2012年12月14日金曜日

日本の命運が決まる選挙。戦争の足音が聞こえてくる。恐ろしいことだ。

 いわゆる世論調査なるものの予測が当たるとは信じたくないが,これまでの実績からすれば,当たらずといえども遠からず程度の評価は受けている。選挙運動は今日(14日)をふくめて残り二日間。この間に大きな変動がないかぎり,日本は戦争に向かって突進して行きそうな雰囲気になってきた。恐ろしいことだ。

 日本国民はほんとうに憲法改正(改悪)を望んでいるのだろうか。そして,国防軍を組織したり,徴兵制を布いたり,北朝鮮や中国との戦争も辞さない,と考えているのだろうか。圧倒的多数がそれを望んでいるとは,わたしには信じがたい。しかし,このままいくと多数意見になってしまう。考えただけで空恐ろしいことだ。

 たしかに,多くの日本国民が,しっかりしたリーダーシップを発揮する政府の登場を待ち望んでいる。そのことはよくわかる。わたしとて,政権交代後の民主党政権のぶざまな姿には辟易としてしまったほどだ。もっと「しっかり」しろよ,と。その意味で,民主党に一票を投じた者として忸怩たる思いがある。だからこそ,こんどの選挙では,きちんとした政治理念をもち,「しっかり」としたリーダーシップを発揮してくれる政党・政治家の出現を待ち望んでいた。

 断っておくが,「しっかり」したリーダーシップとは,憲法改正(改悪)や徴兵制を布いて再軍備に向かう極右による強権政治のことではない。この方向性に向かうことそのものの危険性をも適格に判断できる,という意味での「しっかりしたリーダーシップ」のことである。原発問題にフタをしたまま,徴兵制にまで突っ走ろうとする暴走老人と自民党の安倍総裁は,やはり55年体制へと逆戻りする政治をめざしているとしかいいようがない。

 暴走老人に端を発する今回の政治の混乱,そして,極右への傾斜の大きな流れについては,西谷修さんの最新のブログに,詳細に論じられているので,ぜひ,参照していただきたい。もし,この流れが過半数を占めるということになれば,日本の政治的破綻がもたらす悲惨さは目を覆うばかりのものになるだろう,と結んでいる。しかも,ギリシアの経済的破綻の悲惨さが世界を席巻したが,それとはくらべものにならないほどの,とてつもない混乱を世界にもたらすことになるだろう,と結論づけている。このブログを読んで,わたしは全身に電気が走った。

 わたしの勝手な受け止め方からすれば,こんどの選挙は,その結果いかんによっては世界史に記録されるような,とんでもない歴史を刻むことになりかねない,ということだ。じつは,昨日も一日中,西谷さんのブログの内容について考えつづけていた。なんとかならないものか,と。これが,いま,わたしたちの命運を決する民主主義のありのままの姿でもあるのだ。

 そう思っていたら,今朝の『東京新聞』の「本音のコラム」に佐藤優氏が「都知事選と沖縄」という見出しのコラムを書いている。それを読んで,ふたたび,わたしは震撼してしまった。ああ,恐ろしいことが待ち受けている・・・・と。

 ぜひ,『東京新聞』を読んでいない人たちにも・・・と思い,転写しておく。こんなことが,もし,現実になったとしたら,わたしたちに未来はない。せめて,戦争だけはなにがなんでも回避しなければならない。そして,原発もゼロをめざすべきだ。その上で,つぎのことを考えていけばいい。なによりも,まずは「命」を守ることから,わたしたちの思考をとりもどそう。そこからの出直しが,こんどの選挙ではないか,とわたしはこころから信じている。戦争も辞さないなどという無責任な選択だけはしない,これだけは,みなさんにお願いしたい。今回の選挙は「人物」選びではありません。「政党」選びの選挙です。


佐藤優氏のコラム記事


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