今夜はコマーシャルをひとつ。水曜日定例の「サロン」を終えて帰宅したら,『世界』6月号がとどいていました。発売はたしか8日のはず。でも,執筆者ということで書店への配送と同時に,送り届けてくれたようです。なるほど,月刊誌は発売の5日前にはできあがっているのだ,ということを知りました。これまでに書いてきたことのあるほかの月刊誌は,いつも,発売後に届けられていましたので,ちょっとばかり感動です。
さて,掲載された拙稿のタイトルは,「大相撲 真の再生への提言──21世紀的世界観に立った改革を」というものです。内容をここで紹介するのも難儀なので,とりあえず,小見出しを列挙しておきますので,それなりに想像してみてください。
「問題噴出の根底にあるもの」
「大相撲『商品化』への道を断ち切れ」
「天皇賜杯という契機」
「21世紀的世界観に立つ改革とは」
P.172~179.以上。
この原稿の骨子は,このブログのなかで何回かに分けて,すでに書いてあったものです。ですから,このブログを熱心に読んでいただいている方たちには,おおよその見当はつくのではないかと思います。ただし,それらを「つなぎ合わせる」にはどうしたらいいか,とずいぶん考えました。が,結局,「つなぎ合わせる」などという安易な考え方は間違っているということに,あるとき気づきました。そこで,一旦,ブログに書いたことは忘れることにして,まったく新たに書き下ろすことにしました。そう決心するまでが時間がかかりました。
ようやく腹も決まって,そろそろ書きはじめようと思っていたやさきに3月11日の大地震が襲ってきました。それから3日間ほど,なにも書けないまま,ひたすらインターネットで情報を掻き集めていました。そこに「計画停電」なるものがやってきました。じつは,この原稿の締め切りは3月20日。もう,残りの時間がありません。で,とても焦りました。同時に,大相撲問題なんかを書いているときではないのではないか・・・・とずいぶん悩みました。が,約束は約束です。担当編集者から「取消し」なり「延期」なりの連絡がないかぎり,引き受けた以上はなにがなんでも書かなくてはいけない,と考えました。でも,毎日のように「計画停電」がある,と脅かされ気もそぞろになってしまいました。結局,なにも書けませんでした。
これではいけないと考え,とうとう16日になって弟の住む愛知県豊橋市に,一時避難をして原稿を書くことにしました。これで気持ちがいくらか落ち着き,集中して原稿を書き上げることができました。でも,書き上がったのは20日の早朝。そのまま,弟の家を飛び出して,「ISC・21」3月大阪例会(大阪学院大学・世話人松本芳明さん)に向かいました。その日の午後,この書き上げたばかりの原稿を読み上げて(原稿のコピーは配布),いろいろ批判をしていただき,翌日(21日)の早朝,ホテルで推敲をすませ,岩波書店の担当編集者に送信。
ようやく,なんとか間に合わせたとほっとしていたら,「緊急の編集会議がいま終わって,5月号は「緊急臨時編集号」に切り換えることが決まった」とメールが入りました。それが23日(水)だったと記憶しています(とても怪しい)。で,メールの最後のところに「しばらく時間をください」とありました。ああ,これはボツではなくて,どこかで掲載してもらえる,とほのかな期待をもつことにしました。
その間に,八百長問題調査特別委員会による「25名の元力士処分」の提言がでて,日本相撲協会は,それを丸飲みしてそのまま処分をしてしまいました。これはまたとんでもないことを・・・・と憤っていたら,担当編集者から連絡が入りました。「6月号に掲載する予定のゲラがでてきましたので送信します」とある。そして,「この処分の問題もふくめて,もう少し原稿を書き足してください」という。この「もう少し」という表現を自分なりに解釈して,できるだけ短く書いたつもりだったのですが,いつのまにか相当の分量になっていましたが,そのまま送信しました。そうしたら,大幅に予定ページをオーバーしているので,こんな風に「切り貼り」をして字数の調整をしました,といって最終ゲラが送信されてきました。それをみると,じつにみごとなブラッシュ・アップをしてくれていて,なんの異論もありません。
それがそのまま最終稿となって,6月号にそのまま掲載されています。いわば,原文はわたしの原稿ですが,仕上がりは編集者の手が加わっていて,いわば「合作」です。腕のいい編集者のお蔭です。これはもう感謝あるのみです。
というわけで,とても難産ではありましたが,かなり満足のいく仕上がりとなっています。これまでの大相撲問題の議論とはいささか趣の異なる,新しい視点をいくつか提示したつもりです。どうか,書店で手にとって内容をチェックしてみてください。
それから,これはわたしにとってはとても嬉しいことなのですが,孫正義さんの「東日本にソーラーベルト地帯を──太陽の港,風の港で日本は甦る」という,素晴らしい原稿が同じ6月号に掲載されています。自分の原稿のことはそっちのけにして,まずは,孫さんのこの玉稿を一気に読んでしまいました。そうだ「太陽」と「風」でいいんだ,とますます意をつよくしました。「原発」はもういい。そして,「太陽」と「風」で十分に電力をまかなうことはできる,と確信することができました。こういう議論をもっともっと展開していかなくてはいけない,ととても勇気を与えられました。
その他にも,素晴らしい論考が満載です。わたしの敬愛している柳澤桂子さんも「原子力発電から離れよう」という論考を寄せていらっしゃいます。それでいて定価は840円。
ぜひ,手にとってごらんください。
さて,掲載された拙稿のタイトルは,「大相撲 真の再生への提言──21世紀的世界観に立った改革を」というものです。内容をここで紹介するのも難儀なので,とりあえず,小見出しを列挙しておきますので,それなりに想像してみてください。
「問題噴出の根底にあるもの」
「大相撲『商品化』への道を断ち切れ」
「天皇賜杯という契機」
「21世紀的世界観に立つ改革とは」
P.172~179.以上。
この原稿の骨子は,このブログのなかで何回かに分けて,すでに書いてあったものです。ですから,このブログを熱心に読んでいただいている方たちには,おおよその見当はつくのではないかと思います。ただし,それらを「つなぎ合わせる」にはどうしたらいいか,とずいぶん考えました。が,結局,「つなぎ合わせる」などという安易な考え方は間違っているということに,あるとき気づきました。そこで,一旦,ブログに書いたことは忘れることにして,まったく新たに書き下ろすことにしました。そう決心するまでが時間がかかりました。
ようやく腹も決まって,そろそろ書きはじめようと思っていたやさきに3月11日の大地震が襲ってきました。それから3日間ほど,なにも書けないまま,ひたすらインターネットで情報を掻き集めていました。そこに「計画停電」なるものがやってきました。じつは,この原稿の締め切りは3月20日。もう,残りの時間がありません。で,とても焦りました。同時に,大相撲問題なんかを書いているときではないのではないか・・・・とずいぶん悩みました。が,約束は約束です。担当編集者から「取消し」なり「延期」なりの連絡がないかぎり,引き受けた以上はなにがなんでも書かなくてはいけない,と考えました。でも,毎日のように「計画停電」がある,と脅かされ気もそぞろになってしまいました。結局,なにも書けませんでした。
これではいけないと考え,とうとう16日になって弟の住む愛知県豊橋市に,一時避難をして原稿を書くことにしました。これで気持ちがいくらか落ち着き,集中して原稿を書き上げることができました。でも,書き上がったのは20日の早朝。そのまま,弟の家を飛び出して,「ISC・21」3月大阪例会(大阪学院大学・世話人松本芳明さん)に向かいました。その日の午後,この書き上げたばかりの原稿を読み上げて(原稿のコピーは配布),いろいろ批判をしていただき,翌日(21日)の早朝,ホテルで推敲をすませ,岩波書店の担当編集者に送信。
ようやく,なんとか間に合わせたとほっとしていたら,「緊急の編集会議がいま終わって,5月号は「緊急臨時編集号」に切り換えることが決まった」とメールが入りました。それが23日(水)だったと記憶しています(とても怪しい)。で,メールの最後のところに「しばらく時間をください」とありました。ああ,これはボツではなくて,どこかで掲載してもらえる,とほのかな期待をもつことにしました。
その間に,八百長問題調査特別委員会による「25名の元力士処分」の提言がでて,日本相撲協会は,それを丸飲みしてそのまま処分をしてしまいました。これはまたとんでもないことを・・・・と憤っていたら,担当編集者から連絡が入りました。「6月号に掲載する予定のゲラがでてきましたので送信します」とある。そして,「この処分の問題もふくめて,もう少し原稿を書き足してください」という。この「もう少し」という表現を自分なりに解釈して,できるだけ短く書いたつもりだったのですが,いつのまにか相当の分量になっていましたが,そのまま送信しました。そうしたら,大幅に予定ページをオーバーしているので,こんな風に「切り貼り」をして字数の調整をしました,といって最終ゲラが送信されてきました。それをみると,じつにみごとなブラッシュ・アップをしてくれていて,なんの異論もありません。
それがそのまま最終稿となって,6月号にそのまま掲載されています。いわば,原文はわたしの原稿ですが,仕上がりは編集者の手が加わっていて,いわば「合作」です。腕のいい編集者のお蔭です。これはもう感謝あるのみです。
というわけで,とても難産ではありましたが,かなり満足のいく仕上がりとなっています。これまでの大相撲問題の議論とはいささか趣の異なる,新しい視点をいくつか提示したつもりです。どうか,書店で手にとって内容をチェックしてみてください。
それから,これはわたしにとってはとても嬉しいことなのですが,孫正義さんの「東日本にソーラーベルト地帯を──太陽の港,風の港で日本は甦る」という,素晴らしい原稿が同じ6月号に掲載されています。自分の原稿のことはそっちのけにして,まずは,孫さんのこの玉稿を一気に読んでしまいました。そうだ「太陽」と「風」でいいんだ,とますます意をつよくしました。「原発」はもういい。そして,「太陽」と「風」で十分に電力をまかなうことはできる,と確信することができました。こういう議論をもっともっと展開していかなくてはいけない,ととても勇気を与えられました。
その他にも,素晴らしい論考が満載です。わたしの敬愛している柳澤桂子さんも「原子力発電から離れよう」という論考を寄せていらっしゃいます。それでいて定価は840円。
ぜひ,手にとってごらんください。
1 件のコメント:
「世界」6月号に執筆していらっしゃったのですね。全然、知らなかったわ。バックナンバーって入手できるのかしら?
コメントを投稿