選挙のたびに民主主義とはなんだろう,といつも考えてきました。いまのこの選挙制度は,ほんとうに民意を反映しているといえるだろうか,と。どう考えてみても奇怪しいのではないか,と。ずっと,そう考えてきました。が,「3・11」後を生きることになったいまは,そんな悠長なことは言ってはいられません。なんとしてでも,「3・11」以前の政治からの脱出が不可欠です。絶対に過去の政治にもどってはいけません。
こんどの選挙は日本という国のこんごの進むべき骨格を決める選挙だとわたしは位置づけています。それはこれまでの選挙とはまったく意味が違う,とんでもなく大事な選挙だということです。繰り返しますが,「3・11」以前までにつくりあげられてきた政治のままでいいとするか,そうではなくて「3・11」以前の政治とはまったく違う,新しい別の政治をめざすのか,という関ヶ原の戦いだと思っています。その結果いかんによっては,日本が世界の冠たる国づくりの範を垂れる道へと第一歩を踏み出すことができるか,それとも旧態依然の自民党時代(「55年体制」)の政治にもどってしまうのか,天下分け目の選挙だとわたしは位置づけています。
その意味もあって,今日の午後7時から10時までNHKテレビの選挙報道に注目しました。なぜなら,他の民放はすべて選挙とはなんの関係もない,いわゆる娯楽番組(わたしのいう「バカ番組」)をいつもと同じように流していたからです。じつは,これにもあきれ返ってしまい,日本の国のあまりのお粗末さに直面し,情けなくなってしまいました。もし,あったとしても,定時の報道番組が,それもニュースの一部としてとりあげているだけです。つまり,民放にとってはこんどの選挙はどうでもいいことであって,ほとんどなんの関心もないということでしょう。もし,報道してもだれも見ない,つまり,視聴率を稼ぐことにはならない,スポンサーもつかない,だから「意味のない情報」という位置づけです。つまり,「カネ」にならない情報という判断です。ここには,「命」よりも「カネ」の方が大事だ,という姿勢が露骨に現れています。それに比べればNHKは,まじめに選挙と取り組んでいる,と言っていいでしょう。
しかしながら,そのNHKの取り上げる選挙情報が,きわめて意図的・計画的にきちんと編集されている,ということを見逃してはなりません。編集とは,どこまでいってもある意図がはたらいています。つまり,編集という名のもとに,NHK的「客観性」という世論操作がなされているということです。それは,今夜の番組をみていてしみじみ思ったことです。一見したところ,中立で客観的な立場をとっているようにみえます。が,いくら隠していても,みる人がみれば,そのうしろに隠されている意図が透けてみえてきてしまいます。
それは,各党の選挙スローガンの主張が複雑で,わかりにくいものである,したがって選挙民は困惑している,という前提に立つ報道番組を構成しているということです。アナウンサーがわざわざそんなことをいう必要はありません。淡々と,各党の主張を流せばいい。それも大小の政党の区別をすることなく,どの党にも均等に時間を配分すべきではないでしょうか。小党などは,どうでもいいといわぬばかりの短い時間しか与えてはもらえません。少なくとも,初日の今日くらいは,みんな平等に時間を配分すべきではなかったか,とわたしは考えます。
弱小政党が,なにゆえに独立独歩の道を選び,自己主張をしようとしているのか,その声に耳を傾けることは民主主義の精神からすれば,きわめて重要なことではないでしょうか。それを,当たり前のように切り捨てて(時間的に),平気であるNHKの良識とはいったいなにか,というのがわたしの大いなる疑問です。こういう報道をするからこそ,受信料を払いたくない,それどころか,こんな放送局を支援することは犯罪的ですらある,と自責の念にかられることになってしまいます。
NHKのこの姿勢は,どう考えてみても世論操作です。のみならず,世論調査結果という名のもとに,経済・景気回復をもとめる人が91%もある,という数字をわざわざ報道の途中で挟みます。それがダントツで一位,そして,そのあとに三つがつづき,原発ゼロは第5位である,とこれみよがしに画面をアップにして,しばらく動かそうとはしません。いつまでこの画面を見せつけるのか,とあきれてしまいました。この画像,この時間の長さ・・・・そこには明らかにある種の意図がはたらいているとしか思えません。
言ってしまえば,「原発ゼロ」の主張をあいまいなものにする,という意図です。選挙の直前になって,あの自民党ですら,原発は危険と判断されたものについては止める,最終的には原発に依存する社会からの脱出をめざす,といいはじめました。こうなると,原発を維持する,つまり,こんごも原発を建造して電気をそこに頼るべきだ,と主張する政党はどこにもなくなってしまいます。ならば,いますぐにでも,大飯原発を止めて活断層の調査を優先させるべきではないでしょうか。そして,まずは安全を確認すべきではないでしょうか。それはやろうともしない。そういう政党もふくめて,みんな原発ゼロを匂わせている,だから,わかりにくいとNHKがあえて解説をくわえる,そこに問題があります。わかりにくいことなど,なにもありません。本気で原発ゼロをめざしている政党と,そうではない政党,つまり,選挙民の批判の目先をはぐらかそうとする政党とは,選挙民はみんなわかっています。
それをあえてわかりにくいかのように解説するNHKの意図はなにか,ここが問題なのです。こうして,いつのまにかわたしたちは世論を操作されてしまうわけです。このような世論操作は,じつは,あちこちで仕掛けられています。民放が,選挙報道をしない,というのもその一つの方法です。こんな大事な選挙について,一つも選挙特番を組まないのはなぜか。答えは明白です。自分たちの考え方(カネ儲け)にとって不都合な勢力が,想定外に期待を寄せられているということを知っているからです。客観的に選挙報道を流すと,自分たちにとって不都合な政党が有利になってしまう,という判断がどこかではたらいているからに違いありません。
このようにして,選挙はあの手この手で「操作」されています。そうして,民主主義という名のもとで,選挙結果が「正義」の根拠となり,少数意見はことごとく切り捨てられていきます。これが,こんにちのわたしたちの民主主義です。なんとも情けない現実です。
そこから脱出するためには,わたしたちがその「操作」に乗せられないことです。そして,自分の眼で確かめ,自分の頭で考え,自分の魂に問いかけ,自分の意志で,自分の一票を投ずることです。
あえて,ひとこと言っておけば,新聞もテレビも,知っていて無視し,さもなにごともないかのように振る舞っていますが,じつは,報道されないところで,さまざまな運動が展開しています。金曜日の首相官邸前の集会に代表されるような集会が,全国のあちこちで展開しています。とりわけ,原発ゼロをめざす女性を中心とした運動で「子どもたちを原発から守ろう」という切実な声が,想像以上の広がりをみせているようです。この声は,これからインターネットをとおして全国にもっともっと広まっていくとわたしは考えています。そこに多くの若いママさんをはじめとする賛同者が誕生しつつあると聞いています。それ以外にも,じつに多くの原発ゼロをめざす市民運動があちこちで起きています。この人たちの声をなぜ無視しつづけるのか,これがこんにちの日本のマス・メディアの姿です。このマス・メディアの姿勢が,日本の民主主義に大きな影を落している,とわたしは考えています。ここを,どのようにしてクリアしていくのか,それがいまわたしたち選挙民に問われている,きわめて大きなハードルではないでしょうか。
これから12日間,日本人のどれだけの人が「目覚める」のか。それが問われる選挙が始まりました。自分たちの身近にいる人たちに,できるだけ声を掛け合って,「カネ」よりも「命」を大事にする政治の方向に舵を切るべく,ささやかな努力をしていきたいと思います。
とりあえず,今夜はここまで。
こんどの選挙は日本という国のこんごの進むべき骨格を決める選挙だとわたしは位置づけています。それはこれまでの選挙とはまったく意味が違う,とんでもなく大事な選挙だということです。繰り返しますが,「3・11」以前までにつくりあげられてきた政治のままでいいとするか,そうではなくて「3・11」以前の政治とはまったく違う,新しい別の政治をめざすのか,という関ヶ原の戦いだと思っています。その結果いかんによっては,日本が世界の冠たる国づくりの範を垂れる道へと第一歩を踏み出すことができるか,それとも旧態依然の自民党時代(「55年体制」)の政治にもどってしまうのか,天下分け目の選挙だとわたしは位置づけています。
その意味もあって,今日の午後7時から10時までNHKテレビの選挙報道に注目しました。なぜなら,他の民放はすべて選挙とはなんの関係もない,いわゆる娯楽番組(わたしのいう「バカ番組」)をいつもと同じように流していたからです。じつは,これにもあきれ返ってしまい,日本の国のあまりのお粗末さに直面し,情けなくなってしまいました。もし,あったとしても,定時の報道番組が,それもニュースの一部としてとりあげているだけです。つまり,民放にとってはこんどの選挙はどうでもいいことであって,ほとんどなんの関心もないということでしょう。もし,報道してもだれも見ない,つまり,視聴率を稼ぐことにはならない,スポンサーもつかない,だから「意味のない情報」という位置づけです。つまり,「カネ」にならない情報という判断です。ここには,「命」よりも「カネ」の方が大事だ,という姿勢が露骨に現れています。それに比べればNHKは,まじめに選挙と取り組んでいる,と言っていいでしょう。
しかしながら,そのNHKの取り上げる選挙情報が,きわめて意図的・計画的にきちんと編集されている,ということを見逃してはなりません。編集とは,どこまでいってもある意図がはたらいています。つまり,編集という名のもとに,NHK的「客観性」という世論操作がなされているということです。それは,今夜の番組をみていてしみじみ思ったことです。一見したところ,中立で客観的な立場をとっているようにみえます。が,いくら隠していても,みる人がみれば,そのうしろに隠されている意図が透けてみえてきてしまいます。
それは,各党の選挙スローガンの主張が複雑で,わかりにくいものである,したがって選挙民は困惑している,という前提に立つ報道番組を構成しているということです。アナウンサーがわざわざそんなことをいう必要はありません。淡々と,各党の主張を流せばいい。それも大小の政党の区別をすることなく,どの党にも均等に時間を配分すべきではないでしょうか。小党などは,どうでもいいといわぬばかりの短い時間しか与えてはもらえません。少なくとも,初日の今日くらいは,みんな平等に時間を配分すべきではなかったか,とわたしは考えます。
弱小政党が,なにゆえに独立独歩の道を選び,自己主張をしようとしているのか,その声に耳を傾けることは民主主義の精神からすれば,きわめて重要なことではないでしょうか。それを,当たり前のように切り捨てて(時間的に),平気であるNHKの良識とはいったいなにか,というのがわたしの大いなる疑問です。こういう報道をするからこそ,受信料を払いたくない,それどころか,こんな放送局を支援することは犯罪的ですらある,と自責の念にかられることになってしまいます。
NHKのこの姿勢は,どう考えてみても世論操作です。のみならず,世論調査結果という名のもとに,経済・景気回復をもとめる人が91%もある,という数字をわざわざ報道の途中で挟みます。それがダントツで一位,そして,そのあとに三つがつづき,原発ゼロは第5位である,とこれみよがしに画面をアップにして,しばらく動かそうとはしません。いつまでこの画面を見せつけるのか,とあきれてしまいました。この画像,この時間の長さ・・・・そこには明らかにある種の意図がはたらいているとしか思えません。
言ってしまえば,「原発ゼロ」の主張をあいまいなものにする,という意図です。選挙の直前になって,あの自民党ですら,原発は危険と判断されたものについては止める,最終的には原発に依存する社会からの脱出をめざす,といいはじめました。こうなると,原発を維持する,つまり,こんごも原発を建造して電気をそこに頼るべきだ,と主張する政党はどこにもなくなってしまいます。ならば,いますぐにでも,大飯原発を止めて活断層の調査を優先させるべきではないでしょうか。そして,まずは安全を確認すべきではないでしょうか。それはやろうともしない。そういう政党もふくめて,みんな原発ゼロを匂わせている,だから,わかりにくいとNHKがあえて解説をくわえる,そこに問題があります。わかりにくいことなど,なにもありません。本気で原発ゼロをめざしている政党と,そうではない政党,つまり,選挙民の批判の目先をはぐらかそうとする政党とは,選挙民はみんなわかっています。
それをあえてわかりにくいかのように解説するNHKの意図はなにか,ここが問題なのです。こうして,いつのまにかわたしたちは世論を操作されてしまうわけです。このような世論操作は,じつは,あちこちで仕掛けられています。民放が,選挙報道をしない,というのもその一つの方法です。こんな大事な選挙について,一つも選挙特番を組まないのはなぜか。答えは明白です。自分たちの考え方(カネ儲け)にとって不都合な勢力が,想定外に期待を寄せられているということを知っているからです。客観的に選挙報道を流すと,自分たちにとって不都合な政党が有利になってしまう,という判断がどこかではたらいているからに違いありません。
このようにして,選挙はあの手この手で「操作」されています。そうして,民主主義という名のもとで,選挙結果が「正義」の根拠となり,少数意見はことごとく切り捨てられていきます。これが,こんにちのわたしたちの民主主義です。なんとも情けない現実です。
そこから脱出するためには,わたしたちがその「操作」に乗せられないことです。そして,自分の眼で確かめ,自分の頭で考え,自分の魂に問いかけ,自分の意志で,自分の一票を投ずることです。
あえて,ひとこと言っておけば,新聞もテレビも,知っていて無視し,さもなにごともないかのように振る舞っていますが,じつは,報道されないところで,さまざまな運動が展開しています。金曜日の首相官邸前の集会に代表されるような集会が,全国のあちこちで展開しています。とりわけ,原発ゼロをめざす女性を中心とした運動で「子どもたちを原発から守ろう」という切実な声が,想像以上の広がりをみせているようです。この声は,これからインターネットをとおして全国にもっともっと広まっていくとわたしは考えています。そこに多くの若いママさんをはじめとする賛同者が誕生しつつあると聞いています。それ以外にも,じつに多くの原発ゼロをめざす市民運動があちこちで起きています。この人たちの声をなぜ無視しつづけるのか,これがこんにちの日本のマス・メディアの姿です。このマス・メディアの姿勢が,日本の民主主義に大きな影を落している,とわたしは考えています。ここを,どのようにしてクリアしていくのか,それがいまわたしたち選挙民に問われている,きわめて大きなハードルではないでしょうか。
これから12日間,日本人のどれだけの人が「目覚める」のか。それが問われる選挙が始まりました。自分たちの身近にいる人たちに,できるだけ声を掛け合って,「カネ」よりも「命」を大事にする政治の方向に舵を切るべく,ささやかな努力をしていきたいと思います。
とりあえず,今夜はここまで。
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