2015年6月8日月曜日

安保法案,憲法違反へと「潮目」が変わる。さあ,天下分け目の決戦だ。

 このところの国会論戦を聞いていてほとほと嫌気がさしていた。なぜなら,野党からのまっとうな質問をことごとくはぐらかし,決まり文句をながながとしゃべりまくり,いたずらに質問時間を消費させるだけ。とくに,アベ君の応答がひどすぎる。しかも,それで「ていねいな説明」をしていると嘯く。まったくもって度し難い。

 仏教では「縁なき衆生は度し難し」という。まさに,アベ君は「縁なき衆生」というほかはない。「縁なき衆生」とは,真理を求めようとはしないアウトローを生きる人間のことだ。そういう人間に「法」を説いてもなんの意味もない。その点,憲法を無視して,その制約の外で生きることを選択しているアベ君は「縁なき衆生」そのものだ。

 それでは議論にならないのも当然だ。最初から憲法にたいして顔を横に向けているのだから・・・。しかし,そんな政府与党に激震が走った。

 6月4日に開催された憲法審査会で,3人の参考人がそろって「安保法案は憲法違反」であると陳述したからである。その中には,政府与党の推薦した参考人もふくまれていた。閣議決定をした憲法の拡大解釈を擁護してもらえるつもりの参考人が,みごとに「正論」を吐いてしまった。しかも,正々堂々と。一糸の乱れもない論調で。政府与党はとりつく島もない,とはこのことだろう。


これで一気に野党が活気づいた。質問の舌鋒も鋭くなり,アベ君を筆頭に,にわかに答弁が乱れはじめた。論旨不明の言説がつぎつぎに繰り出され,説明不能であることが露呈してしまった。こうして,ようやく新聞・テレビといった大手メディアも,その実態を少しずつではあるが報道をせざるをえなくなってきた。国民もまた「やはり,そうだったか」と得心。ならば,そんな「憲法違反」の法案を認めるわけにはいかない,と目が醒めた。


ここから安保法案の「各論」審議から,本丸である「憲法違反」論議へと急旋回した。そして,論戦は野党有利の方向に「潮目」が変わった。多くの国民も「憲法違反」は許せないとばかりに行動をはじめた。国会周辺だけではなく,大阪や九州でも大きなデモが繰り広げられるようになった。加えて,若い学生さんたちも立ち上がった。


いよいよ,本丸攻めの天下分け目の決戦の様相を示しはじめた。

 6月6日に立憲デモクラシーの会が主催した「憲法の危機」というシンポジウム(東京大学法文1号館)には,主催者の予想をはるかに上回る「1,400人」が集まった。700人収容の会場から人があふれ(開会20分前に),急遽,第二,第三会場まで用意して,テレビ中継で応答することになった,という。これまでにも,立憲デモクラシーの会は,何回にもわたってシンポジウムを開催してきたが,こんなことはなかった。嬉しい悲鳴をあげた・・・と呼びかけ人のひとりからメールをいただいた。


この集会を毎日新聞は一面トップで,大きく報道した。この衝撃は大きかっただろう,と推測する。しかし,朝日,読売,日経はスルー。東京新聞も,なぜか,社会面で小さく取り上げたにすぎない。が,インターネットでは,さまざまなメディアがこのシンポを取り上げ,その論調まで詳細に報じられている。だから,ネットで大手メディアでは取り上げられない情報をチェックしている人びとには熱く伝わったのではないかとおもう。

 いずれにしても,安保法案は憲法違反だ,と憲法の専門家たちが口をそろえ,法曹界も共同声明を発し,各種の団体も「憲法違反」を唱えはじめている。もはや,この流れはとどめようがないだろう。このままでは政府与党の立場は面目丸潰れになってしまうと焦れた谷垣幹事長が街頭演説に打ってでた。ところが,この演説に「怒号」が飛び交ったという。

 いよいよ国民の「怒り」はほんものだ。

 それでも安保法案を支持するのか,玉虫色の政党は「踏み絵」を踏まされることになる。つぎの選挙に向けて,国民もまた,大きな決断を迫られることになった。歴史に残る,大きな決定が,いま,まさになされようとしている。悔いの残らない決断のとき,それは「いま」だ。


いよいよもって天下分け目の決戦のはじまりである。
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