2011年6月16日木曜日

節電実績を,なぜ,新聞・テレビは取り上げないのか。

国民の節電意識は相当に高いのではないか,とこのところ考えていた。わたしの事務所のあるマンション(周囲もすべてマンション)を見回してみると,あちこちの窓が開けてあって,風がとおるようになっている。それをみるかぎり,エアコンはまだ使っていない,ということがわかる。周囲のマンションも同様だ。夕刻になっても,電気をつける部屋は一つ。これも3・11以前とは違う。つねづね,国民は節電に頑張っている,と感じていた。

しかし,その実績がどのくらいなのか,わからなかった。新聞もテレビもそのことを報道しないからだ。しかし,今日,インターネット上にその情報が流れていることを発見(すでに,前からあったのかもしれないが,わたしは知らなかった)。

それをみて驚いた。みごとな節電の成果がそこに現れていたからだ。
結論からいうと,昨年の今日と比較して,ほぼ3割ほど消費電力が少なくなっている(折れ線グラフなので精確な数字はわからない)。これには驚いた。じつに立派なものだ。原発が担っている電力は全体の29%だ。もう,すでに,原発を全部止めても,ぎりぎり達成しているではないか。あとは,原発に代わる代替電力を少しずつ増やしていけばいい。少し時間はかかるかもしれないが,不足分は我慢すればいい。第二次世界大戦の敗戦後の生活を考えれば,いとも簡単なことだ(あのときの「飢餓感」はいまも忘れない)。非常時なのだから,我慢すればいい。空腹よりは我慢ができる。しかも,数年後には解決できる。

わたしの予想では,10~15%くらいは節電しているのではないか,と思っていた。だから,関西電力から15%の節電の呼びかけがあったとき,それくらいのことは「できる」と確信していた。それを,なんでわざわざ新聞が驚いたように取り上げるのか,そして,その記事は読者を脅かす内容になっている。読んでいる途中で,新聞社(わたしの場合は朝日新聞)もまた,電力会社とタイアップして,原発推進をしないとやっていかれませんよ,と警告をしていることに気づく。なんとまあ,いやらしいやり方か,と。それなら,もっと積極的に原発推進キャンペーンを張って,その根拠を明確に示すべきではないか。

インターネットには「東日本大震災関連情報」というのがある。そこに,「停電・節電」という見出しがある。そこを開くと「東京電力/電力の使用状況グラフ」という見出しがある。そこをクリックすると,「20時台実績74%」(22時30分現在)とある。さらに,見たいところをクリックしていくと,「電気予報」という見出しが目に入ってきた。早速,開いてみると,面白い折れ線グラフがでてくる。しかも,きちんとしたデータも掲載されている。

それによると,「本日の予想最大電力:3,430万kw。本日のピーク時供給電力:4,370kw」とあり,さらに,本日の使用電力量が棒グラフで1時間単位で表示してあり,そこに,折れ線グラフで,前日の実績,前年相当日実績が書き加えられている。これをみて,またまた驚いた。ほぼ,予想どおりの「最大電力」が今日の実績としてグラフにある。ということは,まだ,約1,000万kwほどの余裕がある。きわめて健全ではないか。みんなが節電に努めている結果なのだ。このことをもっともっと広く国民に知らせるべきではないか。なのに,大手の新聞もテレビも無視する。それどころか,「知らしむべからず」という政府,官僚,財界,そして御用学者と足並みを揃えている。つまりは「原発推進」を支持しているということ。このことを明確に表明しないまま,読者の意識コントロールをやっている。もっとも悪質だ。

わたしたち国民は,できる範囲で小さな節電の努力をしている。ことしの夏はエアコンは無理だねぇ,と言った友人がいる。偉いなぁ,とわたしなどは感心してしまう。そうか,みんな我慢しようと覚悟を決めている。そのせいか,扇風機が売れているという。そう,扇風機で十分なのだ。ついこの間まで,扇風機すらない生活が日本人の当たり前の生活だった。みんな「団扇」か「扇子」で涼を自分で産み出したものだ。疲れたら暑いまま。我慢ができなくなったら扇ぐ。その繰り返し。ことしの夏はそれでやり過ごそうと覚悟をすればそれでいいのだ。その点,高齢者はみんな若いころに体験ずみのことだ。

まあ,それはともかくとして,「節電実績」を,日々公表してほしい。新聞・テレビできちんと報道してほしい。そうすれば,みんながどれほど頑張っているかがよくわかる。それを知って,さらに頑張る人もでてこよう。ことし一年はそうやって励まし合うしかないのだ。そして,一年後に向けて,代替電力を確保すべく努力すればいい。すでに,自宅にソーラー・システムを導入しようと考えて,実行に移している人がわたしの身近にも出はじめている。心強いばかりだ。

もう一度,言っておく。なにゆえに大手の新聞・テレビは国民の日々の「節電実績」を隠そうとするのか。その魂胆がどこにあるかを,わたしたちは見逃してはならない。
垂れ流しのテレビ視聴はやめよう。受け身の新聞購読はやめよう。そして,情報はわたしたちが必要とするものだけを選んで確保しよう。そのためには,インターネットはまことに有力な武器となる。しかも,ほとんどリアル・タイムで最新の情報が流れている。また,古い情報も「検索」すれば,いくらでも確認することができる。新聞・テレビ離れが若者ほど早いというのも一理あるからだ。

またまた,このブログが終わらない。
そう,「節電実績」を日々,公表しよう。「天気予報」のとなりに「電気予報」として。

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