2015年1月5日月曜日

「東京五輪2020 これだけの不安」(『ひろばユニオン』2015年1月号)。

 東京五輪2020の実施計画を2月にはIOCに提出しなければならないところにきています。これからわずか1カ月でのドタバタ劇がはじまります。いまごろになって,野球,ソフト,空手などを新たに競技種目として加えようという動きが水面下で活発になってきているからです。そんなことも含めて,『ひろばユニオン』(労働者学習センター発行,2015年1月刊)の連載「撃・スポーツ批評」に一考を投じました。ご笑覧くだされば幸いです。

 
昨年末には,森喜朗組織委員会委員長が,五輪会場の候補地として名古屋や仙台も視野に入れている,という談話を発表しています。これを聞いたら,ほかの都市も黙ってはいないでしょう。IOC委員のひとりは,大阪でも開催したら,と提案しています。さて,主催都市である東京都はどういう判断をすることになるのでしょうか。これまでの新しい施設建設計画もふくめて大問題になってきています。

 
つい最近,明らかになった重大ニュースは,東京五輪2020招致のための計画書には,「原発再稼働はしない」と安倍首相のことばとして盛り込んであった,という事実です。しかも,そこにはフクシマは「完全に制御できている」とも書き込まれていた,といいます。これらの計画書にもとづいて,最後のIOC総会でも安倍首相は「under control 」という名言(虚言)を吐いているわけです。

 
つまり,安倍首相は二度も「嘘をついた」ことになるわけです。一度目は,上に書いたように計画書とIOC総会のプレゼンテーションにおいて。二度目は,原発再稼働へと舵を切ったことです。いくら虚言癖がある人だとはいえ,一国の総理大臣です。こんなに短期間のうちに,これほどの「嘘」を平気で言える人は稀有としかいいようがありません。

 加えて,フクシマによる放射能汚染はとどまるどころか,ますます拡散しつづけています。昨年11月のデータでは,三重県の汚染度が全国第三位だったといいます。東京はもとより,埼玉,千葉,神奈川も上位にランキングされています。このままの進み行きをみていますと,2020年までには日本列島の半分はフクシマと同じ状態になってしまうのではないか,と懸念されています。

 それでもなお,アベ君は「原発再稼働」に向けてまっしぐら。しかも,原発輸出にも,異常なほどの熱意を示しています。

 おまけに,武器輸出にも熱心で,輸入国には補助金も出す,とまで言っています。

 他方では,憲法9条をなきものにして,戦争のできる国に舵を切ろうとしています。

 日本で五輪を開催する資格の唯一の理論的根拠は,国際平和に貢献することを高らかに謳い上げている「憲法9条」です。しかも,「戦争放棄」を憲法で宣言している国は,世界でただ一国だけだからです。この憲法を否定するような国を目指すということは,国際平和運動を標榜するオリンピック・ムーブメントに反することになってしまいます。

 なのに,アベ君はこの矛盾をも無視しようとしています。いったい,どういう神経の持ち主なのでしょう。

 どこまでもアベ政権の願望を貫くというのであれば,東京五輪2020開催は,早々に辞退すべきでしょう。それすらもしないで,矛盾だらけのことを平気で国際社会にまで押しつけようとしています。だとすれば,このさきに「なにが待っているか」はだれの眼にも明らかでしょう。

 これから一カ月ほどの間に,組織委員会,JOC,東京都,文部科学省(JSCも),そして,IOCがどのような動き方をするか注目です。しっかりとアンテナを張っていくことにしましょう。
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