2011年4月21日木曜日

孫正義さんの「脱原発財団」設立に拍手。

ソフトBの孫正義さんが「脱原発財団」を設立するという。その名も「自然エネルギー財団」。太陽光と風力を用いて電力を確保し,「脱原発」をめざす「東日本ソーラーベルト構想」を,民主党の「東日本大震災復興ビジョン検討チーム」の会合で提案した,という。
詳しいことはまだ明らかにされていないが,孫正義さんの基本コンセプトに大賛成だ。民主党は,迷うことなく,「ただちに」決断して「脱原発」にむけて舵を切るべきだ。これしか,もはや,民主党が生きのびる道はないだろう。これが最後のカードだ。

原発の「安全神話」が崩壊したいまとなっては,もはや,原発にしがみつく根拠はなにもなくなってしまった。しかも,原発の事後処理に莫大な時間と金がかかることも知れ渡ってしまった。いまこそ「脱原発」にむけて舵を切るべきときだ。

東電という会社は,とにもかくにも損害賠償金を支払い,その結果として「破産宣言」をして管理会社に移行すべきだ。もはや,自力で会社を建て直す力など微塵も感じられない。それどころか,政府与党や官僚,そして,マスコミまで巻き込んで,あくなき利潤の追求しか考えてはいない。その体質が今回の事件をとおして,丸見えになってしまった。かくなる上は,一刻も早く,現執行部を全員クビにして,その「責任」(わたしは明らかな「犯罪」だと考えている)を追求すべきだ。

今朝の朝日新聞の一面トップの大見出しをみて「唖然」としてしまった。いつから東電は国家と一体化したのか,と。東電の損害賠償金を国が支援する,というのだから聞いてあきれる。つまり,一企業の大失態に対して,われわれの税金を使うというのだ。東電の幹部(患部)の責任を問うこともしないで,そのままの体制を容認し,そこにわれわれの税金を注ぎ込むというのだ。もはや,開いた口が塞がらない。おまけに,その下の方には「6月には電気料値上げか」という小見出しをつけて,東電擁護のお膳立てまでしている。こうして,東電を救済するにはこれしか方法がないという世論操作を,朝日新聞が率先して行っている。あきれてものもいえない。朝から腹が立って,もう,抑えようがない。今日こそ,長年,愛してきた朝日新聞とも決別だ。

事務所にくる途中で,東京新聞を買って,くまなくチェックしてみた。なんと,朝日のトップの記事がどこにも見当たらない。東京新聞のトップ記事は「原発20キロ圏警戒区域に」というもので,この問題に関連する記事が,じつに目配りよく,整理されている。「20キロ圏内になお百数十人」という見出しのもとに「処罰覚悟の住民も」「足悪い,放っておいて」という小見出しがつづく。読んでいて胸が痛む。住民の目線からの記事が,あちこちにある。朝日とは大違いだ。2面のトップには,「米大手が原発投資断念」という大見出しにつづき「福島事故で建設不透明」という小見出しがついている。この記事は,朝日にはない。

今日のブログのタイトルにした「脱原発財団」の立ち上げに関する情報は,インターネット上を流れているもので,今日の夕刊あたりには記事になってくるだろう。さて,この記事を新聞各社がどのように扱うか,みものだ。

さて,そろそろ「脱原発」のキャンペーンを張るジャーナリズムが登場してもいいと思うのだが・・・。これは叶わぬ夢なのだろうか。かつては,「帝銀事件」をめぐって,新聞各社が論戦を展開したことがある。それは,「有罪論」と「無罪論」との二手に分かれての論戦であった。こういうことを,これからのジャーナリズムには期待したい。そして,「脱原発」か「原発擁護」か,徹底した論戦を社運をかけて展開してほしい。そうすることによって,問題の本質がより深く浮き彫りになってくる。「原発」に関しては,そういう公明正大な議論があってしかるべきだ。

孫正義さんの「東日本ソーラーベルト構想」が明白になってくると,そういう議論が持ち上がってくるのではないか,とわたしは期待している。そして,もちろん,わたしは「脱原発」派に身を寄せて,できることなら議論に加わりたいと思っている。
孫さんの勇気ある「脱原発財団」の設立にこころからの拍手を送りたい。個人で「100億円」の義援金を寄付し,なおかつ,これからの役員報酬のすべても義援金として寄付するという,この孫さんの熱い情熱にもエールを送りたい。

そして,わたしもまた微力ながら,「脱原発」への方途をさぐってみたいと思う。個人のレベルでもできることはやってみたい,と。

〔追加の注〕:孫正義さんの記事は,東京新聞の朝刊にはコラムになって掲載されていた。これをうっかり見逃していた。それに対して,朝日新聞では夕刊にも,孫さんの記事はなかった。まったくの無視である。これで朝日の体質の一部が明白となった。おやおや,である。

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