2011年4月10日日曜日

浜岡原発 すぐ止めて! のデモに参加しました。

 デモに参加するのは何年ぶりだろう。60年安保・70年安保のとき以来のことだ。久しくノンポリを決め込んできたが,こんどというこんどは立つしかない,と自然にからだが動いた。期限つきで引き受けた仕事は山ほどあるというのに・・・。今回はからだの理性にしたがうことにした。
 数日前のブログにも書いておいたように,今日(10日)は「4・10東京─市民集会」が芝公園・23号地で開催され,そのあと芝公園から経済産業省別館前・中部電力東京支社前・東電本社前・銀座数寄屋橋交差点(ソニービル前)・東京駅前・常磐橋公園まで,およそ3時間をかけてデモ行進をした。天気がよかったので,デモ日和。
 集まった人数はおよそ2,500人(主催者発表)。わたしの予想をはるかに超える人数だった。嬉しかった。これは動く,と直観した。浜岡原発すぐ止めて!実行委員会を組織した団体は13団体(4月6日現在)。老若男女,あらゆる年齢層の人たちが集まっている。これまで息をひそめて成り行きを見守っていた人たちが,ようやく思い腰をあげて動きはじめた,というそんな印象が強い。今日は,高円寺でも,若者たちを中心にした集会が組織されているとも聞いている。また,集会場で配布されたさまざまなリーフレットをみると,このあと,ぞくぞくと「脱原発」運動の企画があって,デモが展開されることになっている。大学の学生自治会の連合体が組織する集会も予定されている。ようやく,わたしも含めて「ゆでカエル」が目覚めて,ぬるま湯から飛び出して,ほんとうのからだの声に耳を傾けようという人たちが着実に増えていると実感する。
 次回は,24日(日)に集会とデモが予定されている。主催は「原発とめよう!東京ネットワーク」。
 集合日時:4月24日(日)午後2時~
 集合場所:芝公園・23号地
 集会開始:午後2時30分~
 デモ出発:午後3時30分~
 コース:今日と同じ。
 驚いたのは警察官の数。こんなに大勢の警察官が道路に配備されている。しかも,ビルの影には予備軍が隠れるようにして屯している。久しぶりにデモに参加したわたしとしては,違和感が強すぎる。かつてのように,安保反対運動のときのような,学生を主体とした運動体ならいざしらず,あるいは,かつての労働運動が激しかったころの労働団体のデモならまだしも,平服のごとにでもいる一般市民の集団である。わたしなどは,どこにも所属していない,まったくの個人の意思で参加しているにすぎない。見回したところ,わたしのような人たちがほとんどである。この集会とデモを組織した人たちの演説を聞いていても,まことに善良なふつうの市民の声である。この場にも警察官は遠くをとりまくようにして警戒にあたっているのだから,どんな雰囲気の集団であるかは,すぐにも道路に配備された警察官たちには伝えられているはずである。
 道路は,交通整理をするという目的で,ある程度は正当化されるとしても,経済産業省前と中部電力東京支社前と東電本社前には,これまた過剰なほどの警察官がびっしりと立って周囲を固めている。なんびとたりとも一歩も近づけさせはしない,という物々しい構えである。なにかカンチガイをしている。しかも,憎々しげにこちらの顔をみている。それも,大いなるカンチガイである。あなた方は,東電や中部電力から給料をもらっているわけではない。デモをしながら歩いているこちら側の人たちの税金で支払われているということをお忘れなきように。
 できることなら,車道側に縦一列,警察官の隊列をつくって,一緒に「原発は危ない!」「浜岡は止めろ!」「子どもを守れ!」と一緒にシュレヒコールをしながら歩けばいいのに・・・。交通規制は必要なので,警察官の手は必要だ。だから,行動をともにしながら,勤務をはたせばいい。その方がはるかに平和で,みんなで「脱原発」に向かって進むことができる。考えてみれば,お気の毒な人たちではある。たぶん,個人的には「脱原発」に大賛成の警察官も少なくないはず。それでも敵対しなくてはならない・・・とは,情けない。
 もう一つのサプライズ。『ニューヨーク・タイムズ』の記者だというジャーナリストから取材を受けたこと。きれいな日本語で話しかけられ,安心して思いのたけをぶっつけておいた。名前も職業も聞かれた。じつにまともな質問だった。内容はかなり長い時間にわたって細部にまで立ち入っているので,残念ながら省略。もう一つは,スペイン国営放送だというクルーに声をかけられ,歩道に立たされてカメラを前に取材されたこと。こちらもみごとな日本語。こちらはとてもコンパクトなものだった。問いの一つは「今日のデモの目的はなんですか」「原発はなぜ止めるのか」「世界にむけてメッセージを」という三つだった。こうした外国のジャーナリストやテレビ・クルーはかなりの数がいたように思う。とても目立っていた。
 それに引き換え,日本のジャーナリズムはなにをやっていたのか。NHKも見かけなかったし,民放も一社も見かけなかった。新聞社も同じ。日本の新聞社の名前はどこにもみられなかった。もっとも,私服でデモの中に紛れ込んでいたかも知れない。しかし,メモをとっている記者らしい人の影はひとつも見かけなかった。
 このデモが,国内ではどのように報道されるのか,まったく無視されるのか,それともとってつけたような形ばかりの報道で済ますのか,じっくりと観察したいものだ。真実を伝えるジャーナリズムの真の姿をみとどけるとしよう。
 2,500人のデモは,近年では,相当に大きなデモである。その意味で,やはり,参加してよかったなぁ,としみじみ思う。
 そして,これがきっかけとなって,全国に「脱原発」運動が展開されるといい,と思う。その,かすかな手応えがあった,とわたしは確信する。小さな行動から,少しずつ大きな輪になって,全国に広がっていくことを願うばかりだ。
 次回は,24日(日)。たぶん,わたしの頭ではなく,からだが反応してくれるものと思う。そういう運動への参加の仕方をしていこうと思う。今日はいい日だった。

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