを他山の火事として高みの見物をしている余裕は,東京五輪2020の実務担当者にはないはずです。こちらもまた背中に火がついたカチカチ山のたぬきさんと同じです。走れば走るほどに火の手は大きくなってきます。さてはて,この1,2カ月の間は,東京五輪の準備の動向から眼を離すことはできません。

 大変なことになってきている,というのがわたしの観測です。リオ五輪のことを笑っている場合ではありません。残念ながら・・・・。
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