この前のブログで書いておきましたように,スポーツ史学会第26回大会の初日,12月1日(土)15:45~18:00の時間帯で,シンポジウム「現代スポーツの苦悩を探る」が開催されました。そのシンポジウムのための基調講演は「スポーツにおける英国のミッションは終わったのか?」と題して井野瀬久美恵先生(甲南大学)が熱弁をふるってくださいました。それを受けて橋本一径先生(早稲田大学)がコメンテーターとして,とても刺激的なコメントをしてくださいました。そして,最後にわたしがスポーツ史学会の立場から,いま,わたしたちがどういう情況のもとに研究者として立たされているのか,というようなコメントをさせていただきました。
井野瀬先生のご講演は,聞きしに勝る迫力満点の気合の入った,聴衆を一気にまきこむ素晴らしいものでした。パワー・ポイントを用いて,テンポよく話題を展開し,じつに説得力あるお話をしてくださいました。スタートからゴールまで全力で走り抜ける,まるで短距離走者のような迫力満点のお話でした。それに対する橋本先生のお話は,長距離ランナーのように物静かに,しかし一瞬の手抜きもしない,ぐっと聴衆を惹きつけるものでした。なるほど,かつて800メートル・ランナーとして活躍された方だなぁ,とひとり納得していました。この時点ですでにシンポジウムの予定時間は過ぎていました。ですから,わたしの順番がきたときに「あと10分で」と司会者から言われ,頭のなかに用意していた話を半分以上捨てることにしました。ですから,十分とはいえないまでも,ある程度,意図していたことはお話できたのではないか,と自分を慰めています。
このあと,懇親会があって,井野瀬先生とも橋本先生ともすっかり意気投合して,「また,やりましょう」ということになりました。つまり,もう一度,もっと掘り下げて議論をする機会をもちましょう,という次第です。今回は,最初のお手合わせ。これでお互いの気心がわかりましたので,次回は,もっと安心して踏み込んだ話をすることができる,とお互いに確信できたのだと思います。お酒も入りましたので,どんどん話は大きくなり,温泉で一泊して,徹底討論をしましょう,というような話にまでいきました。たぶん,これまで「スポーツ」をテーマにして,西洋史(イギリス近現代史),思想・哲学(表象文化論),そしてスポーツ史のそれぞれの専門家が議論するなどということは前代未聞のことでしょう。ですから,まったく新しい知の地平が開かれてくるに違いないという予感がお互いにあってのことだと思います。まさに,21世紀のスポーツ文化を切り開くための絶好の基盤がまたひとつできつつある,とわたしは大満足です。
といいますのは,『近代スポーツのミッションは終わったか』(平凡社刊)では,やはり,スポーツ史学会でのシンポジウムもふくめて,西谷修,今福龍太の両氏とわたしとの3人で,「近代スポーツとはなにであったのか」という議論を積み重ねることができました。つまり,思想・哲学と文化人類学の専門家(それも,それぞれのトップ・ランナー)を「スポーツ」の領域に誘って,とことん議論していただくというわたしの切なる願いが,このような形となって結実したわけです。このお二人とは,いまも継続して,スポーツの問題についていろいろ議論をしていただいています。その第二バージョンが生まれつつある,というのが今回のシンポジウムでした。これから,また,新しいなにかが始まろうとしている,そういう予感につつまれて,胸が少年のようにときめいています。
このシンポジウムのことは,これからわたしたちのやっている研究会「ISC・21」月例研究会(毎月1回,東京・名古屋・大阪・神戸を巡回して開催。公開。詳しくは「ISC・21」HPの掲示板をご覧ください)でも,継続して議論をしていくことになるだろうと楽しみにしています。さしあたっては,今月の22日(土)の午後1時から大阪学院大学で開催されます。そこでも,もちろん,この継続議論をしたいと思っています。東京開催のときには,たぶん,橋本先生も参加してくださると思います。神戸で開催のときには,井野瀬先生にもお声がけをしたいと思っています。うまくタイミング(ご公務との関係で)が合えば,きっときてくださると確信しています。
いずれにしましても,そういう可能性が開かれるとても楽しい時間をお二人の先生と共有できたことが,今回のシンポジウムの最大の成果ではなかったか,とわたしは考えています。シンボジウムでお話いただいた内容につきましては,何回にも分けて,これから折あるごとにこのブログで取り上げてみたいと思っています。
今日は,とにかく,充実した楽しい時間を,両先生と分かち合うことができたことの幸せを,記憶の鮮明なうちに書いておこうと思った次第です。スポーツ史研究をずっとつづけてきてよかったなぁ,としみじみ噛みしめているところです。そして,もっともっと面白い議論ができるように勉強して準備しておかなくては・・・と切実に思うようになりました。あまりにも遅きに失したとは思いますが,気づいたときがスタートです。それだけ人生が豊になるのですから・・・。
最後になりましたが,井野瀬先生,橋本先生,ありがとうございました。スポーツ史学会の会員を代表して,こころからお礼を申し上げます。そして,これからも(いや,これからこそ),よろしくお願いいたします。
唯一,心配なのは,井野瀬先生が過労にならなければいいが・・・・と。あの身を削るような迫力でお話をされるお姿をみていて,そのことだけが気がかりでした。でも,強靱な気力・体力の持ち主であられることを信じて・・・・,こんごを楽しみにしたいと思います。
では,今夜はこの辺で。
井野瀬先生のご講演は,聞きしに勝る迫力満点の気合の入った,聴衆を一気にまきこむ素晴らしいものでした。パワー・ポイントを用いて,テンポよく話題を展開し,じつに説得力あるお話をしてくださいました。スタートからゴールまで全力で走り抜ける,まるで短距離走者のような迫力満点のお話でした。それに対する橋本先生のお話は,長距離ランナーのように物静かに,しかし一瞬の手抜きもしない,ぐっと聴衆を惹きつけるものでした。なるほど,かつて800メートル・ランナーとして活躍された方だなぁ,とひとり納得していました。この時点ですでにシンポジウムの予定時間は過ぎていました。ですから,わたしの順番がきたときに「あと10分で」と司会者から言われ,頭のなかに用意していた話を半分以上捨てることにしました。ですから,十分とはいえないまでも,ある程度,意図していたことはお話できたのではないか,と自分を慰めています。
このあと,懇親会があって,井野瀬先生とも橋本先生ともすっかり意気投合して,「また,やりましょう」ということになりました。つまり,もう一度,もっと掘り下げて議論をする機会をもちましょう,という次第です。今回は,最初のお手合わせ。これでお互いの気心がわかりましたので,次回は,もっと安心して踏み込んだ話をすることができる,とお互いに確信できたのだと思います。お酒も入りましたので,どんどん話は大きくなり,温泉で一泊して,徹底討論をしましょう,というような話にまでいきました。たぶん,これまで「スポーツ」をテーマにして,西洋史(イギリス近現代史),思想・哲学(表象文化論),そしてスポーツ史のそれぞれの専門家が議論するなどということは前代未聞のことでしょう。ですから,まったく新しい知の地平が開かれてくるに違いないという予感がお互いにあってのことだと思います。まさに,21世紀のスポーツ文化を切り開くための絶好の基盤がまたひとつできつつある,とわたしは大満足です。
といいますのは,『近代スポーツのミッションは終わったか』(平凡社刊)では,やはり,スポーツ史学会でのシンポジウムもふくめて,西谷修,今福龍太の両氏とわたしとの3人で,「近代スポーツとはなにであったのか」という議論を積み重ねることができました。つまり,思想・哲学と文化人類学の専門家(それも,それぞれのトップ・ランナー)を「スポーツ」の領域に誘って,とことん議論していただくというわたしの切なる願いが,このような形となって結実したわけです。このお二人とは,いまも継続して,スポーツの問題についていろいろ議論をしていただいています。その第二バージョンが生まれつつある,というのが今回のシンポジウムでした。これから,また,新しいなにかが始まろうとしている,そういう予感につつまれて,胸が少年のようにときめいています。
このシンポジウムのことは,これからわたしたちのやっている研究会「ISC・21」月例研究会(毎月1回,東京・名古屋・大阪・神戸を巡回して開催。公開。詳しくは「ISC・21」HPの掲示板をご覧ください)でも,継続して議論をしていくことになるだろうと楽しみにしています。さしあたっては,今月の22日(土)の午後1時から大阪学院大学で開催されます。そこでも,もちろん,この継続議論をしたいと思っています。東京開催のときには,たぶん,橋本先生も参加してくださると思います。神戸で開催のときには,井野瀬先生にもお声がけをしたいと思っています。うまくタイミング(ご公務との関係で)が合えば,きっときてくださると確信しています。
いずれにしましても,そういう可能性が開かれるとても楽しい時間をお二人の先生と共有できたことが,今回のシンポジウムの最大の成果ではなかったか,とわたしは考えています。シンボジウムでお話いただいた内容につきましては,何回にも分けて,これから折あるごとにこのブログで取り上げてみたいと思っています。
今日は,とにかく,充実した楽しい時間を,両先生と分かち合うことができたことの幸せを,記憶の鮮明なうちに書いておこうと思った次第です。スポーツ史研究をずっとつづけてきてよかったなぁ,としみじみ噛みしめているところです。そして,もっともっと面白い議論ができるように勉強して準備しておかなくては・・・と切実に思うようになりました。あまりにも遅きに失したとは思いますが,気づいたときがスタートです。それだけ人生が豊になるのですから・・・。
最後になりましたが,井野瀬先生,橋本先生,ありがとうございました。スポーツ史学会の会員を代表して,こころからお礼を申し上げます。そして,これからも(いや,これからこそ),よろしくお願いいたします。
唯一,心配なのは,井野瀬先生が過労にならなければいいが・・・・と。あの身を削るような迫力でお話をされるお姿をみていて,そのことだけが気がかりでした。でも,強靱な気力・体力の持ち主であられることを信じて・・・・,こんごを楽しみにしたいと思います。
では,今夜はこの辺で。
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