2010年9月10日金曜日

琉球料理『御茶屋御殿』(うちゃやうどぅん)のオープニング・セレモニー

 昨夜,琉球料理のお店『御茶屋御殿』のオープニング・セレモニーが行われ,喜び勇んで出席させていただいた。場所は銀座三越の12階。
 ついに,「うりずん」の土屋實幸さんが,日本の臍(中心)・銀座四丁目に進出した。しかも,デパートの老舗「三越」の最上階(12階)の西北の角という最高の場所。つまり,銀座四丁目の交差点を眼下に収め,銀座通りの西には東京タワーが,晴海通りの北には皇居の杜が,そして,その周囲には最近になってニョキニョキと建てられた超高層ビルの群れが,ところ狭しとばかりに密集している。しかも,色とりどりのネオンに飾られ,夜景だけでも天下一品である。
 つい2年ほど前には,新丸ビルに「東京うりずん」店をオープン。このときも超満員。店の外にも椅子を出して・・・という盛況であった。その後も,予約なしには入れないほどの大盛況。こちらは,沖縄の郷土料理と泡盛とオリオン・ビールがメイン。
 この勢いに乗って,今回の銀座進出である。こんどは,琉球王朝が遠来の賓客を接待するために編み出されたという琉球料理である。土屋さんのお話によれば,すでに,琉球料理をつくれる人がほとんどいなくなってしまっている,とのこと。もし,いても高齢化していて,店をやってもらえるだけの体力がなくなっている,とか。そこで,土屋さんは考えて,若手の琉球料理志願者を募って,高齢者から技術を伝授してもらい,それを磨き上げるという手法だった。どうやら,20年,30年も前から土屋さんの構想のなかには組み込まれていたようだ。その一部が,もう何年か前に,那覇のうりずんの近くにオープンした琉球料理専門のお店だ。このときも運良く,わたしたち家族は那覇に滞在していて,オープニング・セレモニーにお招きいただいた。古い民家を改造したのだそうだが,内装は凝りに凝っていて,土屋さんのセンスのよさがここかしこに光っている。ずいぶん,時間をかけて,材料を集め,職人を探し,やっとここまできた,と土屋さんが感慨深げにつぶやかれたのが印象に残っている。
 こういう長い時間をかけて,とりわけ琉球料理の味についても,いろいろと試行錯誤しながら,ようやくここにたどりついたという次第である。そのたどりついたところが銀座四丁目だった。この感慨が,オープニング・セレモニーでの土屋さんのご挨拶のなかにも現れていて,聞く人のこころを打った。沖縄の食文化を,銀座四丁目から,世界に向けて発信したい,と。そのために全力を傾けるつもりなので,ぜひ,応援をしてください,と。いつもにこやかで,おだやかなお人柄とは別の,こころの奥深くに秘めた情熱が,そこはかとなくつたわってくる。味のある人だなぁ,としみじみと感心してしまう。
 若いころ,土屋さんのお世話になったお蔭でこんにちがある,と語る人のなんと多いことか。わたしのような,ほんのたまにしか那覇の「うりずん」も東京の「うりずん」もでかけることのない人間ですら,ちょっと数えられないほどの人と出会っている。そういう人が,あらゆるジャンルにわたって活躍していらっしゃる。このことについては,いつかまた機会をみつけて「土屋實幸物語」でも書いてみたいと思うほどである。困った人に会うと黙ってはいられない。可能な範囲で支援してやりたい。そんな土屋さんの思いが,あちこちで表出する。おそらくは,若いころに苦労されて,そのときに受けた温情が忘れられないのだろうとおもう。だれもが,そういう経験をもっている。そして,みんな,困った人は助けてあげたいとおもう。おもうところまではみんな同じだが,それを実行できるかどうかは,大違いだ。
 昨夜のパーティでも,じつに多くの人が,初対面のわたしに向って,土屋さんにはお世話になっているんですよ,とおっしゃる。そして,またまた,いろいろの人とお知り合いになれ,一夜にして宝物が増えたなぁとおもう。これらの人たちとは,また,新しいお付き合いがはじまる,という予感でいっぱいだ。嬉しいかぎりである。これもまた土屋さんのお蔭。かく申すわたしも,娘が土屋さんのお世話になっている。土屋さんとの出会いがなかったら,娘のこんにちはなかった,と思う。娘は「沖縄のお父さん」と慕っている。
 土屋さんのことを語りはじめるといつも際限がなくなってしまう。この話はこの程度にしておこう。それよりも,今回は,『御茶屋御殿』。案内状のふりがなをみて,なるほど「うちゃやうどぅん」と読むのかと知る。「御殿」を「うどぅん」と読むことは知っていた。琉球王朝に伝わったという空手の「御殿手」(うどぅんでー)についての本を,むかし読んだことがあるから。この「うちゃやうどぅん」が,新丸ビルの「東京うりずん」につづいて,大盛況であらんことを祈るばかりである。
 営業は,午前11時から夜の11時まで。時間帯によって,ランチ・タイム,カフェ・タイム,ディナー・タイムの三部構成になっているそうだ。読者のみなさんも,どうか,珍しいお客さんの接待にはもってこいの場所・内容ですので,大いに利用してください。外国のお客さんなどには,忘れられない思い出になること,請け合いです。古い友人との一夕にも,申し分なし。
 以下は,『御茶屋御殿』の概要。
 〒104-8212 東京都中央区銀座4-6-16
            銀座三越12階
            Tel/Fax 03-6228-6916
                               http://www.utyayaudun.com/
 〔営業時間〕
 昼食              11:00~14:00
 なかゆくい(カフェタイム) 14:00~17:00
 夕食              17:00~23:00   
 ※年中無休
 ※コース・メニューによっては,2日前までに予約が必要なものがありますので,電話で確認をしてください。
 以上。

 読者のみなさん,『御茶屋御殿』をご贔屓にしてくださいますよう,わたしからもお願いいたします。


 

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